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「大学生」になれなかった話
私は想像していた「大学生」にはなれなかった。
通っていた高校はいわゆる「自称進学校」で学年の8割が進学だったが、行きたい大学すら高3の夏に決まっていなかった。
夢のない私は専門学校にいく選択肢など無く、一般受験は絶対嫌という理由だけで、お手頃な女子大に指定校推薦で決まった。
入学してからは散々だった。
近くにいた女の子と友達になる事ができたけど、私の学校はいわゆる「クラス」というものが無くて講義で被ったコマでしか友達と会わなかった。
その子とはいくつか講義を被せたけど、あまり波長が合わなくていつの間にかお互い1人で授業を受けていた。
私は毎日インスタのストーリーを見て涙目だった。
「新歓!☺️」「乾杯!🍻」「呑みすぎた!🤮」
の投稿を1日に何回見たか分からない。
「大学生楽しくないの私だけ?」
誰かに虐められてるわけでもない。ハブられてもいないのに辛くて仕方なかった。
そしてようやく講義で友達を作ることができた。
その子も大学に馴染めないようで、「大学生」になれるように一緒にバドミントンのインカレサークルを見学しに行った。
そのサークルは「合宿」という名の「飲み会」を5日かけて行うとのこと。合宿費は7万。
それに年会費で1万徴収し、毎回練習後にご飯行くようなサークルだった。
年間約10万!?
驚きを隠せなかった。
10万払ってまでお遊びでバドミントンしたくないし、お酒も好きじゃない。
そこで10万払う覚悟があったら、素敵な友達が出来るかもって一瞬よぎったけど、私には高校から仲良くして貰ってる友達が何人もいる。その子たちを超える友達は「呑み会」なんかじゃできないと思った。
入学してから半年。
サークルに入っている周りの子達に話を聞くと「呑み代でバイト代が消える🥲」
「サークルで付き合った彼氏がサークル内の後輩と浮気してるかもしれない」
など言っていた。
いかにも「大学生」な悩みだなあ。
けど私は「大学生」になれなくて良かった。
私は「大学生」以下の大学生活を送った。
けど満足だった。私に「大学生」は向いていなかった。
「彼女持ちの男と関係持っちゃった」
「サークルで呑みオール」
「呑みすぎて記憶飛ばした」
「サークル合宿」
これらの「大学生」の言葉は私とは無縁だった。
あの時サークルに入らなかったことを、全く後悔していない。と言えば嘘になる。
他にも見学しておけば良かった。と多少後悔する事もあるけど結局自分の性格上「大学生」にはなれていなかったと思う。
きっと次は「社会人」になれなくて悩むのだろう。
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