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BRAUN製品

 私の部屋には大きくて見やすい時計を置いていない。理由はいくつかあったような気がするけれど、ちょっといまそれをひねり出すのに脳みそを使いたくないのでスキップしておいて、ひとつだけあげるとすると、好ましいデザインのものになかなか出合えないから、というのがある。
 時計ほしいな、必要だな、とはおもうんだけれど、なんとなくどれも、部屋にあるのを想像したところでウーンと唸ってやめてしまう。いま部屋にあるのは、文字盤が手のひらくらいのものがひとつだけ。DULTONのアラームクロック(イエロー)で、秒針から音がしないし、デザインがうるさくなくていい。でも小さい。

 ちょっと前にいいなとおもう壁掛け時計があった。BRAUN製のウォールクロック 『BC06』というモデルだった。
 これにはフレームもガラスもなく、ディッシュプレートみたいなのに数字と針がくっついている、そんなふうなデザイン。カラーは白と黒があって、数字や針の色はそれぞれ反転の色をしている。単三電池1本で動く、安価な時計だ。
 これはいい、黒を買おう、とおもったところでいくつかレビューなどを読んでみると、時間がずれるというのがあった。
 デザインは気に入ったし、値段の手ごろさもよかったけれど、それはつまりつくりが簡素であることを示している。アッと気づいたらすぐ時間を合わせられる気軽さがあるとはいっても、しょっちゅうだと面倒だな、とおもってしまった。
 そんなこといって電波ソーラーのごてごてしたのなんか部屋に置く気がないくせに、何かというと優柔不断な私はこの時計をまだ購入できていない。というか、すぐ忘れて何かのときに「ああ、時計がほしいな」とおもう、そんなことを繰り返しているだけなんだけど。

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 ついさっき、情報系のウェブサイトをみていたらBRAUN製の電卓が復刻するという記事をみつけた。
 BRAUNの電卓といったら柳宗理氏のエッセイにあったのをおもいだした。ずいぶん昔の文章で、氏はその製品をとても褒めていた。そしてそれを読んですぐにその電卓がほしくなった。仕事で使う事務用の電卓にしたい、そうおもって探したけれど買えなかったのだ。電卓はCASIOのJS-20WKA(BK)にした。

 今日みつけたその記事で知ったのだけど、iPhoneの電卓アプリはその復刻で発売されるBRAUN製電卓に着想を得てデザインされているらしい。
 トップ画像に使ったのがその電卓で、柳宗理氏の本に掲載されているもの。

 BRAUN製電卓『BNE001BK』の価格は6,600円、CASIOのより安い(性能がぜんぜん違うけど)し、持ち運びもしやすそうな手のひらサイズだ。そしてほしいとおもっていたウォールクロック 『BC06』と同額である。
 もうあれこれ考えずどっちもいっぺんに買うといいかもしれない。

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今日の「おニュー」:noteで♡をタップしてもらったときに表示する画像を、すごく久しぶりに全とっかえしました。

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