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【読書】両利きの経営

基本的には自分のためのメモ書きです。でも、何かのお役に立つようでしたら嬉しいです。

https://www.amazon.co.jp/dp/4492534083

企業は(知の)探索(exploration)と(知の)深化(exploitation)のバランスが取れた両利きの経営を行うべきである。

(知の)探索
自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうとする行為
(知の)深化
自身・自社の持つ一定分野の知を継続して深堀りし、磨き込んでいく行為

一般に、企業は成功した分野における漸進的な発展(つまり深化)を優先しがちだが、それではサクセストラップに陥ってしまう。サクセストラップとは、深化に偏るあまり、結局はイノベーションが起こらなく状況のことを指す。

破壊的イノベーションの出現に備える意味でも、深化だけではなく探索が重要だが、深化が得意な企業ほど探索は難しいことが多い。
理由は、深化に最適化された組織形態やアプローチが、探索に求められるそれと大きく乖離しているということもあるし、ある程度長期的な取り組みが必須である探索の取り組みに対して理解が得られなかったり、必要な協力(資源)が得られないということもある。

この困難さを打破するキーワードは「リーダーシップ」である。本書では、両利きの経営を実践し発展(復活)を遂げた企業や、反対に、実践できずに凋落(破産)した企業の事例が多数紹介されている。

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ざっくりどのようなことが書かれているか、自分なりにまとめてみました。本書を実際に読まれる方は、『なぜ「両利きの経営」がなによりも重要か』という非常にわかりやすい解説が冒頭にあるので、まずこの解説を読むことをオススメします。

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exploitationの訳語として深化という言葉があてられているのが興味深いと感じました(ネットの辞書で調べると以下の訳が出てきます:「開発」「開拓」「利己的利用」「搾取」)。
深化を優先するあまり探索が疎かになる。これはまるで穴を掘るのに夢中になるあまり周りが見えなくなってしまった状態だなと思いました。原語にそのニュアンスはないでしょうけど。

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成功した分野を深めていくだけはなく、新たな分野の開拓も必要。これは経営者だけに必要な視点というわけではなく、あらゆる人の仕事に対する心構えとしても重要だと考えます。
得意なこと、過去の成功したことに拘ることはコンフォートゾーンに留まるリスクと隣り合わせ。コンフォートゾーンに留まることなくストレッチゾーンへ。

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