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マンガ「のこのこ」感想文:情報を出し惜しみしない濃密怪異ミステリ

ネタバレなしで面白さを綴ります。

https://ddnavi.com/serial/nokonoko/

このマンガの1番ゾッとするところは、日常の延長線上にさりげなく鎮座する怪異だと思います。主人公「の子」が独白で描写する世界観が、大抵の場合怪異に満ちていると気づけるのは読者だけなのです。

さりげない世間話をするのがとんでもない人外だったりなのですから、このマンガの世界はとにかく異常さに満ちています。
それも大きな異常ではなく、小さな異常が積み重なった結果大きくなるので、話が進行するほどに目が離せなくなっていきます。

読むほどに不安が積み重なっていくのに、最後には収まるところに収まる。作者の明治カナ子氏の描写力には舌を巻くばかりです。なんと全2巻で描き切るのですから…。

この2冊を読み終えて、こんなに日本文化を下敷にした上で日常と怪異が伺えるコンパクトなマンガは滅多にないだろうな、と思いました。

作者の明治カナ子氏の作品との出会いはこのマンガでしたが、独特の世界観に衝撃を受けました。またどれも巻数が少ないのでかさばらない(?)のも魅力です。それでいて一つ一つのエピソードに情報が凝縮されていて、一冊だけでも満足なのに、もう一冊ある!と楽しみが増えて、マンガってイイナ〜と思える作品です。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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