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その名も貧乏韓国留学




韓国留学に行く前の理想と現実


学校のある期間にはガリガリ勉強して、学内のカフェにも立ち寄って、図書館にも行って、夕方は韓国人の友達とごはん!
週末や夏休みにはソウル、その他のエリアに出かけていって韓国のいろんな地域を知る!博物館や美術館もどんどん行く!チェジュ島や釜山、大邱、大田、慶州、全州……韓国の旅行地に列車で行ってみる。
こんな生活を想像していた。

現在6ヶ月経過。はっきり言ってこんな留学プランを成功させるのはかなり厳しかった。

留学に来て気づいたこと。すごく当然のことなのに留学体験記などにはあまり書かれていないこと。それはお金の問題。
こっちで一緒に留学しているほかのたひとたちの生活と自分の生活。確実に資金の面で何かが違う。「お金がない」その深刻さが違う。そう感じてしまう私は、貧乏韓国留学生だ。

留学って、お金の用意できる人が行くものでしょ?
そう思って大学2年生まで留学なんて微塵も考えてなかった。だけど、大学の協定留学ならほかの留学よりも費用を抑えて、しかも長期の留学ができる!そう知ってとても嬉しくてすぐに準備をして韓国留学に行くことになった。


そして韓国留学を実際してみて痛感した。留学の成功のためには、やっぱりお金が要る。しかも想像の何倍も。
私が所属している日本の大学の職員に何度も相談した。そのときは韓国での長期留学に必要な費用は大体100万円+αあれば…くらいだと聞いた。
お金のことが何も分かっていなかった私は140万円ほどあれば留学に行けるかな、そう考えていた。大学の留学奨学金と一昨年からもらえていた奨学財団の奨学金、そして(ほとんどないようなものだが)自分の貯金、そして両親が用意してくれたお金。そのすべてを足して揃えて、留学に望んだ。

も、想像がかなり甘かった。結論から言うと、今私は、こちらでの家賃、水道・ガスなど生活に絶対に必要な経費をかなり安く抑えても、+1万円ほどで生活していくしかないほどの資金しか手元に残っていない。本当に恥ずかしいくらいにお金がない。

私の家が貧乏だ、なんて話をしたいのではない。3人兄弟で私が末っ子、これまでの兄弟分の教育費、5人の生活を賄うための費用だけでも莫大なのに、加えて私が高校・大学と私立に通うことを可能にしてくれた。さらに本人がいきなりやりたいと言い出した韓国留学まで行かせてくれた。私の家は、貧乏なのだろうか?むしろ、恵まれた家庭ではないか?

じゃあ私にお金がないのはなぜか?
・見積もりが足りなかったから
・お金の管理が下手すぎたから
この2つが大きな原因であることは間違いないと思う。

この2つの失敗を私はきちんと書き残しておきたい。貧乏留学で、心も貧しく、悲しくなってしまうことがないように。これから韓国に来る留学生のひとたちが留学を人生で絶対に必要だったと言える良い経験にできるように。

今のわたしはお金がないことが何よりもいちばんの悩みになってしまっている。そのことを考えるだけで何もしたくなくなってしまう。今日使ったお金のことを考えて、楽しかったこともすべて後悔してしまいそうになる。

そんな嘆きも、反省も、貧乏生活のくふうも、ぜんぶこのnoteに書いてみよう。留学のうまくいかない部分だって、きっと価値があるはず。
全然反省できずだめだめな韓国留学生だっているよ、そんなメッセージのためにも正直に書いてみようと思う。

韓国留学ー費用の見積もり

最初に聞いた100万円+αという額。今考えてみると、あれは最低限必要な生活費のことを指していたのだと思う。留学にいる間しかできない体験、つまり交際費や旅行、外出にかかる費用、趣味のためのお金。こうした費用はたぶん全く見積もりに入っていなかった。

もちろん、海外で生活さえできればそれだけでも貴重な経験になる。実際私はいまその「生活」をとにかく守るためのお金はある。
だけど、個人的には留学ってそれだけじゃすごくもったいない…と思うのだ。

暮らしの中の楽しい瞬間、わくわくする瞬間、新しい体験にかかるお金は、「抑えられる費用」に含まれてしまいがちだ。
韓国料理が食べたい、韓国の雑貨が欲しい、韓国でしか行けないコンサートに行きたい、韓国で出会った友達と遊びたい。そう思ったときに「これはでも絶対に必要なお金ではないから」と切り捨てなければならない。こんなに悲しくてさびしいことはないと感じてしまう。

