【布教用】「カラオケ行こ!」の感想


ストーリーについて(多分ネタバレ無し)

いくらでもBLチックな二次創作が作れそうな雰囲気の作品ではあるが、本編は至って健全であると先に言っておく。
映画自体は2時間弱で、結構テンポ良く展開が進む。岡聡実おかさとみ(中3の男の子)と成田狂児なりたきょうじ(ヤクザ)が出会ってから親しくなるまで、あっという間だ。行間を詠むというか、その合間に起こった出来事の数々を我々は想像せざるを得ない。色々と妄想が膨らむ。最初の話に戻るが、こういう要素は二次創作を作りやすいものにし、さらに現代においては作品が売れるためには重要な要素なのかも…と思う。もしかしたら原作の漫画には2人が仲良くなるまでの過程が細かく描かれているのかもしれないが、少なくとも映画だけを観た私はそのような感想を抱いた。

ストーリーの詳しい内容はネタバレになるので言えないが、中学生特有のいざこざと、それに関係する聡実くんの感情の描写(演技)が美しくて、さすがに青春を感じざるを得なかった。なぜか存在しない記憶が想起されて、心臓がキュウってなった。

脚本家はMIU404やアンナチュラルも手がけた野木亜紀子さんで、とにかく退屈させない、見応えのあるストーリー展開になっていると思う。

綾野剛氏について(以下敬称略)

私は原作を読んだことがないのだが、どうやら原作の成田狂児と、綾野剛が演じる実写映画化の成田狂児はビジュアルが全然違うらしい。確かに調べてみたら髪型とか全然違っていて、そのことで映画公開前は結構懐疑的な声もあったようだ。そういった声を、演技力だけで黙らせた。綾野剛は綾野剛のビジュアルのままで成田狂児を演じ切ってみせた。原作未読勢の私ですらその演技力に圧倒されてしまったので、つくづく彼の沼は深いな…と思う。
ギリギリネタバレにならない範囲で書くが、基本的におちゃらけた感じの狂児が最後に見せたあの表情はいくらなんでもずるいと思う。アレは沼る。



なんかもっと色々書けそうな気がするけど語彙力ないのでこの辺で勘弁してください。気になる人はぜひお早めに劇場へ行ってくれ。劇場でしか味わえない迫力がある。




↓ちょっとだけネタバレ有りの感想↓




ずっと大人しくて感情を表に出さなかった聡実くんが、最後にスナックで感情をむき出しにて叫び散らかし、喉を潰しながら「紅」を歌った場面ではさすがに涙出た。作中では基本的に狂児から聡実くんに対する矢印が描かれていたが、聡実くんから狂児へのクソデカ矢印が最後の最後に表現されたのが良い。オタクはそういうの大好きですよ。


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