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お絵描き初心者が京都芸術大学イラストレーションコースに入学して。春期の振り返り。

春から、京都芸術大学通信課程デザイン科イラストレーションコースに3年次編入しました。

春期の振り返りとか、お絵描き初心者が30歳過ぎてなんで芸大でイラスト学ぼうと思ったのかとかを書いておきます。


入学

4月9日の入学式は、オーストラリアからYoutubeでオンライン参加。
しかし入学式が終わっても、ギリギリに願書を出したのでまだ学校の勉強が始められず。

早く勉強したくてそわそわしてきたので、入学式の日から1週間かけて自主制作の絵を描いてみた。

こんな空間に存在したいなとか、なんか居心地のいい空間をつくりたいな〜と思って描いた部屋。作業時間は10時間以上。

大学の勉強前の自分の画力を残しておきたかったのと、学校指定のイラストツールCLIP STUDIOに慣れたかったのもある。

こんな風にちゃんと絵を描いてみたのなんて初めてだったから、人の描き方とか、色の塗り方とか、影のつけ方とか、ひとつひとつ調べながら初めて描いた1枚絵だったけれど、時間かけて頑張って描けば思ってたよりは描けるもんだな、と思ったりした。

そして、4月18日に入学許可のメールがきて、晴れて入学確定し、ようやく受講用のサイトairUにログイン。

まずやったことは、卒業要件の確認と、受講計画の検討。
必修科目は、これが終わってないとこれは着手できないとかがあるので、割とやれる科目は決まってきてスケジュールは考えやすかった。

3年次編入の場合は、イラストコースの専門科目全部と、あと学部共通専門教育科目を少しやればいいので、後半でうっかり単位足りないとかもあまりならなそう。

↓みなさんに便乗してつくったプロフィールシート

授業の進め方

今回とったTW・WS科目は、動画を見てからイラストとかレポートとかの課題に取り組むという流れ。
動画は結構長いので見るのに時間がかかるけれど、見やすいし面白い。
ただ見てるだけだとあまり頭に残らないので、重要なとこはスクショを撮りまくりながら見た。

私は、授業のメモをとったり、スクショを貼っつけたり、レポートのための調べごとをまとめたり、大学関連のメモをまとめたりは、全部Notionでやってる(※画像を大量に上げるには課金が必要だけど)。

4月末までは普通にリモートで仕事をしていたり、重めの風邪を拗らせたり、2ヶ月いたオーストラリアでの最後の週に向こうの友達と毎晩飲んでたりで時間が取れず(自業自得)、勉強を本格的に始められたのは5月から。

でも5月にがっつり講義動画の視聴と課題に取り組んで、なんとか予定していた科目+αを提出することができた。

課題を提出すると翌月に評価が返ってくるけど、私の課題を担当してくれた先生方はみんな丁寧にどうしたら良くなるのかわかりやすく教えてくれて、めちゃくちゃためになる添削やコメントだった。

絵の描き方もわからないなりに頑張って描いた初めての提出で、自信なかったのもあって、下手でもすごい褒めてくれてて泣きそうになった……


今期受けた科目

以下、5月に課題提出した7科目。描いた順。

①WS)デジタル演習AI

クリスタの使い方講座みたいな基礎的な講義。思ってたより初心者向けの授業から始まってホッとした。
結構美味しそうに描けて満足。観察って大事だな。

自分の撮った写真をトレースしてクリスタで塗る課題。
A86点(理解力:A+ / 表現力:S / 造形力:A+)

《評価コメントのメモ》
・生地部分のエッジや粉糖をもう少し細密に描けるとより良い
・主線の色を周囲の色になじませるとか工夫できそう


②TW)美術解剖学

骨とか筋肉とかの人体のつくりを理解することで、イラストとかの表現に説得力持たせるための講義。
今まで興味はなかったけれど、自分の体のことなので意外と面白く学べた。
オーストラリアから帰国する飛行機の中でずっと骨描いてた思い出。

シルエットに合わせて全身骨格図を描く課題。
B73点(理解力:A / 表現力:B- / 造形力:B-)

