見出し画像

【エッセイ】ツツピとシジュウカラ

みなさまこんにちは。
アジカンのチケットが当たらなくて
もうチケットのことしか最近考えられない
シンガーソングライターの葵 音人です。

高校生の時からさくらももこが大好きで、
エッセイを自分で書くようになりました。
久々に書いたのでnoteに綴りたいと思います。
いつかライブグッズでもまとめたやつを
出そうと思っています(^^)
それではお楽しみください!!!


約10年前(まじで?)の高校一年生の私、
それはそれは楽しく、楽しく生きていました。
頭は良くはなかったものの、
友達に恵まれ、
昼休みはギャーギャーと良く騒いだものです。
とても楽しい日々だった。

と、思い返すのに
絶対に忘れてはならないこの話。
伏線を回収したのは5年後なので、
約10年の超大作である。

当時、社会科の授業でお世話になっていた先生は鳥が大好きでいつもいつも授業を始める前に
自分の庭で見た鳥の話や、
鳥小屋を自作した話題から授業に入る。

先生は穏やかで多分この人の老後は
縁側で座って猫でも撫でているのだろうなと
想像できるようなとても素敵な先生だ。

中でも先生の
お気に入りの鳥は「シジュウカラ」。
小さくスズメみたいで羽根に緑が入っていたり
ちょっとオシャレさんな鳥。
この鳥が庭に来た時の先生と言ったら
大喜びである。

「この前はシジュウカラが僕の作った
    巣箱を見ながらツツピーと鳴くんだ。
          とても嬉しかったねえ!」

「今日の朝はついに
    ツツピー、ツツピーと鳴きながら
          巣箱に入ったんだ!」

こんなほのぼのとした鳥事情を毎度聞かされ、
私の心の中はまるで
バードウォッチングでもしたかのような
気持ちになっていた。
(あまりにも"ツツピー"と連呼するので
学生の間では"ツツピ"とあだ名が付いていた。
ここからは"ツツピ"と呼ばせて頂く。)

月日は流れ、卒業し専門学校へ、
そして就職して5年が経った。
私は仕事終わり寝転がりながら
おばあちゃんと一緒に煎餅をむしゃつきながら
テレビを観ていた。

テレビから流れてきたのは
「ダーウィンが来た!」というNHKの教育番組。

何も考えずにぼーっと観ていた。
今日のコーナーは、
「聞いてびっくり!鳥語講座」
というタイトルのコーナー。

誰がこんなトリッキーな("鳥"だけに)
コーナーを作ったのだろうか、
世の中には物好きがいるもんだなあ。

引き続き見ていると意外にも面白いもので、
野鳥は鳴き声を分けて仲間に危険を知らせたり、他の種別の鳴き声を理解しているとか、
「へぇ〜!」となるような内容で
まんまと私は物好きになった。

そして運命的な展開が訪れるのだ。


「それでは今回は
  シジュウカラを参考に見ていきましょう〜」

ん?シジュウカラ?どこかで聞いたような…。
はぁぉっ!?ツツピだ!!!!
ツツピの鳥だ!!!

私の心は完全に高校一年のあの頃に戻った。
大好きなツツピの
大好きなシジュウカラさんのあの御言葉
「ツツピー」がわかるのだと思うと
なんとも感慨深い気持ちになった。

さぁ、教えてくれダーウィン、「ツツピー」は
鳥語でどんな意味なのか!!

テレビの中で専門家がシジュウカラの鳴き声を
一生懸命に聞いている。
そしてその答えが明かされた。


「シジュウカラがツツピーと鳴くのは
    警戒して危険を周りに知らせている時」

なんということでしょう。
あれだけ可愛い可愛いと
可愛がっていたシジュウカラは、
めちゃくちゃ警戒していたのでした。

その事実がなんともあっけなく
そしてツツピには大変申し訳ないが、
本当に腹の底から心底笑えた。

どうかツツピは死ぬまでには
シジュウカラと仲良くなってほしい、
元気かなあ。
5年経った今でも笑わせてくれる、いい先生だ。

長い月日を経ての伏線回収、
私はツツピとシジュウカラに
してやられたのでした。

最後まで読んで頂きありがとうございました!
ちなみにタイトルの写真は高2のわたし。
若いねぇ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?