マガジンのカバー画像

シメージ:ある夏の印象

26
ぶきような作品集。毎月15日・25日に更新します。 ※『nice meeting you』冊子版の購入特典と同内容です。冊子版をご購入されたかたは下記URLにお進みいただき、冊…
シメージとはなにか、わたしにもわかりません。わからないけれども書かないといけないようなもののような…
¥500
運営しているクリエイター

#小説

(最終回)025-惑星で贖う

 シフト終わりに廃棄間近のカフェ・オ・レを買って店舗から出ると、むわ、と熱気が顔に押し寄…

100
2

凪の鱗

 朝目がさめると、人間に戻れたような気がして安心する。  裸身に擦れるシーツに籠った平熱…

100
3

013-凪の鱗(7)

 電車は空席が多いようにみえて窓がわの席がすべて埋まっているから満席で、安曇とわたしはド…

012-凪の鱗(6)

「もう、あんただけになったよ」 「なにが?」 「寝た女」

011-凪の鱗(5)

 黒ずくめの安曇と向かいあって座り、紙をラミネートして左上をリングで留めているだけの簡易…

008-凪の鱗(4)

 瞼がぱっとひらいて、目がさめたのだ、と気がついた。常夜灯の、なにも明らかにしない夕陽に…

006-凪の鱗(3)

 入ったときとおなじようにアルコールを噴霧されてから安曇と食堂を出る。身を守るためのあの霧をなるべく吸いこまないようにつけているのに、除菌のあとはアルコールのにおいのせいであたまのなかの一点が千枚通しで刺されるみたいにかんと痛くなり、その痛みは血流にのってじわじわと全身に分散していく。この日々がはじまってからいつでも酔っぱらっているような心地だった。 「こっちは陽が暮れるまで図書館にいるけど、あんたは?」

004-凪の鱗(2)

 電話をかけると三回めのコールの途中で、もしもし、と通信機器を通したときの機械じみた声で…

002-凪の鱗(1)

 朝目がさめると、人間に戻れたような気がして安心する。  裸身に擦れるシーツに籠った平熱…