《評価コメントのメモ》
・シルエット・骨格図の色が薄い
・関節部分の形状がより詳細に描写出来ると良い


③TW)レイアウト・構図

春期に受けた授業で、特に直接的にイラスト描くための考え方・手法として学びが大きかったなと思う講義。
何を伝えたいかによって構図を考えようという内容。
クリエイターでなくデザイナー気質の私にとっては、イラストも意外とそうやってロジカルに考えていいんだ!と何かを掴めた気がした。
課題絵、コンセプトとかストーリーを考えるのが楽しかったな。
初期に頑張って描いた絵なので、思い入れのある作品。

ジブリの参考イラストと同じ構図でイラストを描く課題。
A82点(理解力:A+ / 表現力:A / 造形力:A)

《評価コメントのメモ》
・生き物や珊瑚のレイアウトを色々と検討してみよう(例えば、魚からクラゲの一連の流れは思い切ってクラゲを手前に配置してぼかすなどして遠近感を出すと、空間に奥行きを出て遠くにいるクジラを想像しやすくなる)
・水中の写真をよく観察しよう(髪の毛はまとめてフワッとさせたり、裾やリボンを水中に揺蕩うように表現したり)


④WS)クロッキー(ヌード)Ⅰ

初クロッキー、お絵描き初心者にはハードル高すぎて、え?え?描くの??どうやって???という感じで最初は時間内に何も描けなかったし、なんとか課題を終えても単位取れるかヒヤヒヤしてた。
授業以外でも練習するべきとわかってはいるものの、なかなか……(そしてクリスタの3Dデッサン人形に頼り切りに)。

決められた秒数でクロッキー。
B75点(理解力:A / 表現力:B / 造形力:B)

《評価コメントのメモ》
・頭部と腕~手が小さい
・反りの部分はもっと大胆にプッシュ
・ヒジやヒザの関節部分でフローが途切れてる
・秒数が増えるほどルール寄りの描写になってる


⑤WS)色彩基礎

講義内容は面白くてためになったんだけど、この課題が意外と難関だった。
分析はしたものの、決まった配色の別のシーンのいいイメージが何日考えてもなかなか浮かばず、もう単位取れればいいや!とやっつけで描いた、やつが、全体講評で紹介されて驚きと恥ずかしさで変な汗かいた。笑
下手枠だと思うけど、コンセプトとかレイアウト褒めてもらえて嬉しかった。もっと数こなして表現力上げてこうって元気もらえた。

参考イラストと同じテーマカラーでイラストを描く課題。
B75点(理解力:B+ / 表現力:B+ / 造形力:B)
分析シート

《評価コメントのメモ》
・分析イラストとモチーフが被ってる
・人物周りの陰影が荒い、校舎の造形が雑


⑥WS)デジタル演習BII

春にやる予定じゃなかったけど、時間ができたので急遽着手した、イラレ講座的な科目。
チュートリアル的な講義内容で、イラレの知らなかった機能も知れてよかった。
イラレは仕事で多少は触り慣れてるから、課題のアイコンはさくっと作れた。

イラレでTwitterアイコンを作る課題。
A87点(理解力:S / 表現力:A+ / 造形力:A+)

《評価コメントのメモ》
・目がブラシの線のまま→パスをアウトライン化して合体して塗りパスにしとくといい
・今後はペンツールを使ったもっと複雑な図形に挑戦してみてもいいかも


⑦WS)芸術史講義(ヨーロッパ)1

A80点

⑧WS)芸術史講義(近現代)1

A85点

⑦⑧はレポート系の科目。
芸術史は、他の科目のイラスト課題を進めながら気分転換に少しずつ講義動画を見進めていて、締切前にレポートもなんとか2つ書き終えた。
ヨーロッパと近現代の芸術史はもともと興味があって、この学校で学びたかったことの一つ。
動画で広く浅く重要なポイントを学ぶことができるし、レポートを書くのはめんどいけど、書くために調べていると芸術の歴史の理解度が格段に上がるから、かなり理解が深まった。
十数年ぶりのレポートで自信なかったけど、意外とA取れてたし頑張って書いてよかったな。


