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不妊鍼灸治療の施術法「気のリンク」感覚編

不妊鍼灸治療は効果がないのでは??と思っておられる方もいると思います。

しかし、今では不妊クリニックに不妊鍼灸を併設しているところも増えていることから、効果があると考えられているのではないでしょうか。

不妊鍼灸が妊活の一助になる機会が増えていることは、一鍼灸師として大変嬉しいことですが、それに応えられるように治療効果の向上に励まないとだめだという気持ちにもなります。


そこで今回、更なる飛躍を目指すために私の不妊鍼灸治療についてまてめてみたいと思います。


鍼灸治療には大きく分けて二つのアプローチがあります。

一つは、西洋医学的な考え方です。 

これは、解剖学を基本に筋肉や神経、子宮や卵巣その他の内蔵などに注目して施術をする方法です。

もう一つは、東洋医学的な考え方です。

これは、先天の気(人が生まれるまでの気)と後天の気(人が生まれてから後に取り入れる気)に注目して施術をする方法です。


私は主に後者の考え方で施術を行っています。

ただ、私の場合は「気」に対しての感覚が少々独特かもしれません。

どういうことかと言うと、施術をする際に「気」を意識すると患者さんから受ける気が出現するのです。


わかりやすいように例を挙げると、患者さんが施術ベットで仰向けになり、私がその横で問診をするために立っていると、私の体の一部分に違和感が伝わってきます。

それは一か所の場合もあれば、複数個所の場合もあります。

一か所の場合はその場所を、複数ある場合にはもっとも強く違和感があるところを患者さんに尋ねるようにしています。

仮に私の右ひざに違和感があるときに、患者さんに右ひざが痛くないか?ピリピリしていないか?

過去に手術や大きなケガをしていないか?

など、異常がないかもしくはなかったか尋ねると、大抵何かしらの症状がある、もしくはあったと返事が返ってきます。

この現象はひざに限らず、首や肩、腰、胃や腎臓など様々なところに現れます。

この現象のことを私は勝手に「気のリンク」と名前を付けることにしました。


そもそも、ここにたどり着く前は、私は施術を行う前に、患者さんから感じる違和感を意識することなく施術をしていました。

しかし、患者さんの横に立つと今までなかった感覚を感じたり、別の患者さんを診るとさっきとは違う場所に違和感が出てきたりすることが分かり始めると、それを意識するようになりました。

意識を「気」に向けて考えたときに、体と体の間に境界線はなく、感覚は自由に通過し、患者さんから発する「気」を感じ取っているのではないかと考えるようになりました。


それからは施術をする際に、私が受ける違和感を患者さんに伝えることにしました。

最初はこの仮説が当たっているのか疑心暗鬼でしたが、私の違和感と患者さんがかかえるなんらかの症状の場所が概ね一致することが分かってきたのです。

そして、その場所が体の中でもっとも不調を主張しているところ、すなわち「気」が滞っている場所と考えて治療方針を立てることにしました。


私の治療目的は不妊解消です。

不妊の方の多くは体が冷えています。この冷えは気の流れが滞っているからで、気の流れを良くすることは大切なことです。

「気のリンク」の発見は施術をする時にとても役に立つようになりました。


施術は刺さない鍼(てい鍼)と灸を使います。

鍼は皮ふに当てずにかざすだけの施術をします。

刺さない鍼施術については、別の機会に触れることにします。


気の流れを良くするために、ツボに鍼や灸をしていきます。。

ツボとは、体の異常があらわれる反応点で体の内部を良くする治療点になります。一般的にWHOが定めた360個のツボから選択します。

しかし、私の場合は患者さんから受ける違和感から場所を決めます。

今度は先ほどと違って私だけにある違和感になります。

患者さんには私が感じる違和感の場所に症状はありません。

この場所を見つけてささ刺さない鍼をします。

その場所に鍼をすると痛みやこりなどの症状があったところが消滅したり減少します。

これは気の流れが良くなって、滞りが解消されたサインだと考えています。


「気のリンク」は映像として出てくることもあります。

これに関しては、ツイッターでつぶやいていきたいと思います。


今回、私自身が不妊鍼灸治療について再度考察しようと思い立ち、このように記事にしたわけですが、これを読んだ方はどんな印象を持ったでしょうか?

鍼灸は西洋医学と比べてエビデンスが少ないゆえに謎がおおく、うさんくささや怪しいものとして見られることがしばしばありますが、それを増幅させてしまってはいないか心配になります。


気のリンクはなぜ起こるのか分かりません。そもそもこれは私の勝手な思い込みによって作られたものと思われるかもしれません。

しかし、私だけが受ける違和感の場所に鍼をすると、患者さんと共通する違和感の場所の状態が変化することは事実で、気のリンクは存在していると考えるに至りました。


これからも不妊で悩んでいる方の一助になれるように「気」と向き合っていきたいと考えています。

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