絶対に必要か?と言われればそうじゃないけど、絶対に必要なものだけで楽しい人生って出来上がるんだろうか?
この後の人生で韓国に1年間留学した思い出を「本当に濃くて充実していて糧になるものだった」と振り返るためには、きっと100万円なんかじゃ足りない。

プラス50万円、80万円でもあればきっともっといろんな体験ができたんだろうと思う。贅沢だけどね。

だから個人的には、韓国留学には160万円〜200万円くらいを見積もっていれば、かなり自由にいろんな体験ができると見ている。

わたしは本当に衝動買い癖があるのと、ご飯を食べない、回数を減らすという食費の削り方がメンタルに大ダメージを与えるという自覚があるから、かなりお金がかかって厄介なタイプだと思う。

そんな私の見積もりなので普段から倹約家でお金の使い方がきちんとしている人なら、もう少し少なくて済むとは思う。
(なんてざっくりなんだ)

どうかこれから留学の準備をする人は、多めに見積もって動き方を考えてみてほしい。そんなこと言われなくたってするわ、っていうひとはそのまま留学に突き進んで。


準備の段階での貯金、それが多ければ多いほど留学先での体験が充実する。至極当たり前のことだけど、そんなことも意識できていなかった自分がいたから、もしそんなひとがいたら。


韓国留学ーお金の管理

上でも書いた通り、私はかなりお金の使い方が下手くそだ。実家暮らしでまったくもって生活そのものにかかるお金、趣味のお金、というのを分けずに額も正確に把握せずに過ごしてきてしまった結果、こんな人間ができあがった。

お金がない!そう思っても収入でカバーする。
留学先ではそれはできない。
半年経てば許可をもらった上でバイトが可能になるが、バイト探しも日本より難易度が高い。

まあいいか、で買ったドリンク。かわいい!と衝動で買った雑貨。とりあえず休むのに入るか、でかかるカフェ代。
そんなこんなが重なったら、1ヶ月の出費はあっという間に10万にも上る。しかも寮にかかるお金はすでに前払いしていてかかっていなかったのに。恐ろしい。何も考えていないときの自分がいちばん恐ろしい。

みんなもこうやって生活してるし...と流されて言い訳していた。
私は気づかなきゃいけなかった。「みんな」とは資金が違う。用意していた分が甘かった自分が他のひとたちと同じように遊んでばかりいては当然その後にどうしようもなくなるということをちゃんと真剣に考えなきゃいけなかった。

だけどそれをサボった。
そうして今、貧乏韓国留学生になった。

なんとも恥ずかしい。自分で留学前にきちんとお金を貯めることもしなかった。「できなかった」と表現したくなるけど、それは逃げ。他の子は自分で貯金を貯めていたんだと言ってた。

必要なのは計画性とどれだけお金が出ていっているのかを把握すること。

苦手だ〜と言いながら家計簿管理からも逃げていた。
今どれくらいの預金があって、毎月どれくらい使えるのか。計画とその結果を比べて振り返る作業。当たり前だけど、留学に来て本当に必要だと痛感した。

毎日の出費と収入をきちんと記録できている周りの子たちは、夏休みに旅行に行くという楽しみを得られている。
ここが差だなあ、と身に染みて感じた。真似してみて私も「ふつう」のお金の使い方に近づきたい。

お金がない!今の生活

どうやって「危機」を避けるか。焦ること以外に、何をしたらいいのか。お金がないなかでも、大事にすべきことは何か。あくまでこれは主観だけど。

お金がない...となってから私がしたこと。

  • 食費を抑える(自炊・貧乏韓国メシの開拓)

  • サブスクを解約する

  • 과외(家庭教師のような活動)で収入を得る

  • バイトを探す

  • 人に相談する

長くなっちゃいそうだから、今回は上の2つについてだけ書きます。

食費を抑える(自炊・貧乏韓国メシの開拓)
食費を抑える一番簡単な方法は食べないこと。これができるならとっくにやっているんだけど…私はご飯を食べることが人生の最大の楽しみであり、お金の制限がある生活の中でもどうしても食から得られる幸福だけは削りたくなかった。

