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心を養う

禁中  白楽天
門厳九重静  門厳にして九重静かに
窗幽一室閑  窓幽にして一室閑なり
好是修心処  好し是れ心を修する処
何必在深山  何ぞ必ずしも深山に在らん
(執行草舟「友よ」より 『新釈漢文大系 98 白氏文集二上』明治書院)

禁中とは宮中のことだと思いますが、全体を読んでみるに自分の心のことを詠っているのでしょうから、心というものは自分の家であり、そしてそれは宮中のように誰に見せても恥ずかしくない世間的にも歴史的にも重要なものというようなことを題名にしたかったというふうに(勝手に)解釈しました。

家と同様に心も入り口は厳格にして静かなものとして、窓はしっかりとしめ部屋の中である心は閑かに保たなければならない。というのもそれは思索や考える場所として自ら作り出すものであるからであるという人間としての生き方を示しているように思います。

このようにして人間として心を修める、心を創り上げていくというのは普段の生活の中でも自分次第で行えるもので、わざわざ山に籠って修行するようなものではない。そのくらい自分の心というものは心がけや決意によっていくらでも素晴らしいものに創り上げられると詠っているんでしょうね。

時代や人、歌によって異なるのでしょうが、思っていたよりも和歌に比べて人間の内面や生き様を漢詩は詠んでいるかもしれないと実感しています。そういうのは結構好きかもしれないのと続々と読んでみたいと思わせてくれている白楽天さんでした。