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社内でTableau Viewer向け勉強会をしてみた[DATA Saber挑戦 #Week11]

DATA Saber BridgeプロジェクトにApprenticeとして参加しています。
週一note更新目指します。

はじめに

先日、組織内でTableauのViewer向け勉強会を開催しました。
意外とViewer向けに勉強会をしている方が多くなさそうなので、実施した内容や注意点などをまとめておきたいと思います。

前提

社内のユーザーはほとんどViewer以上のTableauライセンスを持っています(おそらく多数がExplorer)。ただし、Explorerの利点であるTableau Server上でのダッシュボード作成を行っている方はほとんどいません。

つまり、ライセンス的にはExplorerではあるもののビジュアル分析の役割上はViewer、というような方が多い状況です。

Viewer向け勉強会を開催した目的

1.Viewerの役割を理解してもらい、データドリブンな意思決定をしてもらう

データドリブンな組織作りのためには、Creator、ExplorerだけでなくViewerの行動にも意味がある、というのはViewerの役割を確認すれば明らかかと思います。

Tableau Viewer
Viewer (ビューアー) は、データを情報源にして、自分の意思決定の質を向上させる人々を指します。日常業務の多くでデータを必要とするチームメンバー、重要なプロジェクトでチームの進捗を確かめる人材マネージャー、さらには会社の健全性に関する巨視的な指標が必要な CEO まで、誰でもなり得るのが Tableau Viewer です。

Tableau Viewer/Explorer/Creator のライセンスをニーズに合わせて組み合わせるには | Tableau
より引用

『データを用いて判断をすることで意思決定の質が向上する。
データを用いて意思決定をするには組織全員に分かりやすい形でデータを見てもらう必要がある。
組織全員がデータを理解しやすい形で見るのに最適な基盤こそTableau Serverであり、Tableauダッシュボードを見てデータを理解して質の高い意思決定するのは(講師役の私を含めた)皆さんです!』

……ということを組織の皆さんに理解いただくことで、データドリブン文化の醸成に一歩近づくと考えています。

なお、あえて勉強会をExplorer向けにしなかったのは、初心者にTableauでのダッシュボード作成方法を学んでいただくとしても結局ビジュアル分析の説明をする必要があると考えたためです。

2.社内で作成したダッシュボードを見てもらう

実をいうと、真の目的はこちらです。

勉強会の中で、ビジュアル分析の有効性とViewerにとってのTableauの有効性を説明したところで「じゃあ具体的に何をすればよいの?」と参加者が疑問に思うはずです。
そこで、社内公開されたダッシュボードとそこから起こせる行動例を紹介することで、社内Tableau Server環境の活用に繋げることができるかもしれません。

さらに、勉強会の中で紹介するダッシュボードを自分が作成したものにすれば、自分のダッシュボードを多くの人に見ていただくこともできます。まさに一石二鳥です。

注意した点

勉強会では以下の点に注意しました。Creator向けの勉強会とは違った点に注意する必要があります。

  1. 『Tableau語』を使わない

  2. 技術的な話は極力しない

  3. Viewerユーザーに何をしてほしいかを明確に伝える

  4. ユーザーを惹きつけられる画面にする

順に説明していきます。

1.『Tableau語』を使わない

長期間CreatorとしてTableauを使っていると、知らず知らずのうちに使ってしまっているTableau用語がたくさんあります。説明なしでは伝わらない言葉も多いため、できるだけTableau固有の用語を使うことは避けて一般的な用語に変換していきます。

できるだけ初心者にTableau用語は使わないようにするべき。

なお、私は社内で「Viz」という単語をあえて使っていません。理由は単純で、人によって「Viz」という言葉の定義が異なるためです。

また、「BIツール」や「Tableau」という単語自体も説明の必要があるのでお忘れなく。

2.技術的な話は極力しない

できるだけ話の中でシステム的な話を排除しました。あまりたくさんのことを一度に説明しても、参加者の方に覚えてもらうことはできないと考えられるためです。

例えば、Tableau Serverのダッシュボード表示画面に色々とあるボタンや、どのような形でデータソースが作成されているのかなどの説明は極力しないようにしました。サブスクライブやカスタムビューなど、Viewerの方々に説明したい機能は山々ありますが、1時間の勉強会の中で説明することは諦めています。

