進化する大学サッカーの意義と役割/Insight #17イベントレポート
東京国際大学サッカー部監督の前田秀樹氏をお迎えし、これまでの日本のサッカーと今後の在り方についてお伺いしました。
前田氏は元日本代表キャプテン、引退後はジェフ市原(現・千葉)のアカデミーやJ2水戸ホーリーホリックの監督をされ、同大学では17年指導に携わっていらっしゃいます。指導者をはじめ、子どもをサポートするすべての大人の方に知っていただきたい内容です。
<登壇者紹介>
ゲスト 前田秀樹氏
東京国際大学 サッカー部監督
ゲストコメンテーター 續木智彦氏
西南学院大学サッカー部監督
司会進行 和田タスク
前FC町田ゼルビアスタジアムDJ
「発想」は自由に面白くやっている中で育ってくる
@12:20
タスク:東京国際大学では全員公式戦に出ているそうですが、部員は何名いますか。
前田:400名近くいて、13チームあります。トップチームは関東一部リーグ、インディペンデンスリーグに5チーム、社会人のリーグに6チーム、フットサルも1チームあります。
タスク:まずは、これまでの日本サッカーをどう感じていらっしゃいますか?
前田:サッカーだけじゃなくて、日本のスポーツ会が学校の体育の延長線上にあった。1年生はボール拾いや応援だけとか、理不尽なことも結構あって、正座させられたり殴られたりとか。
指導者の意見は絶対で、自分達から率先してやろうという気持ちにはなれない。そういう時代を過ごしていたと思います。
でも日本代表になってヨーロッパに行ったときに、みんなワイワイ楽しくボール蹴ってるのが画期的だった。日本とは全く違う。子どもたちがのびのびやってるんですよ。笑ったり声を出したりしてね。これが上手くなる秘訣かなって思いました。
また、以前の日本のサッカーでは、守る人と攻める人に役割が別れていました。今はディフェンスの人も攻撃参加する、あるいは前から守備をするユーティリティな選手が出てきましたよね。
でも、当時から守備の重要性も世界では当たり前でした。マラドーナ、ペレ、クライフなどスーパースターたちと戦ってみて、一番肌で身に染みたのは「意外性」です。意外性ってスポーツではすごく大事。「発想」は自由に面白くやっている中で育ってくるんです。
日本のサッカーがもっと進歩するためには、そういうことを学んでいかないと、太刀打ちできないというのがありました。
タスク:日本のサッカーは、これまでどうふうに変化してきてると思いますか?
前田:日本は島国だからあまり外に出れなかったんです。「日本の選手が通用しないのでは」というイメージでしたし、世界から見ると日本のサッカーがばかにされていた部分もあった。
でも日本代表で戦ったり、デュッセルドルフに練習参加したりしていると、「あれ、やれるんじゃないか」という感触があった。パワーは違うけどテクニックとか、日本のほうが上手いじゃんと思うこともありますよね。
野球やバレーボールもそうだし、みんな日本から世界に飛び出して、自信をつけていったことが大きな要因だったと思います。またJリーグができて日本に有名な選手が入ってきました。みんなそういう中でやっていると、自信が持てるようになってきたっていうのがありますよね。
日本の団結力と特徴を生かしたら、世界には勝てる
@23:05
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