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ITストラテジスト試験に20代実務経験ナシ初高度区分で独学一発合格できた喜び

結論

ITストラテジスト試験に合格することができました。
うれしい。
手ごたえのある試験ですが、対策する時間を確保できれば
未経験でも初高度区分でも独学でも大丈夫です。


ITストラテジストとは

ITの中でも最上流の戦略立案などを扱う、エンジニア系上級職のひとつ。

モチベーション

当資格は、最上流工程の企画周りを学ぶことができるものです。このような企画業務は若いうちから担当する機会が少なく、ノウハウも付きづらいものです。
しかし、知識の基盤を作っておくことで、早いうちから情報をキャッチし続ける力を身につけることができると考えました。これが早ければ早いほど、複利的に効果が表れるでしょう。
また、合格には論文執筆を避けては通れません。その挑戦を通じて日本語力をシンプルに向上させたいという目的もありました。

試験結果

公表が憚られるようなお恥ずかしい点数でしたが、運よく一発合格することができました。
合格者の中での最低ボーダーだと思いますので、受かるために最低でもこのくらいはやっておこう。を目安として遺しておこうと思います。

情報系試験 受験歴

2023(R5)秋 応用情報技術者試験 合格
                   のみ

何が難しい?

試験区分が4つに区切られており、すべてに合格しなければなりません。
 ・午前1 : 四肢一択 (50分)
 ・午前2 : 四肢一択 (40分)
 ・午後1 : 記述式  (90分)
 ・午後2 : 論文執筆 (120分)

理系の方にとっては、とにかく論文執筆が鬼門です。
小休憩をはさみつつぶっ続けで試験を行うため、集中力をいかに保てるかも重要になります。

対策

午前1(四肢一択)

過去問ベースでの対策をします。
とにかく過去問道場をやりましょう。
範囲が非常に広域かつ一問の重みが大きいため、侮れない区分です。
私は応用情報による試験免除がありましたので、対策はしませんでした。

午前2(四肢一択)

こちらも過去問ベースでの対策をします。
下記サイトを活用させていただきました。
まずは直近2年分を除いた全問題を解き、忘れたころにもう一周、、を繰り返しました。
直近2年分は本番前の力試しのために確保。
本番までに全問2週+よく間違える問題を覚えるまでループしました。

午後1(記述式)

こちらも過去問ベースでの対策をします。
下記参考書を活用させていただきました。最新版を購入することで、十数年分の解説込み過去問PDFファイルをダウンロードできます。
対策を始める際には、まず平成の問題から解いてみてください。最初の数問は解説を見ながらでOKです。
記述式ですがオリジナリティは不要で、大抵は問題文の文字列をうまく抜き出して回答することになります。
令和になってからは問題が易化していますので、平成問題に慣れておけば本番でも余裕をもって取り組めるはずです。
本番までに計12~15問分解きました。

午後2(論文執筆)

論文は、ITストラテジストになりきって企業の抱える問題を発掘、対策立案、経営層へ提案する一連の流れを論述する必要があります。
こちらは過去問丸コピでの対策だけでは不十分な区分です。
先の参考書に丁寧な対策方法がありますので、基本的にはそちらに沿って練習しました。
高度な内容は参考書や他の方の合格記に譲り、ここでは当たり前すぎて見逃しがちな意識すべき点を3つピックアップします。
・とにかく書くのに慣れる
・設問に沿った内容を記述する
・身近な企業を題材とし事例を考える


とにかく書くのに慣れる
論文は紙媒体の原稿用紙に対して執筆を行います。
文字を書く習慣から離れていると、恐ろしいほどに漢字を忘れています。
漢字ドリルをやりましょう。私は漢字ドリルなしで合格は無かったと確信しています。
ありがたいことに先の参考書には頻出漢字一覧が記載されていますので、まずはそれをコツコツ。

