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「雲がほどけた9月の珈琲」
どこにも吐き出せないエネルギーをぎゅぎゅっと詰め込んでいた夏の雲が見当たらない。
空の青さに、夏の雲が溶けたのだろうか。
白さが混じった青空は、やさしさを含んでいた。
季節が変わり、雲がほどけた9月の珈琲。
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2023年9月の珈琲
Costa Rica 100g / Guatemala 100g
名前のない珈琲 50g
Costa Rica:高架下の雨宿り
今日は一日中雨だとわかっていた
それでもかわらない朝の儀式
ちいさな歩幅に合わせて
誰もいない高架下を行ったり来たり
高架から滴る雫が光を反射して
天気予報が外れたことを知った
甘みと酸味、時々、苦味
Guatemala:月が落ちていく
タワーのようにそびえ立つ
マンションの横に月はいた
実りの秋にふさわしい
ふくよかなかがやきに吸い寄せられ
近づきたくて、手をのばす
この手のなかに月が落ちていく
なじみのよいコクとグッと締まる苦み
名前のない珈琲
この珈琲にはまだ名前がありません
この珈琲を味わい、感じた思いを
形にしてみてください
自由に…
思いのままに…
そして、この珈琲に名づけてあげてください
あなただけの珈琲のできあがりです
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