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荒川氏と掛谷氏のやりとり

両者の主張、反論をみて、観察、感想を書く…という退屈な記事です。
文字ベースにより双方、書いた内容は確定しているので、単純にそれらから、できるだけ公平中立に現時点での私なりの見解・判定・評価などを書きました。新たな証言()がでれば、現在のそれらは覆る事もあります。

議論の際の反面教師になったりもしますので、
あなたの見解を紙などに書いたうえで読まれると、
何か得るものがあるかもしれません。

まず、荒川氏のnote記事を全文読みましょう。

アーカイブ:https://archive.md/4f05o

事前情報:
・荒川央氏が単著の査読前論文
2022年6月1日公開
https://zenodo.org/records/6601991

・掛谷英紀氏、松本 義久氏の論文
受付日: 2022年6月7日 受理日: 2022年9月2日
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/15/0/15_22/_article/-char/en

・荒川氏の公開質問

さて、掛谷氏も反論を寄せていますので、2スレ分を掲載しました。

※引用部(灰色背景)は私の個人的感想(必要があれば引用も含む)、「*」はツイートの区切り

掛谷氏(最終更新2024年6月3日午前6:10):

以下のnoteの内容には大きな誤りが多数あります。荒川先生にはメールで、12時間以内に連絡がない場合は、これまでのメールのやり取りを個人情報の部分を隠した上で全て公開する旨、通告いたしました。メールのやり取りを全てご覧になれば、荒川先生のウソは明白になります。
*
荒川先生のウソ ・我々の最初のコンタクトは2022年1月16日ではなく、2021年9月15日。それも連絡は荒川先生から私に連絡が来ました。内容は起源問題とは全く別の案件です。 ・オミクロン株起源の話を最初にしたのは2021年12月27日。それも荒川先生から私宛に連絡が来ました。 メールの証拠があります。

荒川氏note『この記事を見た筑波大学の掛谷英紀先生が2022年1月16日に私にコンタクトを取って来られました。「自分でも計算をしているので共著で論文を書かせてほしい」との事でした。』
→主張は、1月16日のコンタクトで掛谷氏は「共著で論文」の依頼をした

-----(感想)-----
掛谷氏のいう「"最初の"コンタクト」などそもそも、荒川氏のnoteには書かれていません。相手の主張をすり替え、自分で歪曲した主張にウソと言って相手を貶め、自身を優位にするのは印象操作であり、典型的な藁人形論法になるかと思います。

メールで「それ以前からやりとり」していたが、「もし差し支えなければ、これを具体的に計算して、共著で論文を書かせていただければと思うのですが、いかがでしょうか?」と1月16日の掛谷氏のメールで「共著で論文」の依頼をしているように、荒川氏の当該主張に嘘はなく、あるのは掛谷氏の藁人形論法ではないでしょうか?

*
パリグループの会議参加者は200人ではなく30人程度で、荒川先生以外にBruttel氏と私も発表しています。それぞれ全く別の内容です。また、私の最初の論文は変異確率の数理モデルで、dN/dSの解析ではありません私の論文の数式を荒川先生は説明できないはずです。それが剽窃でない何よりの証拠です。

-----(関連)-----
荒川氏note『その掛谷先生自身の論文のために、私は掛谷先生に求められた全てのデータの解析をして渡したのです。事実上、彼の論文の「全データ」を出したのは私でした。そして掛谷先生がその私のデータを元にした論文を私に送ってきたのが2022年3月12日。さらにそこに来て突然掛谷先生は今まで研究に一切参加していなかったM先生を連れて来て最終著者に置いたのです (ちなみにM先生は掛谷先生の大学の同級生でご友人との事)。そして私は第二著者です。掛谷先生のこの論文のintroductionは事実上私のものと酷似しており、そしてデータ自体も私の論文のオミクロンのものをそのまま流用していました。私の論文も掛谷先生の論文も中心となる発見は「dN/dS (別名Ka/Ks) 解析による変異パターンの不自然さからオミクロン株は人工ウイルスである」です。(中略)また、掛谷先生が新型コロナウイルス起源に関するパリグループの学会(Evidence-based investigation of the proximal origin of SARS-CoV-2)で論文の内容について発表した際には、「自分の研究の趣旨に賛同さえしてくれれば誰でも論文の著者に加えるので、著者に入れて欲しい人は声をかけてください。」とも発言されました。200人程の参加者のうちその場で賛同した人は0でしたが、私は正直その発言に驚き呆れ、「この論文の全データを提供した私が、ここで名前だけを募っているその他大勢の一人と同等扱いなのか」と深く失望するとともに、これは著者の研究貢献度についてのモラルに違反する行為ではないかと感じました。』

