夕雨

「ねえ、永遠って信じる?」

学校の帰り道、
きみがむかえにきてくれた
夕暮れの空のしたを並んで歩く

永遠、
そんなもの信じちゃいないさ
でもね、きみとは永遠にいっしょにいたいっておもったよ

今晩のカレーの材料を片手ずつもつと、三つの影が並んで見えた
カレーの袋はそれはいつかのぼくたちの子供の、なんて

「わたしはね、きみとならずっといっしょがいいな!永遠に!」

ぼくもおなじことかんがえてた
うれしくて二人で笑った

「きみ以外の永遠はいらないかな」

「うれしい!」


笑顔がとてもかわいい
きみとのこと、ぼくは真剣に考えてる
きみがどうかは知らないけれど
同じだといいなとおもったよ

そこに突然の夕雨

「わ!あめだ、はやくかえろう」

「そう?もうすこしたのしみたいな」

「なにいってるの、ぬれるよ」

「いいにおいがするじゃない?」

「そんなこといってないで!」

「そうだね、かえろっか」

「はしって!」

「カレー、たのしみだね」

雨の中はしりだすふたりとひとつ
はしるたびに弾いては影を揺らす
嫌な言い方だったかな
そうじゃないといいな
突然の夕雨が、ひどくぼくを不安にさせたんだ
ひとりぼくだけすすませないで
なんて、こんな風に思うのは
雨のせいかな、雨のせいだよ


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