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卒業

大学を卒業した。
ありきたりだけど、あっという間の4年間だった。

入学したのはコロナ真っ只中の2020年。
入学式もなく始まった大学生活は、パソコンの中にしかなかった。
同期の顔も名前も、教授の顔すらわからないまま進む授業と、大量の課題に追われるだけの日々だった。
4年間のうち、まともに大学に通ったのは結局2年くらいだったなぁ。

恩師の背を追って入った大学だった。
それ以外の理由は特になく、たったひとつの理由だけでこの大学に行こうと決めていた。
ここで数学を学んで、恩師のような教員になると思っていた。
大学受験でも大学に入ってからも、数学の壁は高かった。
数学はずっとずっと私にとって憧れで、でも近づくことはなかなかできない存在だったな。
片思いだった。
教員になる夢も、しまい込んでしまったな。
今、何もかも予想外の人生の上にいる。

正直なところ、大学生活は苦しいことの方が多かった気がする。特に学問の面で。
この大学に来たのは間違いだったかもしれない、と思った日もあった。
でも、やはり私は、人とのご縁に恵まれている。

大学で出会った人たちは、心の底から尊敬できる人ばかりだった。
先輩も同期も後輩も、それぞれに強い輝きと深い愛をもっていた。
憧れたし、良い刺激をたくさんもらった。
「この人には絶対に幸せでいてほしい」と思う人たちに出会えた。

苦しいこともたくさんあったけど、ここに来たから得られたご縁は、私の人生にとって何物にも変え難い尊いもの。
いくつもの出会いが、ここに来たことは正解だったんだと叫んでいる。

ほんとうに、正解だった。
この大学に来られてよかった。
結局いつも人との出会いに支えられて生きている。
それが私の人生ならば、こんなに幸せなことはない。

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