-----(感想)-----
①「パリグループの会議参加者が200人か30人か」は参加者・主催者以外に知ることができないと推察されるので、現在、何も言うところはありません。

②荒川氏のいう「掛谷先生の論文」と、掛谷氏のいう「私の最初の論文」は両者ともリンクを掲載している通り、以下だと思われます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/15/0/15_22/_article/-char/en
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/15/0/15_22/_pdf/-char/en

荒川氏『掛谷先生のこの論文のintroductionは事実上私のものと酷似しており、そしてデータ自体も私の論文のオミクロンのものをそのまま流用していました。私の論文も掛谷先生の論文も中心となる発見は「dN/dS (別名Ka/Ks) 解析による変異パターンの不自然さからオミクロン株は人工ウイルスである」です。』『掛谷先生はこの「著者は同時に別の雑誌に共通の内容を持つ論文を投稿してはいけない」というルールに事実上違反したとその時私は判断しました。結果、共同研究関係は決裂し、私の論文からは彼の名前を抜き、また彼の論文から私の名前を抜いてもらいました。ある意味2つの「共同研究」の同時決裂です。私が自分自身の論文で用いたのは多数のウイルス配列の比較から推定したそれぞれの変異株の祖先型です。実際、解析すべき配列さえ分かっていれば類似の配列をデータベースから検索する事自体は容易です。そしてその後、掛谷先生は私が渡したものと類似の変異パターンを持つ配列を検索で探し出し、同様のデータを再現しました。そして「これで荒川には迷惑はかからないだろう」と主張し、論文を修正したのです。』

掛谷氏私の最初の論文は変異確率の数理モデルで、dN/dSの解析ではありません。私の論文の数式を荒川先生は説明できないはずです。それが剽窃でない何よりの証拠です。』

ここは両者の「論点」が合いません。
荒川氏と掛谷氏は共同研究関係。それが決裂。…というように人間関係の円滑さが失われたと思います。

荒川氏からすれば、「掛谷、てめー俺がいなければ、この論文書けなかったろうが!データも渡しただろうが!模倣したんちゃうの?」でしょうし、掛谷氏からすれば「決裂したので、てめーのデータは使えず、自前で揃えただろうが!因縁つけんじゃねー!模倣?他の学者も発表済みで既知のことじゃねーか?剽窃なわけねーやん!ちなみに私の論文は数理モデルの話だから。共同研究が決裂したのだから修正するに決まってるやん!」
…といったところでしょうか汗

※「模倣」と「盗作」と「剽窃」はすべて意味が異なります
模倣:自分で工夫して作り出すのでなく、既にできているものをまねること
剽窃他人の作品や論文を盗み、自分のものとして発表すること
盗用
盗んで用いること。 無断で使用すること

【パクリ論文か?】
掛谷氏の論文の「Abstract:~」をみるに
掛谷氏の論文と、荒川氏の論文では、結論は似ているが、確かに掛谷氏の「変異確率の数理モデルで、dN/dSの解析ではありません」の主張は成立しそうな気がしますので、パクリではないと素人的には思います。アイデアは充分に参考にしのたかもしれませんが、それを自己の専門でもある数理モデルでアプローチしたというものでしょうか?そもそも掛谷氏も荒川氏もパクリとはいっていないので、特に気にしないでください。

*
私が荒川先生から草稿を受け取るより前の2022年1月18日に、私は下の図を作成して荒川先生にお送りしています。これが我々の論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/15/0/15_22/_article/-char/en
の元になっています。

*
荒川先生の「そのタイミングでたまたまちょうど依頼して来た新興雑誌にその論文を投稿したところ、それは架空の雑誌の詐欺だった」というのも、私が荒川先生から受け取ったメールと矛盾します。メールを公開すれば、その矛盾が明らかになります。

以下掛谷氏のツイートに、メールの部分開示がされているのでそちらにて。


掛谷氏(2024年6月3日午後7:20)
荒川央先生のnoteについて、実際のメールの文面を開示して具体的に反論したいと思います。全て公開してもいいのですが、弁護士からまずは核心部分に限定するよう助言を受けているので、今回は要点のみ開示します。
*
誰にでも分かるように、まずは科学抜きに理解できる話から始めます。我々の論文が採録された報告をしたとき、荒川先生は「おめでとうございます!」と返信されています。自分の研究成果を盗んだ論文と思っているのに、なぜ祝福するのでしょうか?

