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ここには好きなものしかない/泉天空の湯[東京・羽田空港]

※記載されている情報や現地施設等の状況は、すべて訪問日現在のものです。投稿日およびお読みいただいた日の時点で記載内容と異なる場合がありますので、ご了承ください※

2022年の年の瀬、12月21日にオープンしたばかりの新しい温浴施設。
羽田空港第3ターミナルに直結しており、露天風呂から滑走路や富士山が見える!絶景!と話題になった一方で「料金がさすがに高すぎる」「コスパを考えるとちょっとなぁ」という感想もちらほらと。
それでも、駆け出しサウナー(しかも飛行機&空港好き)の好奇心を刺激するにはじゅうぶん過ぎるスポットです。躊躇するような料金設定はさておき「物は試し!」で行ってみよかな。

フライング仕事納めで直行…あれ?遠い??

折しもその日は職場の仕事納め。ほとんどの社員はすでに年末年始の休暇に入り、出社しているのは先輩と私のふたり。午後半休をどのタイミングで切り出そうか…と様子を窺っていたら。
先輩「僕、ある程度片付いたら早めの時間で帰ろうと思ってますけど、チイさんどうします?」
私「あ、じゃあ私、午後半休で…(心の声『っしゃあああ!!!』」
というやりとりを経て、お昼過ぎには会社を脱出。
やったー!昼サウナだー!!

いきなり余談で恐縮ですが、横浜駅から出て首都高速湾岸線~湾岸道路を走る高速バスの車窓から、東京湾を眺めながら羽田空港へ向かうのが非常に好きでして。

こんな感じ!

お天気や時間帯によってさまざまに表情を変える大黒埠頭と周辺の海。何度見ても飽きずに見惚れてしまう…

横浜駅からの高速バスと、ターミナル間を繋ぐシャトルバスを乗り継いで第3ターミナルへ。

※後から知ったのですが、横浜駅~羽田空港間の高速バスには第3ターミナルに停車するのとそうでないのがあり、前者の比率がかなり高いはずのお昼の時間帯でたまたま私が乗ったのが後者だったようです。えー…

第3ターミナル2階、到着ロビーから見て京急線・東京モノレール乗り場よりさらに少し奥側に"HANEDA AIRPORT GARDEN"と書かれたかなり目立つエントランスが見えます。ここが最初の入口。

目立ちますがとにかく奥にあるので、なんと到着ロビーからは見えませんw

ここからショッピングエリアを横目に、泉天空の湯を目指しててくてく歩いて行くのですが。

てくてく。

てくてく…

ねぇ、遠 く な い ?

成人女性がサクサク歩いておよそ3分弱。ショッピングエリアがまだどのお店もオープンしておらず、ここでできることはただひたすら歩くのみなので余計に遠く感じる気がします。道中開いていたのはコンビニ1件のみ。実はこの1件だけあるコンビニが、サウナーにとってかなり重要な役割を果たすのです。詳しくはのちほど。

長い通路の先にたどり着いたのは、見た目がほぼオフィスビルのような建物(ホテルヴィラフォンテーヌプレミア/グランド羽田空港)。中に入ると、いちばん奥に泉天空の湯へ上がる専用のエレベーターがあります。

いや、エレベーターホールちっさ!!

エレベーターで12階に上がり、入館。エントランスでスタッフさんから館内施設と料金の説明を受けます。ちなみに下駄箱はICタグつきリストバンド方式。

一般利用が4,800円ですかそうですか。

価値観が人それぞれとはいえ、この料金設定ってさ、たとえば海外から帰国して羽田着いて
「あー!日本のお風呂が!湯舟が!恋しいー!!」
と思っている日本人がいるとして、看板を見てふらっと立ち寄れる金額とはさすがに思えないのだけど、どうだろうか。ふむ…

(その他料金や優待、利用時間の詳細はコチラ。説明を受けたときは気づかなかったのですが、なんやかんや制限があるようです)

さて、本題のサウナですが

まぁ、しょっぱい話はこれくらいにして。
職場を出ておよそ2時間(途中、重度の方向音痴発動につきエントランスの場所を見つけられずパニックになっていた時間も含む)、ようやくサウナ…の前に浴場へたどり着きます。

新しい施設ということもあって、きれいで明るく広い脱衣所。ロッカーの数もパウダールームのドライヤーの数もじゅうぶんにあり、多少混んでも困ることはなさそう。ロッカーの場所は自分で選べるので、私の好きなプロ野球選手の背番号をチョイス(どなたでしょうね…ふふ…)。

さてさて、やーっと、浴場にイン!!

