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「何を食べるか」より「どう食べるか」〜vol.2〜

みなさん、こんにちは!薬剤師のmeiです。

前回の内容を振り返ると、

咀嚼を疎かにすることで早食いになり食べすぎてしまう。
その結果、胃腸にストレスがかかり、頭痛や冷え、疲労感などの症状に繋がる。

といった内容でした。

今回も引き続き咀嚼について、その中でも咀嚼が引き起こす消化・吸収への影響についてお話します!


咀嚼は消化の第一関門

咀嚼は、食べ物の消化における第一関門です。
咀嚼の段階で食べ物をしっかり粉砕しておかないと、それ以降の消化・吸収の働きに影響を及ぼします。

咀嚼を疎かにすると、胃腸での消化にたくさんの労力が必要になります。
しかし、胃腸の仕事量にも限界があるため、あまり咀嚼されていないたくさんの食べ物が胃腸に入ってくると、食べ物を完全に消化しきれないまま小腸や大腸に運ばれてしまうのです。

未消化の食べ物は吸収されない

消化とは、

食物中の物質(タンパク質、炭水化物、脂肪など)を吸収可能な大きさの分子に分解する工程のこと

Wikipedia

食物中には様々な栄養素が含まれています。

例えばお米には、炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンなどが含まれています。
食べたお米は咀嚼されたあと胃腸に運ばれて消化・吸収されるのですが、決してお米として吸収されるわけではありません。

では、食べ物はどのような形になって吸収されるのか。

お米の栄養素の大部分を占める炭水化物のうち、デンプンという成分についてみてみましょう。

デンプンの消化・吸収

デンプンとは、ブドウ糖(グルコース)という糖がたくさん繋がってできた多糖類の一種です。

お米を咀嚼をすると、口の中に唾液がたくさん分泌されます。
この唾液の中にはα-アミラーゼという消化酵素が含まれており、これによってデンプンはデキストリンや麦芽糖(マルトース)といったより小さい形に分解されます。
お米をよく噛んでいると甘く感じるのは、デンプンがデキストリンに分解されている証拠です。

この段階で全てのデンプンが分解されるといいですが、あまり咀嚼ができていないと、一部はデンプンのまま胃腸に到達することになります。

胃では胃酸が分泌されますが、デンプンたちは胃酸による消化を受けずに小腸まで運ばれます。

小腸の最初の部分である十二指腸では、膵液や胆汁などの消化酵素と食べ物を混ぜていきます。
ここで分泌される膵液の中にはα-アミラーゼβ-アミラーゼが含まれています。
α-アミラーゼは唾液に含まれているものと同じで、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解します。
β-アミラーゼは、デキストリンを麦芽糖に分解します。

つまり、十二指腸ではほとんどのデンプンがブドウ糖が2つ繋がった麦芽糖にまで分解されるのです。
そして、この段階で麦芽糖にまで分解されなかったデンプンやデキストリンは、便として体外に排出されてしまいます。

その後、小腸に存在するマルターゼによって麦芽糖はブドウ糖という一番小さな形に分解され、初めて体内に吸収されるのです。

ここまでのお話でわかることは、咀嚼を疎かにすると吸収される栄養素の割合が低下するということ。

食べる=全て吸収されるではないのです。

それって、すごく非効率だと思いませんか?

自分の身体のことを想って、栄養を摂りたいと思って食べた物は、しっかりと咀嚼して初めて身体の栄養となるのです。

どれだけ栄養のあるものを食べたとしても、咀嚼を疎かにすれば、その栄養は摂ったつもりで終わってしまうのです。

これを知ると、咀嚼をしたくてたまらなくなってきませんか?笑

ぜひ、今日から家族みんなでゆっくり咀嚼しながら食事をしてみましょう!


次回は、咀嚼が引き起こす大腸への影響についてお話したいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました𓂃𓈒𓏸 


mei 𓅪

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