掛谷氏『自分の研究成果を盗んだ論文と思っているのに、…』

-----(感想)-----
荒川氏は「盗んだ論文」と思っているのでしょうか?荒川氏のnoteをみるに「荒川が提供したデータを模倣したものという事はありませんか?」という質問と模倣について疑わしいという経緯付エピソードです。少なくとも荒川氏のnote記事に「盗」や「剽」という言葉は一度も使われておりません。あるのは記事後半に掛谷氏への質問として「模倣」が一度登場するのみです。
掛谷氏のツイートは、荒川氏の主張を変えて反論する傾向があり、これで2回目の藁人形論法ではないでしょうか?

※「模倣」と「盗作」と「剽窃」はすべて意味が異なります
模倣:自分で工夫して作り出すのでなく、既にできているものをまねること剽窃:他人の作品や論文を盗み、自分のものとして発表すること
盗用:盗んで用いること。 無断で使用すること

*
荒川先生のnoteには「依頼して来た新興雑誌にその論文を投稿したところ、それは架空の雑誌の詐欺」と書かれていますが、私宛にはHeliyonに投稿中と書いています。HeliyonはCell Pressが発行する実在の雑誌です。 https://cell.com/heliyon/home

-----(関連)-----
掛谷氏『荒川先生のnoteには「依頼して来た新興雑誌にその論文を投稿したところ、それは架空の雑誌の詐欺」と書かれていますが、私宛にはHeliyonに投稿中と書いています。』

-----(感想)-----
荒川氏のいう「架空の雑誌の詐欺」とは掛谷氏の推測の「Heliyon」の事を指しているのでしょうか?
→荒川氏の回答待ちになります。

参考:Heliyon
Heliyon は、科学、社会科学、人文科学、芸術のあらゆる分野の研究を網羅する月刊の査読付き メガジャーナルです。
歴史:2015年~現在
出版社:Cell Press
インパクトファクター:4.0 (2022)

*
荒川先生のnoteには「この記事を見た筑波大学の掛谷英紀先生が2022年1月16日に私にコンタクトを取って来られました」とありますが、2021年12月27日に荒川先生から先にその記事を紹介するメールをいただきました。

*
私が荒川先生に連絡したのは、そのメールに返信したものです。

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荒川先生が指摘されるように、2月1日に荒川先生の原稿をいただいたのは事実ですが、1月18日には我々の論文の骨子となる解析は完成しています。論文の数式と比較ください。また、荒川先生はプログラミングができなことを認めていらっしゃいます。 https://jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/15/0/15_22/_article/-char/en

*
上の論文から、荒川先生のnoteのM先生は松本先生だと分かると思います。荒川先生が松本先生の貢献がゼロというのも誤りです。松本先生は変異の専門家で、ヌクレオチドにより変異に偏りがあることを考慮すべきと指摘いただきました。それが論文の解析に生かされていることは、論文を読めば分かります。

-----(関連)-----
松本先生…https://researchmap.jp/read0056912

荒川氏『また、掛谷先生が新型コロナウイルス起源に関するパリグループの学会(Evidence-based investigation of the proximal origin of SARS-CoV-2)で論文の内容について発表した際には、「自分の研究の趣旨に賛同さえしてくれれば誰でも論文の著者に加えるので、著者に入れて欲しい人は声をかけてください。」とも発言されました。200人程の参加者のうちその場で賛同した人は0でしたが、私は正直その発言に驚き呆れ、「この論文の全データを提供した私が、ここで名前だけを募っているその他大勢の一人と同等扱いなのか」と深く失望するとともに、これは著者の研究貢献度についてのモラルに違反する行為ではないかと感じました。実際その後データには貢献しないまま著者に入ったのはM先生一人だけでした。』

