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フィンランド語コースのオンライン試験レポ【ペーパーテストMoodle編】

(2020年4月25日時点の記事です。)

さて、前回のブログの続きになりますが、フィンランド語コース(中級2)の最終試験がオンライン上で実施されたので体験レポを残しておきます。

前編ではZOOMを使ったスピーキングテストの様子を紹介しましたが、今回の後編はMoodleを使ったペーパーテスト(リスニング・リーディング・ライティング)のレポートになります!

前回の記事はこちら->


まず試験形態のおさらいですが、通常の最終試験の構成は①スピーキングテストと②ペーパーテスト(リスニング・リーディング・ライティング)で、それぞれ別日で実施されます。

・スピーキングテスト:3~5人の小グループで決められた時間に部屋に入室し、先生からのお題に合わせて生徒間で会話をする(約30分)

・ペーパーテスト:全員が決められた時間にテスト部屋に入室し、2時間で問題を解く(早く終われば30分経過したら途中退室可)


今回はすべてオンラインでの実施ということで、スピーキングテストはZOOMを使って行いました。

ということで、今からペーパーテストの実施について紹介していきます。


②ペーパーテスト

ツールはMoodleを使用しました。
以前、大学院の授業がオンライン化した直後のブログでMoodleの使用例を少し説明しましたが(記事:大学もオンライン授業に切り替わりました①)、生徒番号とパスワードでログインすると、まず履修しているクラスが一覧できるようになっています。今回はそこに新たな最終試験用のページが追加されていました。

このオレンジの枠がテスト用に新設されたページです。

画像1


ここをクリックすると、次の画面になります。

画像2

このオレンジの枠が実際のテストのページになっていますが、開放されている時間内しか入ることができないようになっています。

今回は4月24日(金)の8:30~11:00の間のみ入室可能に設定されていたので、各自間に合うように好きな時間にリンクに入り、90分試験を受けました。

ちなみに真ん中のインストラクションをクリックすると、次のような画面が現れ、テスト中の注意点やトラブルが発生したときの対処法を読むことができました。

画像3

主な注意点として次のことが記載されていました:

・回答はすべて自動保存されます
・回答時間を過ぎた場合には、その時点の回答が自動保存され提出されます
・回答時間内であればセクションを何度でも行き来し、回答を変更することができます
・トラブルがあればメールで先生に連絡してください

画像には映っていませんが、最後に追伸で「途中ブラウザを切らないように」という注意もありました。これを事前に読んでおけばテスト問題に関すること以外はスムーズにいけるかな、という印象でした。


さて、肝心なテストですが、全部で7セクションあり、次のようなタイプの問題がありました。

・リスニング問題
・穴埋め問題
・選択問題
・正誤選択問題
・読解問題
・記述式問題(短文・長文)

テストということでスクリーンショットは撮っていませんが、それぞれ大まかな特徴とやってみた感想を書いてみます。

リスニングテスト:1分弱のオーディオがあり、何度でも再生・巻き戻しができる。問題に関する回答はテキスト入力欄に打ち込む
→オーディオが何度も再生できるのはよかった。選択式問題なら2回くらい聞けば十分だと思うが、今回はリスニング内容に関する記述式だったので、何度も聞ける方がありがたかった。本番の試験のように再生は2回まで、など制限すべきでは?という声もありそうだが、リスニングは何度聞いたところでわからないものはわからないので、別にそこは自由に聞ける設定でも問題ないのではないかと個人的に思う。たくさん聞けばその分時間もなくなるから個人の責任。


穴埋め問題:文章の途中にテキスト入力欄があるので、そこに正しい答えを打ち込む
→この手のタイプの問題はペーパーと何ら変わりなくできると思う。


選択問題:文章の続きに当てはまるものをプルダウンから選ぶ。
→今回の問題では6つの文章(1つのストーリー)の末尾の部分をそれぞれ選択する内容だったが、それぞれのプルダウンが同じ選択肢を表示していたので(全く同じ選択肢のプルダウンが6個ある感じ)、1このプルダウンにつき選択肢が10個くらいあって見づらかった。また、全て文末の選択というのも気になった。Moodleのテスト機能的に、TOEICのPart6の問題みたいに文中の穴埋めで適切なものを選択するような設定はできないのだろうか、と疑問に思った。


正誤選択・読解問題:テキストを読んで、内容が正しいかどうかをテキスト入力欄にて回答。
→テキスト欄に問題ごとのTrue/Falseを自分で書く方式だったけど、これはおそらくプルダウンかラジオボタンで選択できるような仕組みはありそうな気がする。もしかしたら、記述式問題も同時にあったためテキスト入力方式にしたのかも。パソコン上でのリーディングに関しては、今回そこまで文章が長くないため苦ではなかったが、かなりの長文になってくるとむずかしいと思う。特に紙みたいに書き込みができないから、英検の最後の長文問題みたいなのをデジタルでやると結構辛い。実際、GTECをパソコンで受けたときもきつかった。


記述式問題:お題に合わせてライティングをする。
→これもペーパーと同じか、むしろタイピングの方が早いし、途中で文章入れたいときにも消しゴムで消し直さなくてもいいから楽にできた。タイピングが苦手な人はタイムロスになって厳しいかもしれないが…


画像がなくて分かりにくいかもしれませんが、試験内容はこんな感じでした。

少しだけ困ったのが、【試験の内容の意味がいまいちわからない】ときでした。読んでみてAともとれるしBともとれるような曖昧な文ってたまにありますよね。そういうときはいつもすぐに先生に確認するのですが、今回はそれができませんでした。

もしかしたらテスト中はZOOMを繋いでおいて、先生が生徒をモニターしつつ、生徒は質問があれば「手を挙げるボタン」を押して個別チャットで先生に質問する、とかできればどっちも安心できるかもしれません。


またオンライン試験で一番懸念されるのが、「オンラインでテストするとカンニングできるのではないか」という点ではないでしょうか?

この点に関しては、適切な問題量と時間設定を考えて、全部終わらせるためには検索している暇はない!という状態にしてしまえばある程度制御できると思います。

実際に私はクラスの中でも結構勉強している方ですが、それでも試験は簡単でなく90分フルに使いました。途中単語の意味を調べたい衝動に駆られましたが、理性が勝ったのと単に時間がなくてカンニングはしていません。この「時間を全部使ってやっと終わらせる程度」の問題の難易度や問題数の設定はさすが先生だなあと関心しました。

もしくは、調べながら解いてもOKなことにして(よくあるテキスト持ち込み可のテストみたいな)、検索しても答えが見つからないようなタイプの問題もよいと思います。最近は大学入試の問題が従来のマーク式ではなく、思考力を使った記述式に移行していることもありますし、知識の暗記型ではなく活用する型のテストにすればオンライン上でも実施は可能だと思います。

また今回のような語学系の授業なら、すでに英語系の試験でCBT(Computer based test)の活用も進んでいるので、それらを参考にすればなよりオンラインテストは実施しやすそう。


以上、フィンランド語コースのオンライン試験レポでした!
今後コロナが長引いて、大学の試験が実施できずにオンラインで作成・運営しないといけない!ということもなりかねないので、そんなときに参考になれば幸いです。

より多くの人に教育的な課題について考えてもらえるよう、研究・執筆を続けていきたいと思っています。ぜひサポートしていただけると嬉しいです!