【lyric】拝啓、夜さん

朝を食べてしまえたら
なんてうれしいことでしょう
だけれども ぼくじゃ小さすぎて
きっと無理があるんだ

夜の息が澄んで ぼくは泣いた

黒い空と海 沈む言葉たち
こんな歌も 星になるの?
海辺の広場には 誰かの忘れ物
きみもぼくも同じ 世界に置いてかれた

夢も見れないし 音も抱けないし
きみも消えちゃうし 夜が居場所なのに……

朝に消えてしまえたら
なんてうれしいことでしょう
だけれども ぼくはここにいて
ずっと影を見るんだ

夜の街に溶けて 星を盗った

ゆらゆらホコリ ふらふらぽつり
そうやって歌も 星になるの
古い公園の 寂れたベンチ
影が伸びていた こんな夜なのに

夢も見れないし 音も抱けないし
きみも消えちゃうし 星はきれいだけど……

きみの声を抱けたなら
なんてうれしいことでしょう
だけれども ぼくは掴めなくて
スッとすり抜けるんだ

夜の闇も黒い影も
全部まるごと吐き出して
だけれども ぼくら変われなくて
きっと夢になるんだ

夜の闇が消えて ぼくは泣いた
朝の光 涙ひとつ散った

by 秋

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