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人生100年時代への船出

「介護という営みはいま生まれた」

「介護」という言葉が日常生活で使われはじめたのはそんなに昔ではありません。
多くの人が長生きするようになって介護という営みが生まれました。
明治のころ、俳人・歌人として有名だった正岡子規の遺した文章の中には「看病人」とあります。

「100年人生にふさわしい人格の築き方」

100年を生きるのにふさわしい人格をどう築いていくのか。
50代、60代と心身の衰退を伴いつつ生きているかぎり、加齢を成長の糧として生きる、そのくらいの覚悟が必要と思うようなりました。
まず大切なことは、現状をきちんと認識することからです。
何が変わったか、どんな変化を受け入れなければならないか、変わらないもの、変えてはいけないもの何かを峻別する。
家族についていえば、「長期化」と「構造的変化」です。
長くなった人生に耐えて家族を営んでいくのは大変です。

「親と子の強者・弱者の関係変化」

親と子の間には強者と弱者の立場がはっきりしていて弱者である子を強者である親が養う。
ある日物心とともに変容した親を、強者の立場である子が養うというのが親子関係でした。
「子どもは老いた親を労れ、老いては子に従え」

ところが、親も子も壮年中年期が延びて親子の強弱関係が曖昧になりました。
親と子、どちらも強い時期が長くなったのです。
昔は50代で仕事を引退していましたが、今では65歳定年になりました。70歳まではまだ元気で壮年のつもりでいます、子供にとってはある種迷惑な話です。
「子には一定の距離をおいて敬意を払いながら」
まず親の側として。
大人になった子供に対しては、大人として接し、一定のリスペクト(敬意)を払うこと。
昔は隠居すると、息子(跡取り)に対して一家の主として敬意を払う、という秩序があったようです。
それが「老いては子に従え」という伝統的格言。

「今どきそんなことできるか」というのが私たち世代。
しかし子に一定の距離を置き、敬意を払っておくと、子が結婚したとき配偶者との関係もスムーズにいくようです。

「肝心かなめ人間関係の紡ぎかた」

まず聞くことから始まる。

人間関係はなぜ大切か、それは人とのコミュニケーションが生まれるからです。
人間にとって食欲と性欲は本能的な欲求といわれますが、私は人間にとってコミュニケーション欲求はそれなどと比べても差し支えない欲求だと思います。
人間関係のつくりかたに上手下手があるのは確かです。

人間関係の基本は「聞き上手」と「信頼」

人間関係の基本は聞き上手だと思います。
じっくりと相手の話を聞いて、対応して無理な注文には応じない、できない事ははっきり断る。
何かの役割を果たせそうなら協力する、そうやって信頼関係を築いていきましょう。

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