人生の半分くらいは商業BL小説が好き

はじめて自分で買って読んだのは月村奎先生の「そして恋がはじまる」(徳間書店)。イラストを担当していた夢花李先生(ちなみに「同細胞生物」(大洋図書)がはじめて買った商業BL漫画)が好きで、そしてもともと小説が好きだったから手に取ってみた。
それから十年以上経つがほぼ毎月BL小説(新刊)を買っている。人生の半分以上はBL小説を読んで過ごしてきたという計算になる。

そもそもいわゆる腐女子(この呼称については賛否あるけど、今回は置いておく)になったのは、「純情ロマンチカ」(角川書店)がアニメ化していた頃。そのタイミングで私は友人にとある少年漫画と二次創作アンソロジーを貸し出され、それからBL沼にずっぷりはまっていた。
その前からハードボイルド小説やら警察小説といった男性同士のクソデカ感情が読めるものを好んで手に取っていたから、素養はあったんだと思う。
ちなみにこの世の創作物のなかで、一番好きなのは柴田よしき先生の「所轄刑事麻生龍太郎」(新潮社)などに出てくる及川純というキャラクター。彼は私のBL人生にも多大な影響を与えた偉大な男である。

商業BL小説は好きだけれど、私がはまったときには00年代を越えようとしていて、小説JUNEはもうとっくに廃刊(というかJUNEという言葉も随分長いこと知らなかった)。ということで、BL小説の古典的代表作品にはあまり明るくない……。
商業BL小説読みには長い間ずっとこの業界を好きでい続け、買い支えてきた人たちが多い。それでもなぜいまだヒヨッコのBL小説読みである私がこんな話をしているのか。
度々商業BL小説愛好家のなかでも話題になっているが、商業BL小説業界(主に紙書籍を出すレーベル)が瀕死だから。大袈裟に言ったが、案外大袈裟じゃないかも…と思っている。
2019年から2020年5月に至るまでの間で、HollyNOVELS(蒼竜社)GUSH文庫(海王社)プラチナ文庫(フランス書院)、つい最近で発表があったSplush文庫(イーストプレス)と約1年の間でレーベルがたたまれ、その間に立ち上がったレーベルは減った数を超えない。紙書籍がメインのレーベルはないと言っても差し支えないと思う。(2019年からスタートのRubyCollection(角川)って紙の新規レーベルと数える?)(最近だと思っていたモノクロームロマンス文庫(新書館)は2013年発刊スタートだったから、全然最近じゃなかった)
ネット上でただで読める作品も多いし、面白いのもたくさんある時代だけれど、やっぱりなにかが違う。読む側の心構えというか、なんというか。お金出す・出さないかの違いでこんなにも変わるのかって自分でも思うけれど。
とにかく、いまどきの言葉で言えば「ぴえん」。か、かなしい~~~~~!という気持ちになりながら、この文章書いています。

そもそも小説業界が活字離れ(ユーザーの減少)といわれていて、そこからさらにBLという趣味に特化している業界(ジャンル?)だから、新規の読者が入りにくいのもわかる!漫画と小説は別物だから、漫画は読むけど小説は…という人もいるのもわかる!(一冊読みきるのにかかる時間が違ったりもするし)(でもちょっとだけBL漫画の盛況っぷりを見ると、流入してこないかなーとは思う。正直)(漫画が好調そうなところが小説レーベルたたんだり、規模縮小しているのを見るとまじでぴえんって思う)

これからも「私が」好きな商業BL小説を読み続けたいから、そのためにはたくさんの商業BL小説レーベルは生き残っていってほしいし、レーベルが生き残るために買い支え続けたいし、その母数は多ければ多いほどいいし――つまり、商業BL小説読者が増えてほしいんです。

などなどと、偉そうに言いながら実は物欲・グッズ欲とかあまりないので、サイン会などのイベントや特典コンプリート(複数買い)に熱心ではないダメ読者でもあるのですが。本編で話は完結、特典は蛇足ととらえているので、あまり執着がない……(このあたりもすごいダメ読者っぽい)。推しの書店の応援も含めて、地道に買い支えられたらなと思って毎月の新刊リストを見ています。
紙でも電子でも読みます。電子はKindleとhontoユーザー。

私の友人は8割以上がBL好きなのだけど、商業BL小説はあまり読んできていないと言う。私が好きなのを知ってるからっていうのもあるけど、興味はあると言ってくれたりもする。ということで、まずは友達におすすめするような記事をちまちま書いていきたいなと思う。長々と書いてきましたが、要はそういうことです!

ちなみに私が2018年から読んで記録できたものだけだけど、攻め/受けのカテゴライズとか、ジャンル分けしてまとめてるのが読書メーターにもあります。(ズボラだからすぐ忘れる)

この世にはもっと便利なちるちるっていうレビューサイトもありますが!(いつもお世話になってます!多謝!)

最後に自己紹介をして、この記事は終わります。
◆◆自己紹介◆◆
九果(きゅうか)|Twitter
成人済のBL好き(主に読むのは小説)(BL以外でも読むのは小説のほうが多い)
当て馬だった受(当て馬だったときは攻っぽいと尚良い)がいい攻に出逢って猫可愛がりされるのが好きというなかなか説明しにくい嗜好の持ち主。人狼BLがとりわけ好き。
毎年の目標は「レビューをまめに書く」「積読ゼロ!」


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