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散文詩的な呟き

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日常の一コマを短い映像のように切り取っています。
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永遠の片思い

「小説に、ずっと片思いをしている」 新海誠さんが描いた『言の葉の庭』のあとがきはこの一文で始まる。 この文を読んだとき私は気がついた。 「私は中学生のころからずっと、黄昏どきに片思いをしている」 特に秋の日の黄昏が一番で、悲しくて恋しくて鼻の奥がつんっとする。  携帯を握りしめて、あてもなく農道を歩く。私以外誰もいないと錯覚させる、田園風景が広がる世界。昇り始めた月は白銀に輝いて、振り返ると空が刻々と朱色から群青色に変わっている。その光によって浮かび上がる鉄塔が一段と美し

マスカラが落ちるとき

右の手でポンプを三回押す。 両手を擦り合わせじっくりと温める。 とろっとしたオイルが掌全体に広がり、顔に優しく触れる。 擦らず、傷つけないように。 霞んだ空気が水滴に濡れる鏡に映った。 重ねたマスカラが下まぶたに太めの線を落として、 目尻にアイシャドウが滲む。 首筋から滴るお湯が鎖骨まで滑り落ちて止まった。 まっすぐと見据える君の目線が、堪らない。 (そんな写真を撮ってみたいと思いました)