さっそく洗い場。20人分くらいかな、こちらも数はじゅうぶん。シャワーヘッドはミラブルプラス。本当に汚れ落ちが良いのかどうかはよくわかりませんが、手元のスイッチでお湯の出方がいろいろ調節できて面白い。

湯舟は入口側から電気風呂・水風呂・炭酸泉・天然温泉の順で並んでおり、どの湯舟もガラス窓に面しているので景色もばっちり楽しめます。まぁ、景色の左手では京浜工業地帯のたくさんの煙突が全力で白煙をもくもく出しているので、ちょっと複雑な気分にはなるのですが。
ウリにしている富士山の絶景は、薄曇りの夕方前なのでまだガスの向こう側に霞む程度。ちょっと時間帯が早かったかな。慌てず騒がずマジックアワー待ち。

(滑走路を眺められるのは男性風呂だけのようです。いいなぁ…)

天然温泉で軽く湯通しして、まずは漢方サウナ(約50度、塩あり)をお試し。ミストサウナですが…個人的にあまり得意じゃないかも。蒸気で目が開けられず5分程度でギブアップしました。

気を取り直して露天エリアで少し休憩。こちらは景色に近い側に露天風呂、奥側にあつ湯と寝そべり湯。

で、肝心のドライサウナはどうしたの?って話ですが。屋内エリアの湯舟から景色を見たときちょうど背中側に入口がありました。景色に気をとられていると見逃しますw(え?)

ドライサウナは入口の小ささからは想像がつかない広さの4段!温度は最下段で85度前後。かなり明るめの照明でテレビもあり、真新しい木の香りが満ちていてテンションが上がる。85度と聞くとさほど高温という印象はあまりないけど、15分ごとのオートロウリュがかなり強力でグワッと熱風があがるので、結果的にはチリチリ感を感じるほどに温まります。

10分ほどでサ室を出て、目の前の水風呂でかけ水(※当時はまだまだひよっ子サウナーでまだ水風呂に入る勇気がなかったw)をしてふたたび露天エリアへ。平日昼間で人が少ないとはいえ、2脚しかないデッキチェアは当然の如く埋まっていたので寝そべり湯にダイブして、外気浴スペースをどうにか確保しました。

今ここには好きなものしかない

呼吸に意識を向けながら心臓の拍動がもとに戻るのを待っていると、不意に近づく轟音。

今まさに滑走路を飛び立って空に向かおうとする飛行機が、仰向けで寝そべり湯に浸る私の視界に飛び込んできた…!!

その迫力に圧倒されエンジン音を全身に感じるうちに、スーッと全身の力が抜けていく。その中で
「サウナに入って、飛行機がすぐ近くにあって…ああ、今ここには私の好きなものしかないんだ」
と気づいた瞬間、良い意味で、すべてがどうでもよくなって。

「ととのう」って、こういうこと…?

自ら掴みに行く、というよりは、降りてきたものを受け止める感覚。
イメージが明確に掴めたような気がしました。

サウナ→かけ水→寝そべり湯を3セット楽しんで、最後は屋内エリアの炭酸泉につかりながら、太陽が傾いてさっきよりはっきりと見えてきた富士山のシルエットを日没近くまで眺めて、心をしっかり満たして終了!

で、全体的にどうだったの?

オープン直後に行ったので参考になるかどうかは別として。
新しくてきれいな温浴施設はやはり快適。そして景色の良さや飛行機が近いという非日常感も都会のど真ん中で味わえるので、普段使いよりは「特別な日」に自分へのご褒美として行くのに良いかなと(料金のことも考えると、ね)。人が少ないであろう平日の昼間がおすすめです。

ただ、サウナをメインにして利用するにはちょっと物足りないかもしれません。サ室の温度も水風呂もそれなりに良いのですが、なにしろととのい椅子が足りない。私のように寝そべり湯を外気浴に活用するか否かも好みによるだろうし。

そして1点注意。
飲水機は浴場に入る手前にあって、サウナ→水風呂→外気浴の動線からは外れてしまうのでちょっと不便かも。また、脱衣所内に1機だけある自販機で買えるのは乳製品のみなので、しっかり水分補給するなら入館前にコンビニでお水等を買っていきましょう。
※はい!ここで先ほどの「来る途中に1件だけあるコンビニ」が重要なファクターになりますよー!

補足/2023_02_18

訪問から2か月近く経つので、建物の状況もさすがに変わっているだろうと思い、再度行ってみました。エレベーターホールまでですが。
訪問当時はまだまだ開店準備中(場所によってはまだまだ工事中)だったショッピングエリアがほぼ全館オープンしていました。ので、泉天空の湯のお客さんも当時より増えていると思います(でなきゃさすがに寂しい)。

ちなみにコンビニは相変わらず1件だけですw


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