雨の日は渋谷の夜を思って
雑多な街、東京。
その象徴はまさに渋谷だと思う。
様々なものが反発したり溶け合ったりしながら、何とかうまいこと収まっている場所。だからこそ、蓋を開けたときの情報量の多さにいつも圧倒されてしまう。
遠巻きにスクランブル交差点を眺めていると、人の群れがくっついて、また離れて。
ふと。何度も忘れようとしたのに、いつの間にか私の中からするりと居なくなっていた人のタバコの香りを覚えて心がざわついた。
歩行者信号が赤に変われば、待ちに待ったぞ!と言わんばかりにまた車が走り出す。
忙