夏の終わりに想うこと

青い空はそれが今だと思うには丁度良かった



私は、このじりじりとした空気感の中を必死に生き抜く夏が好きだった




よく夏は「暑いから嫌」「何も出来なくなるからムリ」などとよく周りに口にされていた

自分も何故こんなにも夏に執着しているのかは定かではないのだが、

ただ単純に「性にあっているから」

これが1番すっと自分に溶け込む理由だと思う




それと同時に、ムワッとした暑さが通り過ぎて足早に冷たい風が身体を通り過ぎる季節の足音が怖いのである




私はまだ、やり残したことがある

好きな人の隣で、浴衣に身を包み空に上がる炎の花

いつにもまして、水の冷たさが身に染みる感覚

キミの隣で、いつまでも笑いあって帰った夜道




全部が全部、この夏が恵んでくれたものな気がして

このトキに、いつまでもいたい

こんな切実で虚しい願いって あるのかな




もうこんな夏はやってこないのかもしれない、とまで言われているような気がする

私が好きだった夏は

この夏だったのである




巡る季節は変わらないのだけど、揺るがないのだけど

私は夏を迎える度に、弱く脆く映るの




秋がきて、冬が積もっても

私のココロは踊ってくれるのかな




夏は、永遠に齎される出口のない夢なのである




そんなの暑さと一生に溶けてしまえばいいのだけど

ずっとずっと離してくれないの、




嗚呼、恐ろしいったら

今更子どもみたいな子どもみたいなこと言わないで


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