【CoCコラム】便利な神格クンと便利なクリーチャーちゃん【第二回】
第二回!クトゥルフ神話TRPGについていろいろ考えるコラム!
CoCのルルブには様々な神様やクリーチャーが登場するけど、巷で作成されているオリジナルシナリオでは登場する神格が偏ったりしているよね。
他の人のシナリオと登場する神格が被っていたらオリジナリティが損なわれるのになんでみんな使うんだろう?
って思ったりもしたけど、ルルブを買ってオリジナルシナリオ作成に手を出してからいろいろ気づきました。
神格は人間に興味がなさすぎる
旧支配者を除いて人間に積極的に関わろうとする奴らは少ない。
人間を捕食しているやつもいるけど、何をエネルギーにして存在しているのかわからないやつもいる。
というか、概念みたいなやつもいる。
そういう神格をシナリオに組み込むのは大変なので、人間に積極的に関わろうとする神格の方が、シナリオに組み込まれやすい。
独断と偏見で選ぶ
シナリオに選びやすい神格・クリーチャー
1.ニャルラトホテプ
殿堂入りと言っても過言ではない。
現代日本のクローズドシナリオの黒幕はだいたいこいつ。
クトゥルフ神話に詳しくない人でも名前は知っているというくらい有名だしね。
姿形は変幻自在
人間を弄ぶトリックスター
満足したら人間を生かして帰すこともある
上記の特性からどんな話にも組み込みやすいんだよね。
現代日本のクローズドシナリオの多くが「目覚めたら見知らぬ部屋にいた」という展開になっているのは、かの有名な毒入りスープの影響かと思うんだけど、毒入りスープとは違って大半のこういう系シナリオの黒幕がニャルラトホテプになっている。
探索者に見せたいエグい描写やテキスト、または探索者に解かせたい面白いトリックや謎解き要素を用意する。
それらをいくつかの部屋が組み合わさった特別な空間に配置する。
あとはニャルラトホテプが黒幕という裏設定を用意する。
これだけ。
すっっっっごい雑な設定でもニャルラトホテプは黒幕になってくれるので、シナリオ作成が簡単になるのだ。
個人的にはニャルラトホテプを安易に使ってしまうとクトゥルフ神話TRPGとしての面白さを損ないやすいと思う。
クトゥルフ神話としての要素が薄いシナリオは、ホラーテイストというだけであって、せっかくのクトゥルフ神話TRPGがもったいない気もする。
2.チャウグナー・フォーン
ニャルラトホテプとほぼ同様の理由で扱いやすい。
人間を捕食するためにチョー・チョー人を使って人間を誘い込むが、
「勇気がある者を見逃すことがある」
という性分のため、何らかの障害を用意して探索者たちが打開するのを楽しむ的な黒幕として登場させやすい。
チャウグナー・フォーン自身は変幻自在というわけではなさそうだけど、人間の精神操作を行うことができるようで、洗脳とかは出来るみたい。
ニャルラトホテプほと自由度はないけど、「本物の人間を洗脳して敵役として動かす」とかはチャウグナー・フォーンならではのシナリオかも。
3.ミ=ゴ
上記二つの神格と比べると、クリーチャーであるミ=ゴは
「探索者が倒す・撃退することでクリアするシナリオ」
を立てやすい。
正直、こんな化物を倒すのなんて生身の人間じゃ無理だと思うけど、ハリウッド系シナリオなら当然のように倒されてしまう。
黒幕というにはなんとなく雑魚っぽいイメージがあるけど、「人間の脳みそを集めている」とか、「様々なガジェットを持っている」とかそういうところがシナリオのバラエティを豊かにするんじゃないかな。
4.ビヤーキー
ミ=ゴと同じく、「倒すための敵」だったりする。
もちろん、シナリオによっては「倒すこと」ではなく「逃げること」が正解の場合も多々あるので注意が必要。
ただ、お膳立てのように探索者の人数分のショットガンが手に入ってからの戦闘とかなら、「倒せってことかな?」とか思ってもいいのかも。保証はしません。
乗り物として登場させてもいいし、ハスターが黒幕のシナリオに中ボスとして登場させても良い。
特にハスターは人間に乗り移るとかそういうことができるので、実はNPCの一人がハスターでした!とかそういうのに使われたりしそう。それこそニャルラトホテプの専売特許な気もするけど。
5.ヘビ人間
こちらはわりと「倒すべき敵」という扱いで登場するよりも、黒幕としてか、ちょい役で登場しやすいかもしれない。
ミ=ゴと同じく、いろんなガジェットを持っている。
深きものどももそうだけど、人間に似ている(擬態できる)者たちの場合はそもそも人間と関わりやすいのでシナリオを組みやすいよね。
ヘビ人間のガジェットの中では支配血清が一番使いやすい。
6.イス人 & ティンダロスの猟犬
時間旅行系のシナリオには何らかの形で関わったりする。
偏見かもだけど、大抵のシナリオではイス人は敵とも味方とも言えぬ存在で、ティンダロスの猟犬に追われながらイス人の助けを借りるか、イス人のガジェットでティンダロスの猟犬をどうにかするみたいなシナリオが多いイメージ。
この両名はシナリオには登場させやすいが、シナリオ自体の作成難易度が高いと思う。
時間旅行系は一度シナリオを書いてみようと思ったけど想像以上に難しかったので、イス人やティンダロスの猟犬を登場させたシナリオを書いている人はテクニカルな人だと思う。
さいごに
他にもたくさん神格やクリーチャーがいるけど、シナリオに登場させやすいのは上に上げた者たちかなと思う。
僕はあまりキャンペーンシナリオをやったことがないので、強大な存在(クトゥルフ、ハスターなど)と対峙するようなシナリオの経験が少ないというのもありそう。
独断と偏見ということで。
むしろこの神格やクリーチャーは「こういう登場のさせ方があるよ!」みたいな話があればぜひ聞いてみたい。
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