だからきちんとおいしく食べる。だけどできるだけ安く。そう思ったら、やっぱり自炊を選ぶことになる。
ちなみに毎日キンパ1個でも十分!というひとは正直自炊よりもその方が安く済む。大体キンパは3000ウォン~5000ウォン。お店によっては大きさがバラバラだけどちょうどお腹いっぱいになるか、多すぎるかという違いなので少なすぎるかも、と心配する必要はない。ものすごく大きいキンパだったらお昼と夜で1本でも十分なくらいです。

話を戻して、韓国での自炊生活で安く旨く食べられるメニュー。
それはチゲ(鍋料理)

チゲの良いところ。
コチュジャンと味噌とだし(다시다かほんだし)、醤油、みりん(酒だとなおよし)という基本の調味料さえ揃えてしまえば、毎日スーパーで安くなっている野菜をぶち込んでしまえば完成する!という点。

特に된장찌게(味噌チゲ)と청국장 (納豆の香りがかなり強いチゲ)に関しては、本当に野菜と豆腐だけでおいしくなるので最高。
なぜならコチュジャンと納豆とだしでもう十分うまいから。

パックご飯は200グラムで大体1200ウォン~1700ウォンとちょっと高いが、乾麺だけで売っているラーメンを買ってしまえば、なんとこれが1人分350ウォンで主食になる。たしか5個入は1500ウォン~1700ウォン。安すぎる!ごはん1杯分でラーメンが5食食べられる。
※韓国ではこうやって鍋に入れる用のラーメンを라면사리と呼ぶ。

このチゲ+ラーメンがまさに韓国貧乏メシ。
(調味料があれば)1回チゲをつくるのに高くて15000ウォン、安ければ3000ウォン。鍋を作った日の夕飯、翌日の朝と昼、スープが残ればチャーハンにしてまた夕飯で食べられるという貧乏さ。
「スープを残しておいたらこれまた食べられるかな…」と考えている瞬間はなんて貧乏なんだ!ともはや嬉しく感じるようになってきた。ウケる(ウケない)。

チゲに入れるおすすめの具材を書いておこう。
애호박(ズッキーニ)
가지(なす)
대파(長ねぎ)
양파(玉ねぎ)
무(大根)
두부(豆腐)
새송이버섯(エリンギ)
김치(キムチ)

正直キムチがあれば残りの具材は1つか2つで十分。お肉が安く手に入ったら肉とキムチだけでもおいしい。キムチは最強。

あとは、冷凍の만두(ぎょうざ)を入れてあとから何個かつぶしちゃえば、ぎょうざの餡が肉もねぎもキムチもだしも含んでいるので、味がまとまるし満足感がどどんとあがる。

おいしかったメニューはまた別の記事で整理しよう。

サブスクを解約する
これが意外と大事。Netflix、Amazon Prime、U-NEXT、Hulu…と日本にいるときは韓国ドラマを見たいがためにいろんなサブスクに手を出してた。
だけど、海外だと見られない作品がかなり多くて、正直Netflix以外はほとんど見るものがないに等しい。だから解約してしまって毎月引かれるお金を減らしていくとそれだけでも気持ちが楽になる。

ただ、Netflixは韓国版になるとジブリが見られたり新しい韓国ドラマのシリーズが早く始まったりとお得なこともあるから、まだ契約している。
日本語字幕が一部の作品以外は基本的につかないから、韓国語がかなり聞き取れるようにならないと見づらいというのが事実。
ジブリもあんまり興味ないなあ、ってひとがいれば解約しちゃってもいいかも。


と、今の貧乏韓国留学はこんな感じ。
과외(家庭教師のような活動)で収入を得る
バイトを探す
人に相談する
この3つもかなり大事だから、また改めて書きます。


とにかく(自分にも)伝えたいこと。

留学は、とにかく資金の準備を多めに!そうすればきっと本当に楽しくて充実した生活ができる。大学で良い成績を取れば、経済状況に関係なく「給付」型の奨学金がもらえることも多い。韓国語だけじゃなくて、普段の勉強も頑張っていれば、留学の助けになる!ってことです。奨学金は返済必須の貸与型だけじゃないので、諦めずに。

あとは貧乏になってしまっても、工夫はできる!
私も貧乏留学生活も良い経験だったと言えるようにこうしていま記録を書いている。留学先ではとにかく貧乏だったので…という話はあまり聞かないけお、だからこそ面白いかも。

できることをやっていくぞ。






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