オタール・イオセリアーニ映画祭4:「水彩画」をみて

映画は、朝も夜も働きづめの妻と妻が稼いだお金をせびり飲んでばかりの夫と4人の子どもたちのお話です。
夫がお金をせびるシーンから始まり、断る妻の隙をみてお金をくすねて窓から外に出ます。気付いた妻は、夫を追いかけていきます。

ひょんなことから、夫は美術館あるいはギャラリー?に逃げ込んでしまいます。遅れて妻も中に入ってきます。
そこで、2人は自分たちの家によく似た1枚の絵に出合います。
客を引き連れた解説者が彼らの前に来て、この家には温かい家族が住んでいる。と、絵の解説を客にします。

夫妻は絵の中に自分たちを投影します。諍いはおさまり、最後のシーンに続きます。
おめかしをして家族で横並びになり家を背景にして絵を描いてもらうシーンで終わりました。

どんな絵になったのか続きが気になりました。

映画をみて、2人の関係が冒頭の現実のみであったら、これからもそうした関係が続いていって悲しい未来が待っていたのではないでしょうか。
しかし、絵に描かれた2人の家を通して、同じだけど、異なる新しい世界線、別の世界を解説者が教えることによって起きた変化に感動しました。

少し見方を変えるだけで、違う現実に向かうことができる希望を与える映画でした。


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