我慢している時は気付かない

我慢：辛い事を耐え忍ぶこと。

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辛い時に辛いと言えたらいいよね。
私は言えなかった。

というか、我慢している事に気付かなかった。
気付こうとしていなかった。

とある施設に看護師として入職した私は、
漸く仕事を覚えた頃 ひとりにされた。

ただえさえバタバタと看護師が辞めていった後、
看護師リーダーの職場内不倫がバレて突然退職。
『明日から◯◯さん、いないから宜しくね』
休日、出掛けていた私に総主任から連絡が入った。
『私も助けるから大丈夫』
と言った総主任は、蓋を開けると何の役にも立たない。
カルテ記入はミスばかり。薬は間違える。
勤務表も組めない。暇さえあれば煙草休憩。

朝8時前に出勤し、21時頃に帰宅。
帰宅後もオンコールがあるため携帯を握りしめて過ごす。
風呂にもトイレにも携帯。
寝る時は音量最大で抱きしめて寝る。
全然身体が休まらなかった。

総主任がオンコール当番してくれる事もあったけれど、
急変があれば結局私も呼ばれていたし(当番とは？)
介護職員は言いやすいためか結局私に連絡してくる。
この頃の私は『頼られてるし頑張らなくちゃ』って
常に考えてて、狂ってたと思う。

いつでも連絡してきてね、って口癖のように言ってた。
オンコール手当200円とかだったのに。

入職してくる人は変な人ばっかり。

希望休9個も出したくせに４連勤すら嫌だとキレて、
入職したてで有休も無いため、
欠勤でも良ければ休む？と聞けば
どうして私が欠勤になるんだと責め立て、
散々勤務表を作り直しさせたあげくに辞めた人。

おむつ交換が壊滅的に下手くそで、指導したら泣いた人。
慣れるまでゆっくり頑張って欲しかったのに翌日辞めた。

何回注意しても夜勤中 廊下で大声出して電話する人は、
最終的に保険証を叩きつけて辞めていった。逆ギレかよ。

長時間労働に加えて変態看護師達の相手も私に丸投げ。
本当に疲れてる事も分からなくなっていた。

円形脱毛もなったし、血尿も出た。
常に胃がキリキリして薬ばっかり飲んでたし、
ストレスで突発性難聴にもなった。

それでも私は
『私がいなきゃ駄目だ』
って気持ちに支配されていた。

そんな事ないのに。


『私が頑張れば良い』
それこそ無理して我慢してたんだと思う。

周りの心配もアドバイスも耳に入らなかった。
身体も心も悲鳴をあげていたのに、
どうして私は気付かなかったんだろう？

そんな日々が突然終わった。
詳しくは書けないけど、退職させられた。
本当に突然。

しばらくは気持ちの整理がつかなかったけど
気がつくと私は"幸せ"だった。

私の代わりに怒ってくれる人がたくさんいた。
泣いてくれる人もいた。
職場は一時期無茶苦茶になったみたいだけど
少しずつ落ち着いていったようだ。

本当に、もっと早く逃げても良かったんだ。

我慢なんてしなくていい。
私じゃないと駄目な仕事なんてない。
私だけが頑張るなんて、おかしかった。

そう思えるようになった。

我慢するくらいなら、逃げればいい。
逃げた先に幸せがあるかもしれないから。

#我慢に代わる私の選択肢