設問に沿った内容を記述する
論文は表現力コンテストでも、技術力コンペでもありません。
ただただ、”要求された内容”を淡々と論述することが求められます。
意識していないといつの間にか要求事項のレールから外れていることがよくあります。特に実務経験者はこの罠に陥りやすいのではないでしょうか。
脱線しないためにも、論文を書く前にこの二つの訓練をしました。
・設問文から要求事項を漏れなく抽出する訓練
・抽出した要求事項を基に、物語構成の設計図を走り書きでまとめる訓練
訓練詳細は参考書にありますので、ぜひ特訓しましょう。

身近な企業を題材とし事例を考える
問題は、ある程度の共通点はあれど同じ内容が出ることはありません。
よって、文章構成は本番中に自力創出する必要があります。
その際、身近な企業で事例を考えておけば応用が比較的たやすくなります。
私の場合、練習段階では近所のスポーツジムや新卒時に応募していた福祉系企業など計4種を事例として使いました。
中でもスポーツジムはよく通った場所だったためイメージが膨らみやすく、本番でもこちらを題材に挑戦しスムーズに執筆することができました。
本番は時間との闘いです。いかに素早く連想し、ネタを創出できるかが勝敗を左右します。得意な題材を用意できると非常に有利です。

さらに本番へ向けた注意点を追加で2点。

時間が溶ける
本当にギリギリです。
本番時、過去1で絶好調に筆を走らせることができました。
それでも余った時間は1分も無く、見直し等は全くできませんでした。
練習時から時間管理を徹底的に意識するべきだったと反省しています。

アンケートも採点対象
実は執筆すべきは論文だけではありません。
アンケートと称して、論文で紹介するプロジェクトに対する説明を求められます。
こちらは事前に対策が可能な部分ですので、忘れずに。


スケジュール感

期間
2/10に別の試験があり、それを終えてから学習を始めました。
STの試験日は4/21でしたので、勉強期間は約10週間です。

時間
平日は早朝出社し45分間、昼休み45分間、帰宅後は0~2時間。
休日は4~5時間。計200時間ほどでした。

方法
対策は区分ごとに期間を決めて行うのではなく、細切れにして全区分を早めに体験しておきました。
この細切れ化には、一時的な過度適応(一夜漬け的なアレ)に満足してしまうことを防ぐ効果があります。
タイミングを分散させることで、ちょうど忘れかけたころに復習できるため短期間でも記憶が定着しやすかった印象です。
早期に、論文が思い通りに書けないことやそもそも漢字が書けないことに気が付くことができたのも大きな収穫でした。

おまけ

ChatGPTとの付き合い方
私が独学合格できたのは、AIツールを活用できたからにほかなりません。
特に論文対策にて最高のパフォーマンスを発揮してくれます。
ただし、依存しすぎないように距離感は意識しました。

使わなかったこと : 0 -> 1 の生成
例えば、
・文章まるっと生成させる : お手軽に論文を生成してくれますが、本来の目的である”学び”から遠ざかってしまうと感じたため、ゼロからの生成は控えました。

使ったこと : 1 -> n の生成
例えば、
・文章の肉付 : 1文のボリュームが物足りないな、というときに文字数を指定して肉付けをしてもらっていました。これがかなり便利。
・文章の校正 : 日本語誤りや表現のゆがみを赤ペンしてくれます。
・文章の採点 : 採点項目を指定し、それぞれの出来を確認していました。当時はまだ低精度でしたが、あからさまにダメな部分は指摘してもらえました。最近のClaude 3.5 Sonnetでは、かなり採点精度も高まってきていると感じます。

おわり

ボーダーギリギリで、なんとか合格することができました。
午後2は絶好調だったとはいえ、元の論述スキルを鑑みて不合格だろうと確信していました。論文執筆はおろか、実は「情報」という文字すら書けないレベルからのスタートだったからです。
そんな私でも合格できましたので、皆さんならスムーズに合格できるはずです。
AIの台頭により、働き方の見直しが加速しつつあります。個々人が手軽に企画を回せる時代も近づいているのではないでしょうか。
本試験はそんな時にも役立ちそうな知識を学ぶことができます。時間が許す方は、ぜひ挑戦してみてくだい。

おしょうしな

参考にさせていただきました。ありがとうございました。

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