エニアグラムのエの字(仮称)

この度、エニアグラムの解説noteを設立しました。筆者はエニアグラムをはじめとした性格類型論をわざわざ意識して他者に適応し考えようとしないという方針を取っているため、参考にする範囲としては、自己分析、学習の基礎づくりのための芸能人や身の回りの人物のタイプ判定、キャラクター判定においてくらいがよろしいかと思われます。逆に身近な人間関係の改善という意味では参考にならない可能性があります。了承の上読んで頂くようお願い致します。

今回はエニアグラム学習の基本的な態度についての解説です。

当たり前のことしか書いていませんが、常に意識しておくとよいと思います。ここではエニアグラムについて書いていますが、MBTIなどその他の性格類型論でも同様のことが言えます。


■エニアグラムを他者否定のために用いない

当たり前のことですが、他者理解のためのツールであるエニアグラムを他者否定のために用いないよう気をつけましょう。自分も過去にやってしまったり、実際に目にしたりした事柄としては次のようなことがあります。

・自分が苦手な特定の人物をそのタイプの代表例として扱い、そのタイプ全般がその人物のような言動を取ると主張する

・ある人物の誉められない言動をその人のタイプの根本的な特性からくるものとして直接紐付けて言及する

・状況を実際よりも広く、程度を強く取り扱って特定のタイプについて言及する(不適当な言い切りをする)

OK例:「不信感を持ったり裏切られたと感じたりしたとき、必要な情報伝達をしないなどの行動をわざと取るタイプ6もいる」
NG例:「退行したタイプ6は試し行動やあえてチームの輪を乱す行動を取るものだ」(と言い切る)

・自分は特定のタイプの全てと相性が悪いと断定する

・自分のタイプを過剰に卑下する(ざっくり人口の9分の1程度があなたと同じタイプです!)

往々にして、エニアグラムを誰かを否定するための手法として用いようというマインドがあると、それが言葉の使い方として反映されて不適当な言い回しが出力されるものです。まずなによりそういった意識を変えることが大切です。まさしくそういった意識を変えるためにエニアグラムなどの性格類型論があるわけですから。

その次の段階として、言葉の範囲が正確かどうかしっかりと意識することが大切だと言えます。安易に言い切らず、適切な言葉の範囲を見極めたいですね。


■基礎知識をないがしろにしない(否定するときは根拠を用意する)

基本的には、有力な研究者(エニアグラムならばドン・リチャード・リソなど)や公式団体があればその考えに従うか、それが嫌なのであればそれとは別物として切り離して考え、情報発信する際はそれを明記しましょう。

性格類型論の学習者同士の意見交換の場には、SNSなどがよく用いられます。「情報発信」とは何もブログや動画に限った話ではなく、SNSに関しても言えることです。もし情報発信に自信がないのであればそれをプロフィール欄に記入するなどの工夫があるといいかもしれません。堅苦しさを外してゆるっと考えるのも学習には大切なことです。そうしていることが伝わるよう一言加えたりするといいかもしれませんね。

必ずしも有力な研究者や公式の見解に従う必要はありませんが、それに従わない理由は自分の中だけでも必ず持っておきましょう。

もしそれに従わない見解を情報発信するのであれば根拠を明確に伝えられるように整理してからのほうがよいでしょう。学習者同士で理解を深め合う側面の強い分野ですから、他の学習者の理解のノイズになる発言はできるだけ避けるべきです。

個人的な考え方ではリソらの考え方にも不十分な点や偏りなどがあり、私自身全てを肯定しているわけではありません。批判的な情報発信をする際は個人的な感想と明記するか、なぜ肯定できないかを自分なりに説明するようにしています。

時々聞くのはタイプは意志の力で変えられるという考え方ですが、基本的にはエニアグラムもMBTIもこれを否定しています。仮にこういった考え方について情報発信するのであればそれなりの根拠を用意しておくべきです。

(共同研究者のレニーバロンとエリザベスウェイゲルは、自身を幼少期とそれ以降とでエニアグラムタイプが変化したと主張していますが、研究者の中では非常に珍しい主張と言えます。氏らも意志の力で変えられるとは主張していません)

根拠を用意すべきと考える理由は、根本的な前提が異なれば、その上に積み重なる全てが全く別物になる可能性があるからです。個々の事柄は見かけ上似ていて同じように取り扱えるかもしれませんが、それ故に弊害は大きいと考えます。

研究者があまり言及していない派生的な知識ならともかく、多くの研究者が前提にする基礎的な知識に関して、根拠を用意せずなんとなく否定することは、性格類型論それ自体に対する敬意を欠いていると取られても仕方がありません。学習者の混乱を招くため望ましくない態度ですから注意しましょう。もちろん、明確な根拠を用意して反論することは性格類型論に対して真摯な態度です。


今回の解説は以上です。私はエニアグラムをキャラ分析などのお遊びで使っていたりもするのですが、こういった態度を常に忘れないようにしています。あるいは実在の人物とは切り離してもらうように一言明記しています。

次回以降も解説記事を上げていきたいと思いますので、取り上げて欲しいテーマや感想などがございましたら、コメントを頂けるととても嬉しいです。





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