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「2023年5月の名前のない珈琲 Kenya:鏡のなかからこんにちは。」

「名前のない珈琲は鏡だね。」

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5月の名前のない珈琲:Kenya

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こころの底から、ふぅと息を吐いた。
落ち着くなぁ。

それが、2023年5月の名前のない珈琲を飲んだ第一印象だ。

先月の名前のない珈琲は、自分の土台を、選択肢を増やすコトに気がつかされた珈琲だった。
「手当たり次第に浮気する(した)」2023年4月。

そんなひと月を過ごせば、頭も心もちょっとへたってしまう。

とはいえ、少しも休憩していないわけでもないし、完璧なゴールにたどり着いたわけでもない。
まだまだ、手当たり次第に浮気する必要はある。

でも、挑戦したなら、その手応えや結果をきちんと確認することも大事だ。

2023年5月の名前のない珈琲を飲み、息を大きく吐いたら、こころが落ち着きを取り戻した。

わたしは、何のために何をして、その結果はどうなったのだろう。
そんなことを考える余裕が生まれた。

そして、思い出した。
「名前のない珈琲は鏡だね。」と言われたことを。

珈琲を通して、自分と向き合う時間をお届けするという思いに、「鏡」という表現はぴったりだと思った。

2023年5月の名前のない珈琲に選んだ珈琲豆は、深めに煎ったKenya。
力強く伸びやかな酸味を苦味やコクが包み込んでくれていて、とても穏やかな鏡面のように感じる。

2023年5月の名前のない珈琲を飲む=鏡のなかにみえるわたしを見つめる

すると、鏡のなかのわたしは、はにかみながら、「こんにちは。」と言った。
欲しいと思っていた手応えも結果も、少しずつだけど、手にしていることにほっとしながら。

そうか。
そうなのか。

「鏡のなかからこんにちは。」

2023年5月の名前のない珈琲の名前は、こう名付けよう。

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