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夕暮れが連れてくる感情の名前

私が普段撮る写真は、圧倒的に夕暮れ時や夜が多い。

夕暮れは私の心を惹く。

仕事終わりの疲れた顔をした人、放課後を楽しむ学生

たくさんの靴音、私の脇を通り過ぎる自転車

家々の隙間から差し込む光、それによって生まれる影

何処からか香ってくる晩ごはんのにおい、夕暮れのにおい。

人、音、光、影、におい、全部ひっくるめて好きなはずなのに
夕暮れは私に、別の気持ちも一緒に抱かせる。

この感情は「寂しい」と形容されるものに似ている。

けれど、「寂しい」という言葉は、この感情の名前にふさわしくないような気がしてならない。

何故なら、「綺麗だ」と思った瞬間であったり、「忘れたくない」と思うからこそシャッターを切るのに、「寂しい」に行き着くのはどうも納得がいかないのだ。

この感情の名前は分からないけれど、私はシャッターを切り続ける。

きっとこの先も夕暮れが好きで、
それと同じくらいこの不思議な感情も愛して、
そしていつかこの感情の名前を見つけたい。

そんなことを思いながら、今日も街を歩く。

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