入学した理由

めちゃ個人的な話で自分の覚え書きみたいなもの。

一昨年くらいにちょっと仕事に夢中になりすぎて自律神経やっちゃってからずっと調子が悪く、この春からしばらく仕事をお休みするので、この期間に何か別のことに打ち込みたいなと考えてた。
そんな時に、学費が安くて誰でも入れる通信芸大のことを思い出した(この時すでに願書締め切り1週間前)。

なんでこの学校のことを知っていたかというと、海外だと大学出てないと何かと不便なことがあったりするので(←短大卒)その内学士を取りたいなと思って以前調べたことがあり。
その時はイラストコースでなく芸術教養科の方を見てたけど。

絵は大人になってからほとんど描いてこなかったけれど、描けるようになりたい気持ちは、ここ数年デザイナーとして生きる中でどんどん強くなってた。

絵が描けなくてもデザイナーになれるんだ!と4年前にWeb系のデザイナーになって、実際イラストスキルが必要になることはほぼなかったけれど、やっぱりデザイナーは絵が描ける人が多く、そういう人たちは美的感覚のようなものが優れてるなと感じたりもして、なんだか自分自身のグラフィックデザインに対しての苦手意識とか、美大卒じゃないコンプレックスみたいなものもずっとあったりした。

近年ものづくりに興味が湧いて、趣味で3DCGをつくったり、VRゴーグルで3Dお絵描きしたり、クラフトでミニチュアのものづくりしたりしても、そもそも絵が描けないからシンプルなものしか作れなかったりと、絵を描く力がないことでやりたいことが狭い範囲に閉じてしまうことを感じることもあった。

そして、入学前後のタイミングに2ヶ月滞在していたオーストラリアで、美術館にたくさん行ったり、街のあちこちにアートが溶け込んでいるのを見たりする中で、やっぱアートの原点は絵だなぁって感じたりもしたし、インプットが増えた分アウトプットしたい気持ちが湧いてたタイミングだったのもあるかも。

そんなことが重なって、急いで卒業した短大に卒業証明書を請求して、ドタバタと願書締め切り日ギリギリに書類を郵送して、なんとか間に合って入学した(しかもその時私は海外にいたので郵送関係は親にお願いして手配・郵送してもらった。感謝)

私がイラストを勉強する目的は、自分の描きたい絵が楽しく描けるようになること、頭の中のイメージを膨らませてビジュアルに起こせるようになること。

本業イラストレーターになるイメージはあまりないけれど、デザイナーとしてのUIやWeb、紙のデザインする時の伝え方の幅を広げられたらいいなと思ってる。


終わりに

4月末退職だったり体調を崩したりもあり、4月中に何も進められなかった時点で、やばいめちゃ出遅れた……と焦って頑張って、5月だけで12単位取れた。えらすぎ。

でも私の最大の敵は「飽き」なので、ここからが勝負(というかすでに、5月頑張りすぎて6月は気力消失して一切の課題が進んでいない)。

入ってみるまでどんな感じかわからないことも多かったけれど、お絵描き初心者が入学してついていけるのか、という心配に関しては、今のところは大丈夫そう。

一歩進んで壁にぶつかる度にたくさん調べながら、自分がどんなイラスト描けるようになりたいか考えながら、たまにワンドロとかで課題以外の絵も描いてみたりしながら、今のところ楽しくやれてる。

動画を見るのも課題のイラスト描いたりレポート書くのも結構時間がかかるから、ある程度の時間は必要。
もし仕事続けながらだったら、モチベの上がり下がりも考慮したら、私の場合編入して2年での最短卒業は結構キツそうだったかな。

Twitterで繋がってる、好きでイラストをずっと描き続けてるKUA生の方たちを見てると、まだどんな絵が描きたいのかもよくわからないような私はやっぱり"絵の人"にはなれないだろうなと思うけど、まぁ趣味だから、楽しくやろう、と思ってる。


まだ入学したばかりだけど、やっぱり新しいことを学ぶの楽しいな!入ってよかった。

明日から始まる夏期も頑張るぞ〜
(まずは1ヶ月進捗0のメインビジュアルとキャリア論を片付けたい……)


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