バイト先の人がパワハラが原因で辞めた

詳しいことは書かないけれど、パワハラをされていた人はすごく優しい人だった。
その人は正社員だった。

大学生の私には正直、正社員の事情はわからない。
どういうことが強めに怒られても仕方のないことであるとか、こういうことを言われるのは単なる理不尽であるとか、判断できない。
だけど、話を聞いて、それが絵に描いたような王道すぎるパワハラだったから、パワハラを受けていたという事実だけはわかった。
その事実は、私にとってかなりショックなものだった。
こんなに優しい人に、なんてことしてくれてんだって思った。

どうして人格までも否定するのか、どうして必要以上に攻撃的な言葉遣いをするのか、まるで訳が分からない。
身近でそういうことを言う人がいること、言われた人がいることが、ただただ悲しい。
パワハラされた人は、静かに去っていく。
優しい人だから、あとを濁さず去っていく。
私には力がないから、何をしてあげることもできない。
パワハラをした人を止める力も当然ない。
また同じことが繰り返されていくと思うと、やりきれない気持ちになる。

私は勝手に、社会にちょっと絶望した。
こんな身近にパワハラをする大人がいるのだから、そういう大人は珍しくないのかもしれないと察してしまった。
気づきたくなかったかもしれない。
社会に飛び込む瞬間は着々と迫ってきている。
いつか自分もパワハラされる日が来たりするのかなと思った。
というか逆に、避けられることがあるのだろうか。
少なくとも一度は経験しなければいけないものなのだろうか。
そうやって、染まっていってしまうのだろうか。
理不尽を、仕方のないものとして受け入れていくのだろうか。
いつか、明るく振舞いながらわかりやすく闇を抱えたりするのだろうか。
いや、私はあの人みたいに明るく振舞えないかもしれない。

一緒に働けて嬉しかった
けど、私が何も知らない間にもパワハラに苦しみ続けていたことは、すごく悔しい、悲しい。
これから先、少しでも良いことが待っているといいな
言われたたくさんの辛い言葉を記憶から消すのは難しいけれど、少しでも薄める助けになるようないい出会いにたくさん恵まれてほしい。



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