私は好きなアイドルのことを知らない


安田章大のスイッチインタビューを観た。
腫瘍精神科医の清水研さんとの対談を2週にわたって放送していた。

安田章大。
先日SUPERになった、私が13年ほど好きなアイドルである。

清水先生に会って「わ〜!本物や!」と握手する安田さん。「何て呼びましょう?…研さんで良いですか?」の安田さん。私は安田さんのこのふわっとした距離の詰め方と先に心を開く優しさが好きだ……。

スイッチインタビュー第1週では
「must」〜しなければいけない、私はこういう人間でいないといけない。
「want」〜したい、自分のやりたいを聞いてあげる。
この2つ考え方について、清水先生の本を読んだときの安田さんの感情や、清水先生自身の話を通して学んだ。

第1週の最後に、「僕から見て、安田さんはwantで溢れている人のように見える。」と言う清水先生を観ながら、「そうだな〜。」なんて呑気に思っていた。

ここでもう一度繰り返す。
私は好きなアイドルのことを何も知らない。

第2週、この言葉を6年ぶりにまた、噛み締めることになる。

2018年4月。渋谷すばるが関ジャニ∞から抜けると会見を開くことになった。メンバー全員で。
けれど、そこに安田さんの姿はなくて、『自宅にて背中を負傷したため欠席』とだけアナウンスが流れた。知らない人の声で安田さんのメッセージだけが読まれていた。
当時のSNSはすばるのことでいっぱいだったけれど、でも私の小さなタイムラインに「こんなときに怪我しちゃうなんて安田さんっぽいね。」なんて言葉があった。何にも知らなかった。

7月。6人でツアーを回る直前、安田さんが1年前に髄膜腫という腫瘍を取るために手術をしていたこと、4月の会見の欠席は、打撲なんかではなく、自宅で転倒し腰と背中の骨を骨折していたことが伝えられた。後遺症の光過敏で色の付いた眼鏡が手放せないことも。
自分が体験していないことばかりで正直よく分からなくて、安田さんがそんな状態のままツアーを回るもんだから、余計にどれほど大変なのかが分からなかった。ただ、目の前に立つ安田さんを観るのは今日で最後なのかもしれないと思って観ていた。

そして今回のスイッチインタビューで知った、
2017年の2月に病気が分かったとき、何にも感じなかったこと。それが腫瘍が血管を圧迫していて思考が届いてなかったからだったこと。手術が緊急だったためにメンバーへの報告は術後だったこと。怒って泣いて苦しんだこと。それを全く感じさせず決まっていた舞台とドームツアーを何にも言わずにやり切っていたこと。この頃に顔が腫れていたのは薬の副作用だったこと。2018年の4月に浴槽で術後てんかんが起きて本当に死にかけていたこと。上手く歩けない状態のままツアーを回っていたこと。ツアーの前に「病気のことを話せないままツアーはできません。」と泣きながら話したこと。まだ眼鏡をかける自分のことを自分で認められていないと感じるときがあること。本当にこの仕事を辞めようかと思っていたこと。

いや〜…私、君のこと本当何にも知らないね。
隠したのは安田さんだったかもしれないし、違ったかもしれないけど、安田さん、本当に本当に今日もアイドルでいてくれてありがとう。

「安田さんにとってアイドルはどんなものですか?」と聞かれて安田さんは「都合の良いものであって欲しい。」と答えた。〝アイドルは偶像〟安田さんが度々口にする言葉。第1週で「wantで溢れているように見える」と言われていた安田さんの中に潜むアイドルとしての「must」に安田さんが苦しむことがないといいな。

安田さん、好きになってからずっと変わらない気持ちで応援させてくれてありがとう。安田さんを見るたびに好きになって良かったなって思います。私はこの前色付きの眼鏡を買ったよ、お気に入りです。安田さん、人生めちゃくちゃ楽しんで生きてやろうな!私は君のことを何にも知らないかもしれないけど、君が誰かの役に立ちたいように、私もあなたの役に立ちたいです。支え合うのに難しい距離だけど、いつもあなたに幸せでいてほしいし、そのために私も幸せでいるよ。はやく会いたいね、また夏に会おうね。


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