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絶対にハゲられない戦い

今朝は近年稀に見る強烈な夢を見た。

我が高校の文化祭に、なんとレッチリがゲストとして出演していたのだ。

レッドホットチリペッパーズ、通称レッチリ。
来年日本で単独公演をすることでも最近話題の、世界の中でも超めちゃめちゃビッグなロックバンドが、なぜか私の母校の体育館に現れたのだ。

しかも誰か一人だけとかではない、フルメンバーでやってきた。
中には私が一番好きなメンバーのフリーもいた。
ド派手な青い短髪で上裸、いつもの姿だった。

レッチリが登場する少し前の体育館では、私が当時入っていたバンドがライブをやっていた(バンドは当時ほんとうにやっていましたが、これももちろん夢です)。

バンド名は「アドバンプラススノート」。
当時数学の授業で使っていた問題集「アドバンスプラスノート」の誤植をイジってみんなで付けたバンド名だった。
覚えられないし略せないし、今思えばマジでふざけた名前だ。

私の担当はリードギターだった。
ライブ会場となっていた体育館はすでにボルテージが上がりきった感じで、私たちが演奏するアジカンの「リライト」が響き渡り、観客もたくさん入っていて大盛り上がりしていた。

「アンコール!アンコール!」
お決まりの歓声が上がり、次はサカナクションの「新宝島」を演奏した。
2番の後に入るギターソロがむずかしくて、当時何度も匙ならぬピックを投げたのが懐かしい。

ここまでは事実と同じ。
調子がおかしくなったのはここからだった。

難しいギターソロを無事に演奏し、ラストサビに入ろうとした時、突然体育館の全ての照明が消えた。
ざわつくお客さんたちと、何が起きたのかわからずすぐに演奏をやめる私たち。その場に見にきていた何人かの先生も、困惑していた。

と、その時。
ズッズッタン、ズッズッタン、と聴きなれたイントロが聞こえてきた。
「Dani Californiaだ…」
私はその曲のタイトルをつぶやいた。

Gettin’ born in the state of Mississippi
Poppa was a copper and her momma was a hippie…

アンソニーの声だ!
※レッチリのボーカル

え?!なんで?!と思っていると、突然私たちが立っていた舞台の後ろ側にかかっていた幕みたいな布が取れた。
パッと照明がつき、一瞬目が見えなくなった後、私たちの目の前にはレッチリがいた。
本物だし、生で演奏してる!目の前で!

私がレッチリにハマったのは正確には大学生の頃なので、高校生の当時はレッチリのこともよく知らなかった(ジョジョのスタンド名になっていたから存在は知ってたけど)
「Dani California」は映画「デスノート」の主題歌になっていた有名曲なので、もしかすると当時聞いてもすぐわかったかもしれないけど…。

でも夢の中の私は、見た目は高校生・頭脳は今と同じ状態なので、もうテンションがぶち上がりに上がっていた。

曲が盛り上がってくると、ベースのフリーがいつものようにジャンプし始めた!(詳しくはPVを見てください)

うわ、フリーめっちゃかっこいいやん…
今からベースに転向しようかな…

高校生の私は、生演奏のあまりのかっこよさに言葉を失いながら、こんなことを考えていた。

あっという間に一曲が終わると、生徒会の人たちがぞろぞろと体育館に入ってきた。
信じられないことに、レッチリをゲストに呼んだのは生徒会だったのだ。
死ぬほどセンス良いよこの生徒会。

ネタバラシも終わり、お客さんたちと生徒会の人たちが帰ろうとした時、アンソニーが生徒会の人に声をかけた。
おそらく英語がわかる生徒会の人は、アンソニーの言葉を聞くなり「ええ?!」と言う感じのリアクションをし、私たちアドバンプラススノートの元へ走ってきた。

「僕たちの前に演奏していた子達めっちゃ良かったから、写真撮ろうよ」と言ってくれているというのだ。

やべえ!!!
レッチリと写真撮れる!!!!!

誰が誰の隣に立つか選んで良いよという流れになったので、私は迷わずフリーの隣へ行った。
プレイスタイルはメチャクチャな彼だが、普段はとっても紳士的な人なので、私にもすごく優しくしてくれて、写真撮影の時なんて私の肩に手を置いてくれた。

マジかっこよすぎだよフリー、私絶対ベーシストになるよ。
拙い英語で私は本人にそう伝えた。
いつも「レッチリ フリー」でググると出てくる、お馴染みのお茶目な笑顔で何か返事してくれていた。


ここで夢が覚めた。
確かにレッチリは好きで今もよく聴くし、フリーもめっちゃ好きだけど、私こんなにフリーのこと好きだったけ?!と混乱しつつ、すごく興奮していた。

昨日IKEAで1日買い物をしていたから、今日はヘトヘトかなと思っていたけど、夢のおかげでなんだか力が湧いてきた。
せっかくだから今日は家の掃除をガチでやろう、と決めた。

掃除機をかける前にまず大きいゴミを取ろうと思って、私はコロコロを床に転がした。
すると、尋常ではない量の髪の毛が床に落ちていたことに気がつきゾッとした。

これ全部私から抜けたんか?
信じられなかった。
人間、1日100本までは髪の毛が抜けてもハゲないとテレビで聞いたことがあるけれど、体感で軽く200本は抜けてそうなくらいコロコロで髪の毛が取れた。

もしかして、引っ越しのストレスで一気に抜けたのかな?
気持ちとしては新しい家での暮らしは楽しいし、引っ越したことをストレスに感じてはいないけど、体は悲鳴をあげていたのかな…と思った。

と、ここで大変失礼なのだが、朝夢で見たフリーのことを思い出した。

彼のことをご存知の方ならわかると思うが、彼は緑とか青とか金とかド派手なカラーをいつもしているけど、実は生え際がかなり後退している。
いわゆるハゲだ。
かっこいいハゲだ。

今朝フリーの夢を見たのは、「お前ハゲてるぞ」という頭皮からのメッセージだったのかもしれない……と思った。

これはいけない。

なぜなら、私は絶対にハゲられないからだ。

フリーはハゲているけどかっこいい。
でも、私はハゲられない。
それは彼が男性で、私が女性だからだ。

残念ながら、今のところ「ハゲているけどかっこいい女性」を私は見たことがない。
つまり、仮に自分がハゲた時に、ハゲてもかっこよく生き続けるためにベンチマークできる人物がまだ存在していないのだ。

男性だから、とか女性だから、とかあまり考えたくはないが、「ハゲていてもかっこいい女性」のお手本を見つけるまで、私はハゲるわけにいかない。
私はかっこよく生きていたいからだ。

絶対にハゲられない戦いが、ここにある。

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