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冷泉家の乞巧奠

(※この記事は2019年8月10日にFacebookに投稿したものの転記です)

昨日は「冷泉家の乞巧奠」を観覧してきました。ご一緒してくださった皆様、皆様のおかげで何倍もの楽しみをいただきました。後会も賑やかで楽しかったですね!ほんとうに素敵な時間。ありがとう。

歌会というのは優雅な遊びですね。

乞巧奠は、なんと読むと思いますか?これは「きっこうてん」と読みます。「きっこうでん」ではないそうなのです。音が濁らない。冷泉さんがそのようにお話しでした。

舞台には五色の布がかけられ、笹の枝を立てた間に紐を渡し、そこに梶の葉を飾る。梶の葉には願いを書く。

梶の葉は、紙の原料です。今では楮に押されていますが(というか梶と楮では圧倒的に楮)、梶は古くから紙として使われてきました。その梶の葉に直に墨で文字を書くというのは、なにやらとても深い歴史のつながりを感じたのです。

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張られた紐には、梶の葉、次に色糸、梶の葉....といった順番で五色の糸と梶の葉が飾られる。

祭壇脇には秋の七草、「星の座」の祭壇には、山の幸・海の幸も置かれその配列は歌になっているとか。

うりなすび ももなし からのさかづきに ささげらんかづ むしあわびたひ(瓜・茄子・桃・梨・空の杯・豇豆・蘭花豆=油で揚げた空豆・蒸鮑・鯛)

そして蹴鞠や雅楽の演奏、披講(和歌の朗詠)。この披講にも、家によって朗詠の調べがいろいろにあるようです。流れの座というのがあり、天の川に見立てた白布を間に向かいあった男女が互いに和歌を贈答もので、白布は格調高い文様の織り出された真っ白な絹の反物でした。

........平安時代は御簾越しで扇子の上に歌を乗せてやりとりをしただろうけれども、直にこのように顔を見合わせた形で行われるようになったのはいつ頃だろうと、友人たちが話していて。

見ているだけではわからないことも多く、紙の使い方や供物の配置など、いろいろに知りたくなりました。

それにしても夜通し熱烈に愛を語り合うとは、よほど楽しかったのでしょうね。わかる気がします。一種の臨戦態勢なんでしょうね笑 (ぜひ混ざりたい....)

披講と、蝋燭の灯と。殿方の蹴鞠をする勇姿を拝見して、雅楽で瞑想状態に入り、好い歌を詠じるのにちょうどよい具合になるのでしょうね。

素晴らしいチケットのご紹介と御手配に感謝致します。

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