L.ヴァン・デル・ポスト『影の獄にて』:これは誰かの魂を救うかもしれない一冊だ
4K上映が話題になっていることもあって「戦場のメリークリスマス」を劇場で観た。この記事はその映画の原作となる小説『影の獄にて』を読んだ感想です。
「戦場のメリークリスマス」とは 1983年に公開された大島渚監督による戦争映画。1942年、日本統治下にあるインドネシア・ジャワ島の俘虜収容所に、英国軍人セリアズが収容されてくる。所長のヨノイ大尉は敵ながらセリアズに激しく惹かれるが、その一方で俘虜たちを厳しく支配しようとして孤立を深めていく。他方、同じく収容されている俘虜ロレン