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線形代数と僕 大学編3 - カップラーメンと交換法則

大学編2からの続きです。

一人暮らしあるある?

大学時代は専門書読んでゲームしてたらそれだけで楽しかったですね。
夢中になっているとお腹すかないので、食事しないこともしばしば。

一度、丸一日以上食事をしなかったら目が霞んできて気を失いそうになったことがあります。
このときはさすがに焦りました。新聞の片隅に載ってしまう。両親の呆然とする姿が脳裏に。

家に食べ物はまったくなかったので、近所のローソンまで這うようにして向かってカップラーメンとすぐ食べられる肉まんを買いました。店を出るやいなや立ったまま肉まんにかぶりつく。

この肉まんは格別でした。痺れる旨さ。
みるみる視界がクリアになり驚きました。
未だにこれよりうまい肉まんは食べたことがありません。
今から思うと低血糖状態だったんでしょうね。

家に戻り、カップラーメンを作ります。肉まんかじったせいで急激にお腹空いてきました。
この時買ったのはたしかカップヌードルのチリトマトだったと思います。
当時、チリトマトは地味な存在だったのですが僕は好きでした。

カップラーメンを作る

みなさんはどうやってカップラーメンを作りますか?
一般的に以下の4つの工程を行うことになるでしょう。

  1. お湯沸かす(A)

  2. カップの蓋開ける(B)

  3. お湯注ぐ(C)

  4. 3分待つ(この工程はこのあとの話に影響しないので以後省きます)

これらを以下のように書いてみましょう。

$$
A B C
=
おいしい
$$

AとBの順番を入れ替えるとどうなるでしょうか?これでもラーメンは完成しますので以下のように書けます。

$$
B A C = おいしい
$$

順番を入れ替えても美味しくラーメンはできますが、実際にはお湯を沸かすことから始めるでしょう。それは、湯が沸く間にカップの蓋を開ければ良いと知っているからです。カップ麺を食べるときはたいてい腹がペコペコで、一刻一秒を争います。

順序とかかる時間の比較

入れ替え可能な工程を見つけても、その順番には工夫の余地があります。順番を変えるとやはり何らかの違いが現れます。

$$
A B C
=
\begin{pmatrix}
おいしい\\時間短
\end{pmatrix}
$$

$$
B A C
=
\begin{pmatrix}
おいしい\\時間長
\end{pmatrix}
$$

今度は、開ける(B)と注ぐ(C)の順番を入れ替えると何が起きるでしょうか?カップにお湯が入らないのでラーメンはできません。そればかりか、やけどして処理が完了しないでしょう。

$$
ACB
=
\begin{pmatrix}
あっちっち\\エラー
\end{pmatrix}
$$

物事の順番というのはとても大切ですね。

交換法則が成り立たないほうが自然

高校編にて、行列の掛け算には交換法則が成り立たない話をしました。

$$
AB \ne BA
$$

この時は、交換法則が成り立たないことに違和感をおぼえたのですが、むしろ、この世界は交換法則は特殊な状況でしか成り立たないことに気づきます。

行列というのは世界の事象を表現するのに理にかなった手段ではないか?と思い至りました。

数学なんて何の役に立つのですが?と言いたくなってしまうわけ

僕は中学受験でまともに勉強するようになって以来、算数や数学には愛着を持っていましたが、勉強して何の役に立つの?と聞かれたら言葉に困りました。

今回の低血糖事件?あたりから自分なりの答えを持つところまでたどり着きましたが、それまではそうじゃありませんでした。

問題解いているのはバズルを解くようで楽しかったですが、これが自分の人生の問題を解くのに役に立つのかと言われれば、そうは思えない。

「自分は交換法則が成り立たない世界に生きているのに、交換可能な世界の操作方法をぐちゃぐちゃ練習して何の意味があるの?」

当時、このように言語化できたわけはないですが、これに近いことは漠然と感じていたように思います。

いまのところ小2の娘には算数できないとドラクエウォークでベストパーティー組めないよ!と伝えています。

続く。

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