掛谷氏『松本先生は変異の専門家で、ヌクレオチドにより変異に偏りがあることを考慮すべきと指摘いただきました。』

-----(感想)-----
松本氏の貢献の程度評価は、荒川主観と掛谷主観により平行線でしょうか?
ただ、経緯を考えると、二人で共著を了承し、双方メールのやりとりなどしている関係性だったのではないでしょうか。データ提供もされ、「二人の論文」というコンセンサスがあるにも関わらず、自前の別論文を書き始め、荒川氏を第二著者にしようとしたのであれば、一般人の感覚としては、明確に信頼関係を崩す行為であるように思います。
掛谷氏には、この経緯、この点への反論がないように思われます。あるのであればまた違う評価になるかもしれません。
また、掛谷氏は「自分の研究の趣旨に賛同さえしてくれれば誰でも論文の著者に加えるので、著者に入れて欲しい人は声をかけてください。」といったという荒川氏の主張に対しても回答はしていません。これが事実であれば、「貢献がゼロでもウェルカムだ」という研究者の倫理観を窺わせているようにも思います。反論があるのなら、早急にすべきだと思います。

*
荒川先生の3つの質問の質問1には半分答えましたが、残りについて答えます。論文の独自性ですが、そもそもdN/dSの異常に基づくオミクロン株非天然起源の可能性は、荒川先生より前にBruttelなど多くの学者が気づいていました。その着眼に荒川先生の先駆性はありません。

*
dN/dSの異常は皆知っていました。我々の論文のオリジナリティは数理モデルの部分です。何か異常と思うことを数値的に評価するのは重要なことです。たとえばSARS-CoV-2の制限酵素切断部位の配置の異常は私も知っていましたが、それを数値化した論文は非常に価値がありました。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.10.18.512756v1

*
これで質問2までは答えたと思います質問3は意図が分からないので答えられません。いずれにせよ、我々の論文が荒川先生のアイデアを盗んだものだという主張は全くの言いがかりで、名誉棄損に当たるものです。即刻撤回を求めます。

-----(感想)-----
既に前述したとおり、荒川氏は記事に「盗」「剽」の字もなく、質問として「荒川が提供したデータを"模倣"したものという事はありませんか?」と問うているに過ぎないように思います。ご自身の藁人形論法をもって、名誉棄損と言いだすのは、それこそ…ですし、個人的に理解しがたいものがあります。

*
1点加えると、私は荒川先生がmRNAワクチンの危険に初期から気づいていたこと、日本人学者で私以外に初めて新型コロナ研究所起源を公言したことには敬意を表しています。しかし、今回の件は全く看過できません。我々の論文採択を「おめでとうございます!」と言っていたのに、なぜ今頃言いがかりをつけ始めたのか。思うに、私がDNA混入問題やレプリコン個体間感染説を批判したからでしょう。その批判を退けたいなら、自説を科学的に証明する努力をするのが科学者の仕事です。自分と異なる説を唱える人間を、ウソで貶めて自説を正当化するのは政治屋のやり方です。荒川先生が、本来の科学者の精神を取り戻されることを願っています。


-----(結び)-----
さて、もう一度、荒川氏の質問と掛谷氏の回答について、現時点の、あなたのジャッジ・評価はいかがでしょうか(質問3を除く)。

私はもはやハンワクムラに興味がなく、ただの素人の一感想として書いています。

もちろん、双方派閥化され、「応援している」「支持している」人に肩入れされる事もあるでしょう。それこそが依存、人信仰、主義信仰によるbiasのを生みやすくするものです。

「応援しているのであれば」こそ主張は公平中立にみる事を意識してください。「影響力のある人」の間違いを指摘できる支持者、真面目に耳を傾けるリーダー。この関係が健全にできるからこそ、非常に強いチームが生まれる事でしょう

それでは、また!