3.Viewerユーザーに何をしてほしいかを明確に伝える

前述の通り、Tableauを用いたビジュアル分析にViewerの働きは不可欠です。当事者意識を持ってもらうために「Viewerの働きがないとデータドリブン文化は訪れない。Tableau活用のためにはViewerが主役と言っても過言ではない」というメッセージを伝えました。

その上で「『可視化・見える化』で終わらず、ダッシュボードを見て行動に移してみましょう」と伝えています。そして、具体的な行動例を社内公開ダッシュボードごとに示すことで、Viewerに期待する行動を伝えることにしました。

Tableauを使ったことがあまりない人にとっては、普段の業務でTableauをどう活用したらよいのか、イメージできない人がいらっしゃると思うので、その点を解説しましょう。

4.ユーザーを惹きつけられる画面にする

対象となるViewerの方々の中には、これまでTableauに触れてこなかった方が大勢いらっしゃると思います。
Tableauをあまり知らない方々にもTableauによるビジュアライゼーション、ビジュアル分析に少しでも興味を持ってもらうためには、(ビジュアル化の本質ではありませんが……)映える画面を映しておくのが良いと考えています。

勉強会の内容

アジェンダはこちら。この内容で1時間お話しした。

基本的にはDATA Saberの技術試練のOrdeal4などでもあった「Visual Analytics(ビジュアル分析)のサイクル」などを題材に、Viewerとして何をすべきかを理解していただく構成にしています。

第1章
始めに数字数え(画面にたくさん並んだ数字の中で 1 は何個ある?)をアイスブレイクとして実施しました。

第2章
アイスブレイクで出した数字数えVizの文字サイズと色を変えるだけで数えやすくなる(人間の脳が認識しやすくなる)ということをTableauのダッシュボードで説明しながら、ビジュアル表現の有効性をお伝えしました。

第3章
私が社内公開したダッシュボードを想定利用方法を紹介しながら、ビジュアル分析のサイクルおよびサイクルをTableauで回すべき理由(Excelでは実現できない理由)を説明しました。

第4章
Tableauを導入しただけではデータドリブン文化は醸成されず、Viewerを含めた社内全員がダッシュボードを見てそこからインサイトを得て行動をしないといけない旨を説明しました。この章で「具体的には、私の作成したダッシュボードを見て、そこから行動してみませんか?」と誘導もしておきます。

第5章
勉強会の内容の振り返りをして、絶対に覚えておいてほしいことを再度お伝えし、勉強会は終了です。

勉強会を開催して感じた点

説明できないことは話さない判断も必要

ビジュアル表現の有効性を説明する際、前注意的処理と人間の記憶の関係について触れました。しかし、準備した内容以上の知識が無いためかとても拙い説明になってしまいました。

KTの書籍などで内容はある程度押さえているつもりでしたが、理解が深くできていない部分については、自分の言葉で説明できるようになるまではあえて勉強会では触れないのも一つの手だと感じました。

自分の知識が足りていない部分は、後から自分で録画を見返しても理解が難しいと感じました。伝わりやすい説明ができるよう再度勉強しておきたいです。

おわりに

Creator・Explorer向け勉強会とは違い、Tableauをあまり知らない人にも伝わるようにTableau語を翻訳しながら説明する準備をするのに少し時間はかかってしまいました。

しかし、データドリブン文化を醸成していくのであれば、Creator教育を充実させるだけでは足りず、Viewerの方々にいかにダッシュボードを見て行動してもらうかがカギになってくると思っています。

これを機会に、ビジュアライゼーションをしないViewerの方々にどのようにしてTableauの利点を伝えればよいか、ぜひ皆さんも一度お考えいただければと思います。

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