聖葉(Seiha)

【好きなもの】 源氏物語、和歌、短歌、ゴッホ、モネ、  薔薇の花

聖葉(Seiha)

【好きなもの】 源氏物語、和歌、短歌、ゴッホ、モネ、  薔薇の花

最近の記事

君と歩いた道

君と歩いた道 行ったことのない駅 歩いたことのない街 君にとっては 毎日歩いて過ごしているその街が 私にとってはとても新鮮で 街中にある普通のパン屋さんが とてもお洒落に見えたり 裏路地のような 狭くてごちゃごちゃした通りが アートのように見えたり 君と歩いた道が 私に特別な記憶として残してくれたのは そういう日常の景色でした 特別ではないから 特別に感じたのかもしれません 君と歩いた道 今も変わらないですか

    • 【詩】二人だけの空

      ゆっくりと 形を変えて流れてゆく 白い雲は 貴方と私 芝生の上に二人並んで 青い空を眺めたまま どれだけ時が経っただろう 貴方が私をみつめてる 私は空を見上げてる 私が貴方をみつめてる 貴方は空を見上げてる 芝生の上に置かれた手 いつのまにかあの雲のように 重なった そしてまた 離れては重なる 流れてゆく 白い雲のように 形を変える 貴方と私 雲と一つだけ違うのは どこまでいっても 貴方と私は離れない さあ そろそろ 二人だけの空へ 帰ろうか

      • 【詩】一輪の白い薔薇

        花の名も 知らぬ君から 一輪の 白薔薇の花を 渡されし 始まる二人の あたたかな 心に四季の 花を咲かせて 歩む道

        • 【短編小説】紅にほふ桃の花

          春の園(*) 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子(をとめ) 万葉集 巻第十九 4139(旧国歌大観番号) 4163(新編国歌大観番号) 【現代語訳】 春の園、園一面に紅く照り映えている桃の花、 この花の樹の下まで照り輝く道に、 つと出で立つ娘子よ。 *春の園か春の苑か、「園」の表記について 万葉仮名で書くと「春苑」となります。 家にある本4冊を見てみると 園と苑がそれぞれ2冊ずつでした。 今回現代語訳を参考にさせて頂きました本は 「園

        君と歩いた道

          【詩】奇跡と運命

          奇跡は起こらないと思うよりも 全てが奇跡だと思えば 貴方と私の出会いは運命となる 起こるはずのないことが起きること それが奇跡 起こるべくして起きたこと それが運命 起こるはずのないことを 起こすために 動けばいい 奇跡は 運命になる

          【詩】奇跡と運命

          【詩】光のような貴方

          貴方に優しい微笑みを貰ったから 私も貴方と同じ笑顔になった お互い見つめ合って 微笑む あたたかくて穏やかな 貴方がくれた愛 寒いのは苦手な私 だけど 貴方は 雪が照らす世界を見ようよ そう言って 楽しそうに公園に連れて来てくれた 入り口のアーチも 葉が落ちてしまった木々の枝も お菓子の家のように 粉砂糖を振りかけたような可愛い滑り台も 全てが真っ白に装った見慣れた公園は まるでおとぎの国の小さな遊園地のよう 貴方がくれた 雪が照らす暖かな世界 貴方がくれ

          【詩】光のような貴方

          【詩】詩集が導く出逢い

          美しい鼻筋と キュッと結ばれた口 憂鬱な雰囲気を漂わせ 伏目がちに通り過ぎて行く男性 その手には ボロボロになった一冊の詩集が 思わず見惚れてしまうような そんなタイプの人ではないのに 彼の姿が小さく見えなくなるまで 私は彼から目を離すことが出来なかった 時代を遡ったような雰囲気を纏った 先程見かけた男性のことを思いながら いつものカフェの いつもの窓際の席で外を見ていると 一冊の詩集が見えた カフェのドアを開け ゆっくりと近づいてくる足音 椅子を引き その男性が座ろ

          【詩】詩集が導く出逢い

          【詩】君に溺れて

          僕たちは 毎晩 溺れ合う 君が波打つたびに 僕はその波に 呑み込まれていく 君の奥深くまで 君という海で 僕はずっと溺れていたい 真っ白なシーツは いつも 君の纏う香りがする 僕は いつまでも 君に包まれているような感覚から 離れることが出来ない いつから こんなに 怠惰になってしまったのだろう こんなに明るい陽射しを受けながら 何もする気になれない 僕は一人 また 夜の帷が下りるまで 君を感じて過ごす シワ一つない 真っ白なシーツのようだった君に出会い

          【詩】君に溺れて

          【詩】花

          長身の男性が もともと優しい目を もっと柔らかにして近付いてくる 少し照れ臭そう そして そっとそっと私を抱える 貴方に見初められた日 貴方の足は 私の知らない場所へと向かう インターホンの音にドア越しに近付く足音 1秒でも早く会いたい そんな気持ちが伝わってくる足音 頬をピンク色に染めた 小柄の愛らしい女性の顔が 私の眼前に輝いている そして 貴方に抱えられていた私は その女性の胸元へ 彼女がそっと私を抱える 彼女の高鳴る鼓動が聞こえる

          【短歌と詩】真白きこころ

          絶望も 希望も抱かぬ 少年の 闇に佇む 真白きこころ 心清らかな少年 世の中の不条理を 大人になるにつれ 嫌でも知ることになる それから逃れるばかりでは 生きてはいけない 世間の闇が 彼の穢れなき心に侵食し始める 抗いながら 狂気に満ちていく自分を 抑制しようと苦悩する 受け入れなければいけない それでも彼は 真白で清らかな心は失いたくはない 失わないためには 悩み苦しむ 悲哀の眼差し

          【短歌と詩】真白きこころ