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【読書】失敗の科学

基本的には自分のためのメモ書きです。でも、何かのお役に立つようでしたら嬉しいです。おぼえがき:2022年回目の読書記録(目標:12回以上)

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

https://www.amazon.co.jp/dp/4799320238
Kindle Unlimited 対象 (対象から外れることもあり得るので要注意)

前から読みたいと思っていた本。Kindle unlimited対象と知り、さっそく読んだ。冒頭に下記のように書かれている。

なぜクローズド・ループ現象に陥るのか、なぜ本来優秀な人々がかたくなに失敗と向き合うのを避け、何も学ばないまま(ループの外に出られないまま)、無益な行動を繰り返すのかを突き止める。また、クローズド・ループに陥っていないかどうかを見極める方法や、そこから脱却して学習のチャンスを得る方法も検討しよう。

クローズド・ループとは「失敗や欠陥にかかわる情報が放置されたり曲解されたりして、進歩につながらない現象や状態」を指す。

本論では「失敗」について、多方面から考察されている。例えば
・なぜ飛行機事故は起こったのか
・なぜ失敗から学べないのか
・なぜ過ちを認められないのか

一方で、失敗を活用する大切さについても触れられている。これは「リーン・スタートアップ」(小さく始める)というアプローチに通じるもので、完璧主義に対する警告といえる。
下記の検証が印象に残ったので少し長いが引用して記録しておく。

ある陶芸クラスの初日、生徒が2組に分けられ、一方は作品を「量」で評価し、もう一方は「質」で評価すると告げられた。量のグループは最終日に全作品を提出し、各自、総重量が50ポンド(約23キロ)なら「A」、40ポンド(約18キロ)なら「B」と評価される。質のグループは質のみによる評価なので、自分で最高だと思う作品をひとつ提出すればいい。
結果、面白い事実が明らかになった。全作品中最も「質」の高い作品を出したのは、「量」を求めたグループだったのだ。

後半では、曖昧でわかりにくい失敗を検証する一手段であるRTC(ランダム化比較試験)について書かれている。RTCという言葉は知っていたが、過去実際に行われた驚くべき検証結果(例:世の中から賞賛を集めたプログラムが実は効果がないどころか逆効果であった)にはハッとさせられる。

さらに後半ではマージナルゲイン(小さな改善)という言葉が出てくる。事例として登場するのはツール・ド・フランス、F1、Google、小林尊氏(!)など。当該章は以下の文章で締めくくられている。

ホットドッグの早食いにも使えるぐらいだから、マージナル・ゲインのアプローチは、ほぼ何にでも使えるはずだ。

***
特に印象に残った内容をとりとめなくまとめた。本書を読んで改めて大切(だが実践は難しい)と感じたことは以下の3点。これは個人レベルでも組織レベルでも変わりがないように思う。
「良い失敗を早くすること」
「自らの失敗を認めること」
「失敗を活かすこと」

<キーワード>

選択バイアス
認知的不協和
マージナルゲイン
リーン・スタートアップ
RTC(ランダム化比較試験)
事前検死


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著者の最新刊「多様性の科学
こちらは本を買ってきた。今から読むのが楽しみだ!
https://www.amazon.co.jp/dp/4799327526





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