*****(追記)*****

荒川氏note 2024年6月5日 02:11

荒川氏『私自身は私信の公開の許可自体もしておりませんでしたが、掛谷先生が意図的に選ばれたメールの公開をされるのであれば、私としては全てのメールの公開の用意もございます』

-----(関連)-----
荒川氏
・note記事のコメント欄への返信を要望した
・私信の公開を許可していない
→荒川氏としては全てのメールの公開の用意
・反論はまとめて記事の形として近日公開する事を検討

-----(感想)-----
感想は特にありません。私信公開の是非論争になると、本題から論点が離れていきそうではあります。

掛谷氏(2024年6月5日午前8:28):

本件、名誉棄損案件ですので弁護士と協議の上進めます。メールの公開は全く問題ありませんが、当方が行ったように個人情報(特に第三者のもの)の保護には格段の配慮をお願いします。
*
なお、質問には既に回答したつもりです。
(1) 2/1に草稿の送付を受けたことは事実。ただしdN/dSの異常から人工を疑うのは当時も公知。そこに新規性なし
(2) 我々の論文に荒川先生のデータからの盗用は一切ない
(3) 質問の意図が分からない(上記のいずれも、とりたててSNSで発信すべき内容ではない)

-----(感想)-----
この内容であれば反論として何も問題がないように思います。
最初から、このように主張し「双方の主張で、食い違うところ、見解の違いを明確にし、批判すべきところは批判する」形で良かったように思います。
詭弁論法を用いて貶める行為は、批判ではありません。

●線引き
批判:異なる意見を主張すること
誹謗中傷:特定の人物への悪口や虚偽の発言
     (名誉棄損罪や侮辱罪に問われる恐れあり)


*****(追記2)*****

掛谷氏(2024年6月5日午後7:06):
その通りです。荒川先生のnoteにある "彼の論文の「全データ」を出したのは私でした"というのは真っ赤な嘘で名誉棄損です。その証拠をお見せします(続)

*
私が3/12時点で送った初稿の表は以下の通りです。黒塗りの部分は荒川先生から提供されたもので、残りは私が集計したデータです。出版された論文の表と比較すれば、表2と表5がオミクロンだけに置換されているのが分かると思います。これで荒川データは全て消えています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ipsjtbio/15/0/15_22/_article/-char/en

*
論文の表は全て私が独自に計算したオリジナルデータです。表1と表3の計算は荒川先生の草稿をいただく前の1/17時点で全て終えていたことが下記メールから分るでしょう。表3の計算をするPythonのプログラムがあれば、表4の計算と表2, 5の再計算が容易なことはプロならすぐ分かります。

*
なお、表5の計算はC→Uと他の変異の数の比較で、これをやるよう提案したのは松本先生。ですから、彼の貢献がゼロというのも虚偽です。さらに、オミクロンのdN/dSの異常は荒川先生からメールをいただくよりずっと前に私は知っていました。証拠ツイートがこちら。

*
もう少し後のこちらのツイートも証拠になるでしょう。

-----(関連)-----
掛谷氏ツイート:『荒川先生のnoteにある "彼の論文の「全データ」を出しのは私でした"というのは真っ赤な嘘で名誉棄損です。』
『荒川先生が指摘されるように、2月1日に荒川先生の原稿をいただいたのは事実ですが、1月18日には我々の論文の骨子となる解析は完成しています。論文の数式と比較ください。』

荒川氏氏note:『私が掛谷先生に自身の論文の草稿を送ったのは2022年2月1日です。論文では私が筆頭著者、掛谷先生を最終著者に置きました。その際、私は掛谷先生に共同研究者として論文を補強するデータやアイデアを自由に入れてくれるように頼んだのにも関わらず、一切何のデータやアイデアも出していただけませんでした。結局彼は武漢などでの機能獲得実験を批判する政治的な文章を論文の最後に付け加えてきたのみであり、私の解析とは論理的に何ら繋がらず、共同研究者としての貢献は事実上一切ありませんでした。それどころか掛谷先生は「自分でも別にもう一報論文を書きたい」と主張され始め、私は不愉快でしたが承諾しました。そしてその掛谷先生自身の論文のために、私は掛谷先生に求められた全てのデータの解析をして渡したのです。事実上、彼の論文の「全データ」を出したのは私でした。そして掛谷先生がその私のデータを元にした論文を私に送ってきたのが2022年3月12日。』
『実際、解析すべき配列さえ分かっていれば類似の配列をデータベースから検索する事自体は容易です。そしてその後、掛谷先生は私が渡したものと類似の変異パターンを持つ配列を検索で探し出し、同様のデータを再現しました。そして「これで荒川には迷惑はかからないだろう」と主張し、論文を修正したのです。事実上これは研究者としては重大なモラル違反です。しかし、研究者としてのモラルと理屈がここまで通用しない人物を止める事は自分にはもはや不可能だと判断し、それ以上の説得を私は諦めました。このやりとりがあったのは2022年の3月14日前後です。』

