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人間交差点4号【アントニオ猪木】

俺「俺が一番に引くだろうな」

弟「俺が一番強いから俺だろ、オマエ等じゃあ無理!w」

宮野「バカ言うな、俺が猪木に一番近いから俺だろうな」

大坪「先週犬買ったんだけどスゲーんだ、ビッッッチリ密封している草もちゃんと嗅ぎわけてくるんだよ。聞いてる?」

4号機の話をしよう。



名機中の名機ですよ。

平和からリリースされた数ある芸能人タイアップ機の中でもトップクラスに成功した一台じゃないだろうか

通常時の「道フリーズ」から繋がるATに私も夢を観ました。

設定6の機械割も120%と高く6に座れたら負けるのが難しい代物だからイベント時には重宝していた。



私は友人達と並んでスロットを打つのが大好きでした。

何がってワケじゃないけど、好きな事も好きな女のタイプも何かもが皆違うのにスロット打っている時は同じ方向を向いて同じ動作をし同じ情報の会話をする…大した話じゃないけど家でゲームをしている感覚だったのかな。


ヤマケンが死んで、毎日少しずつ自分も含めて皆変わっていった。


日に日に暴力的になり、毎分毎秒のように狡猾さだけが前進し反比例するようにゲラゲラとした笑い声は溜まり場からは消えていった。

口を開けば金の話と商品の話…こうなってくると本人達もわかっていないんだ、何に向かって進んでいるのか。


この日はとても楽しかった。

たまたま皆機嫌が良くて、四人でしこたま朝まで飲んで店を出たら新台入れ替えの旗とポップが目に入る…

宮野「…猪木がスロットだってさ、バリかっこいいな。」

弟「燃える闘魂って響きが良いよな!久しぶりにみんなで打ち行く?」

大坪「打つんだったら酒買ってくる」


酒飲みながら四人で朝からパチンコ屋に並んだ。
タバコ吸いながらボーッと仕事に行く人間達を眺めて餌を運ぶアリみたいだなーって考えていた。

特別じゃないのに特別だと勘違いして、強いの意味すら解らず強いと自分の口で語って。

恥ずかしい、バカだよ本当に。アリは俺達だったんだ。

開店しフラフラになりながら四人入店した

大坪「久しぶりだなー、並んで打つの…」

弟「最近なんか忙しかったもんねー。」

宮野「あ、フミくん。今日新しいフレーバーの試食してくれって話午後から」

俺「今日はやめとこ、明日で良いじゃん。俺から連絡しとくよ。」


宮野もハッとした顔してすぐに笑顔になった「そうだね、久しぶりだもんな」って。

皆同じ感覚だったのかな、人の心は読めないからさ、そうであったなら良いなって考えながら酒を飲んでレバーを叩いた。

左を向いたら皆笑いながらスロット打っててさ、ちょっと前までよく見た光景なのにえらく懐かしく感じた。まるで好きだった一枚の絵を観ているような気分で良かったな、良い絵だった。

俺「道…おい!出たぞ道!!!」

弟「マジかよ!ふざけんな!」

大坪「え!?どっち?AT?レギュラー!?」

俺「……BIG。」

宮野「あ…意味ないやつ…」

弟「一番小さなボンバイエじゃねーか」

大坪「オマエが一番に成れんのはそういう場面で運がないとこだわなー」

全員の頭を叩いて笑いながらBIGを消化した。



四人で並んで打ったのはコレが最後だった。

元気ですか?私は元気です。元気があれば何でも出来るワケではないですが、まぁなんとかやってます。

あ、オチなんか無いです。話の始まりみたいなもんですから。

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