ハンドメイド

惰性の2番 君がいちばん

専門的に何かを極めている人が心底羨ましい
のめり込もうとしない自分は惰性でしかない

昭和の夏の曲は今よりも単純で
歌詞もストレートだけどどこか切ない
冬でも夏の曲を聴いてしまうのは
感傷的な夏の思い出をずっと忘れたくないという我儘たるもの

夏の夜は蒸し暑さもかき消され
涼しい風が思い出を美化する

あんなに悩んで眠れない夜もあっただろうに
そんな都合の悪いことを1ミリたりとも思い出させてはくれない

だからこそ同じ過ちを何度も繰り返し
その当時聴いていた曲にしがみつく

滑稽だと自分でも理解しているけれど
音楽に罪はないと言い聞かせてもがきながら思い出を切り離す

今年の夏は夜も蒸し暑い
エアコンの部屋では思い出も上手く作れない

だからこそ無理をして家を出る
汗をかきながら背中にTシャツがべったりと張り付いている
来年の夏はどんな気持ちでこの曲を聴くのだろうと不安が襲ってくるから
今年はあんまり新しい音楽に触れていない

実はこれもまた惰性であるが故に起きていること

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