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オンライン授業で気をつけること(前編)【生徒としての体験談】

今回のテーマは「オンライン授業で困ったこと」です。私の生徒としての体験談や他の経験者から聞いた話をもとにをまとめていきます。

どんな風に生徒が感じているのかを把握することで、実際の授業でどんな工夫をすればいいか、ヒントが見えてくると思います。


オンラインでの授業は、やはり対面での授業と違ってコミュニケーションが制限されるため、通常のクラスとは違った問題が発生してしまいます。先生が一方的に授業を配信して生徒が視聴するタイプのオンライン授業もありますが、今回はZOOMなどのビデオ会議ツールを利用した相互型のディスカッションやペアワーク(アクティブラーニング)の際に発生しがちな問題について考えていきます。

大きく分けると、

①技術的な問題

②コミュニケーションの問題

の二つが挙げられます。


どちらのトラブルも思い当たる節があれこれ…ということで、ここからは実際に私が困ったことや同じくオンライン授業を受けた人の体験談を紹介したいと思います。


①技術的な問題

技術的なトラブルの例としては、参加者がそのツールの使い方をいまいちわかっていなかったり、ミーティングに入室できないことで、授業がもたついてしまうことがありました。

特にパソコンが勝手にアップデートしたことでアプリが起動できなかったり、例えばZOOMだとアプリをダウンロードしないとリンクをクリックするだけで入室できないなどの問題がありました。

友人の話ですが、フィンランド語コースでのZOOMを使ったスピーキングテスト当日に、パソコンの自動アップデートが原因でリンクからミーティングに入室できなくなったことがありました。

幸いグループチャットがあったのでそこで他の友人に状況を説明し、先生に伝えてもらうことで少し待ってもらってなんとか参加できたそう。

【こんなトラブルを回避するためにも、特にセミナー等で講師と生徒がオンライン上ではじめて会うような場合には、ビデオ会議ツール以外でもすぐに連絡が取れる手段(LINEとか)を用意しておくことをおすすめします!】

あとよくあるのが、参加者がイヤフォンやヘッドホンをつけずにスピーカー出力で話してしまい、エコーがかかって何言ってるかわからなかったり、二重に聞こえてうるさかったりすることです。

また、大人数での参加の時にマイクをミュートにしていないと、生活音が入ってきたり音が二重になったりして進行の妨げになります。

【そのため、参加者にはイヤフォンの装着を促し、先生が全員をミュート設定にして発言者のみミュートを解除して会話するようにすれば、スムーズに会議ができます。】


そしてそもそも論として、通信が悪くて会話にならないということがよくあります。
これは物理的な問題なので解決しづらいですが、Wifiの電波をよりキャッチできるよう、ルーターに近い部屋でミーティングに参加したり、不要な通信機器の接続を外したりすることで少し改善します。

もしくは、ビデオをオフにすれば音声は聞こえるのに画像がかくかくして(遅れて)イライラするということはなくなるでしょう。先生側で一旦全員のビデオを切ることもできます。


②コミュニケーションの問題

これに関しては、よくあるのが他のメンバーが何を考えているかがわかりにくい、発言するタイミングがわからない、ディスカッションやペアワークの進め方がわからないということです。

大学での講義やセミナー、研修、語学学習の授業でも学習者同士で話し合ったり、一緒にペアワークしたりするシーンはあると思います。実際にやってみたことがある人は想像できると思いますが、対面の状態であってもスムーズにいかないことがありますよね。


特に参加者同士が初対面だったりあまり話したことがない人だと、「この人はどんな人だろう?どう一緒にすすめたらスムーズにいくかな?自分がリードした方がいいのか、それとも向こうが進めたいかな?」といろいろ考えたりして、授業の内容よりも進め方のほうに気を取られてしまうこともあります。

他人と学び合うことがまず簡単ではないのに、オンライン上という環境ならなおさら難しいはずですよね。ビデオをオフにすると、顔が見えないことでますます相手の考えがわからないなんてこともあります。(特に喋り方がぶっきらぼうな人だと、あれ?この人怒ってるかな?とか思ってしまいます。顔が見えない状態だと余計に怖い。。)

そして話すタイミングがわからないというのも、参加者がビデオを非表示にしていて顔が見えなかったり、表示していても対面でのディスカッションのように聞き手に顔を向けて話すことができないので、誰が誰に話しかけているかがわかりづらいような状態がよくあります。その結果、いつ自分が発言してよいのかがわからず、どんどん授業が進んでいってしまうこともしばしば…


またグループでの学習の進め方においては、そもそもの問題として何をしていいかわからなくて困ってしまう、ということもあります。そんなときグループメンバーの誰かが引っ張ってくれれば助かるのですが、みんなが積極的というわけでもないので、結局よくわかんないままなあなあにすすめて雑談で終わってしまう。ということもありました。


ざっと挙げただけでもこのようなトラブルやフラストレーションがあります。
こういった環境では、なおさら先生のファシリテートが重要になってくることは間違いないですよね!

これをふまえて、オンライン授業を行う上で絶対にしてはいけないことは、生徒にディスカッションを丸投げすることだと思っています。


今回挙げたような問題(特にコミュニケーションの問題)を緩和する方法が【スクリプト(授業案)】の導入です。

長くなってしまったので、この話は次の記事に書こうと思います!
(協同学習をテーマに大学院で実際に学んだ中で、いいなと思った理論やアプローチを簡単にまとめて紹介しますのでぜひ読んでみてください。)

それではもいもい!

より多くの人に教育的な課題について考えてもらえるよう、研究・執筆を続けていきたいと思っています。ぜひサポートしていただけると嬉しいです!