喫茶店百景-休息の場所としての喫茶店-
カウンターに座るようなお客さんはほとんどが常連で、店が立て込んでなければコーヒーを飲みながら父や母との会話をたのしんでいた。お客さんの邪魔にならなければ、私もそこに加わる。まあ学校が終ってからの時間はそう混まないのでだいたいカウンターに座る。
近所で大学生向けのアパートを経営していたMDさんの奥さんも、買い物のついでにほとんど毎日来店した。MDさんは喫煙者なのでコーヒーを飲みながらたばこを吸うけれど、会話から家では吸わない人だった。つまり旦那さんには内緒にしていた。