【写真を考える】 vol.1 感覚の話
まず最初に自己紹介
筆者はフリーランスで活動している写真家/美容師/デザイナーの芦川海斗です。
普段はメインで美容師、写真家をしています、今回は写真の話。
あくまで個人的な考え、見解なのでご了承ください。
僕はプロフィール写真、アーティスト写真から企業KV(HPのトップに来るような写真)まで幅広く仕事にさせてもらっています。
写真
ってざっくり言ってもほんとにいろんな種類の写真があるわけなんですけど人が写っている写真、いわゆるポートレートについて、まずは基本的なところから考えていけたらと思います。
写真の3W1Hを考える
写真を考える、撮るにあたり大切な優先順位があります。
Who 誰に見せたい、見て欲しい
Howどう伝えるか
Whatなにを伝えるか、なにを感じて欲しいのか
Whyなぜそうするのか考える、確認する
です。
1.who 誰に見せたい、見て欲しい
1番目に考えるべきなのがまず誰に見せたいのか、どう感じて欲しいのかをしっかり決める事。
今回は僕の場合で話を進めていきます。自分の場合に置き換える場合はそれぞれ伝えたいレベルに合わせて頭の中を組み替えてください。
僕の場合はヘア、メイク、ファッションなどトータルの感性のレベルが高い方に向けて心を動かせるような写真を撮る。
感性のレベルが満たない人には理解できなくて構わない。(仕事の場合は相手が伝えたい目的の人になりきって考える)
感覚は会議(脳内会議)で決定(変動)する
基本的に写真に人が写っているならそこにはヘア、メイク、ファッション等トータルの要素が存在します。
なので美容師目線、ヘアメイク目線、スタイリスト(衣装)目線、写真家目線
そこにトータル感度の高い人、普通くらいの人、感度の低い人を混ぜた
7つの視点(7人)で脳内会議を行います。
※7人という表記が度々でてきますがこのメンバーです。覚えてください。
1人1人になりきって考えるのではなく全員を同時に頭に住まわせて議論しながら複合した感覚で考えるようなイメージです。
なりきれない、気持ちがわからない視点(人)があるなら感覚をつけるか、感覚がある人に現実で意見をもらう事が大事です。
現実でいうカメラマン、ヘアメイク、スタイリストetcの打ち合わせです
会議に1人でも欠席すると違和感が発生する
脳内会議(現実の打ち合わせ)で誰かが欠けたまま固められたイメージの写真は途端にトータルの一貫性が欠けて自分以外の視点を持った人から見た時に違和感が発生します。
世の中に溢れる写真はこの違和感がたくさんでています。伝える側の視点や想いは関係なく、見る側のレベル、視点でこの違和感は見抜かれてしまいます。
例を挙げると感性レベル普通の写真家/感性レベル普通のモデルのみの撮影
写真家はヘアやメイク、ファッションの感性がないためそれぞれの感性がある人から見たときにレベルが低い、と思われてしまう。
なので今回の僕のターゲッティングでは
「 空気感を伝えたい、人の温かみを伝えたい 」
のような感性無視の作風はただのレベルの低い写真、とカテゴライズされます。
作風否定ではなくターゲッティングに合わせて"良い"の感覚も変化します
プラスよりもマイナスを意識した脳内シミュレーション
トータルの感性を磨くための第一歩は違和感に気付けるようになる事。
プラスを分析するのではなくマイナスに気付ける力、繊細でネガティブな神経を張り巡らせて常に変化する現場のマイナスの可能性をどこまで感じ取ってケアできるかが勝負、そんな気がします。
2. HOW どう伝えるか
どう相手の心を動かすか
写真に込めるメッセージ、秘める要素
脳内会議や打ち合わせで考えてアイデアを出し合います。
僕は大前提として既に見たもの、既にある発想を出来るだけなぞらないように考えます。
自分で脳内会議をしておきながら、脳内会議では挙がらない想像しないアイデアを考えるような感覚です。
セオリーを考えれば、避けるべき道がわかり他の道がぼんやりと見えてきます。
そこをはっきり見えるようにするためのきっかけは普段の生活の中での風景、シチュエーションなど様々です。
自分の感覚の外を探る
突然ですが僕は1996年生まれで、基本的に1996年以降のものを見て育ちました。
それが僕のスタンダードです、感覚はそこで育まれました。
そこで僕は新しい感覚を求める時昔の映像、音楽を漁ります。
そこには自分の感じ得なかった感性が溢れています、映像は全ての感性、要素が目視で細かく正確に分かります。音楽は答えがなく耳で感じたままにイメージを膨らませていくためオリジナリティのあるイメージが生まれやすいです。
"オリジナルなアイデアを考える時には聞いたことのない昔の音楽を聴きまくる"
これ、おすすめです笑
8人目の視点で導き出したアイデア
8人目の視点で思いついた脳内の7人が思いつかないようなアイデアを、写真で伝えます。
伝え方はざっくり分けて2つに分かれます。
映像のように一目見て伝わるように画面内で表現、完結させる。
音楽のように断片的にメッセージを散りばめ、画面外や他の時間軸を想像させる。完結させない。
印象強く短時間で伝わるのは前者、じっくり見て余韻を残すのは後者。
そこのバランスやスタイルは人それぞれですがその2つの伝え方を意識すると色々見えてくるかもしれません。
僕はぱっと見の印象も目を惹くかんじにしてよく見たら面白い要素があるような伝え方に落ち着いています。6:4~7:3くらいのバランスでしょうか。
だから繰り返し見たときに発見があったり、印象が変わったりする。そんな写真を撮りたい気持ちで撮ってます。
よく見たらハシゴではなくハシゴの影を登ろうとしている
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