-----(感想)-----
両者の「認識のズレ」の話になりそうです。

荒川氏によると・・・
・2022年2月1日 草稿(荒川氏→掛谷氏)
・2022年3月12日 荒川氏のデータを元にした論文を(掛谷氏が)私に送ってきた→事実上、彼の論文の「全データ」を出したのは荒川氏
・2022年3月14日前後 掛谷先生は私が渡したものと類似の変異パターンを持つ配列を検索で探し出し、同様のデータを再現

掛谷氏によると・・・
・(2022年)1月18日には我々の論文の骨子となる解析は完成
・2022年3月12日 初稿を荒川氏に送付。黒塗りの部分は荒川先生から提供されたもので、残りは掛谷氏が集計したデータ

掛谷氏は画像をアップされております。
さて、それ(掛谷氏が集計したデータ)が
1.荒川氏の発案であり、それを知った事で、同様の結果を再現しえたから全データを出したのは荒川氏
2.荒川氏の発案であったが、新規性はなく(公知で)、荒川氏がいなくても再現しえたので、全データを出したのは荒川氏というのは嘘。そもそも骨子は1月18日に完成
…という部分が、両者主張の噛み合わないところでしょうか?

掛谷氏が「1月18日に骨子完成」とあり、また「公知」という言い分を、事実(リンク紹介)として裏付けの形をとっています。
荒川氏は「解析すべき配列さえ分かっていれば類似の配列をデータベースから検索する事自体は容易」と最初のnoteで言われていますが、「掛谷氏が1月18日に骨子完成」に対して、また「公知性」に対して反論があるのであれば、する必要があるのではないかと思います。

「全データをだした」というのは主観的で、それが争点になっている以上、荒川氏は、「全データ」の再定義、反論、撤回するなどの必要があるかもしれません。

とはいえ、このテーマは当時のメールや各々の情報発信、主観に基づいた限定された部分情報議論ですし、専門過ぎますから、私の感想も見当外れになっている可能性も大いにあることでしょう。


*****(追記3)*****

掛谷氏(2024年6月7日午前8:49):

荒川先生のnoteには、私が「真理の探究などは誰か別の人にでもやってもらえば良い。自分の論文発表はある意味政治的行為として正義のために行なっている」と発言したと書かれていますが、実際に私が書いた文面は以下の通りです。

-----(関連)-----
①荒川氏note:『当時掛谷先生とZoomでも話したのですが、掛谷先生は「これは自分のためではなく社会のためであり、1日も早く自分の論文が発表されなければいけない。危険な機能獲得研究を止めるためには一刻も早く自分の論文が出版される事が必要だ」と主張されていました。しかしながら私はこれは「荒川を出し抜いてでも一刻も早く自分が先に論文を出す為」のエクスキューズだと感じました。さらには「真理の探究などは誰か別の人にでもやってもらえば良い。自分の論文発表はある意味政治的行為として正義のために行なっている」といった事もおっしゃっていました。これも科学者として私には同意できない考え方でした』

掛谷氏ツイート『荒川先生のnoteには、私が「真理の探究などは誰か別の人にでもやってもらえば良い。自分の論文発表はある意味政治的行為として正義のために行なっている」と発言したと書かれていますが、実際に私が書いた文面は以下の通りです。』

②掛谷氏の画像:『武漢株とオミクロン株で代表的な配列 (プロトではないもの) を分析対象に使うよう書き直したいと思います。その場合、先に公開 しても荒川先生の論文には迷惑はかからないと思いますが、いかがでしょうか?』
荒川氏note:『掛谷先生はこの「著者は同時に別の雑誌に共通の内容を持つ論文を投稿してはいけない」というルールに事実上違反したとその時私は判断しました。結果、共同研究関係は決裂し、私の論文からは彼の名前を抜き、また彼の論文から私の名前を抜いてもらいました。ある意味2つの「共同研究」の同時決裂です。私が自分自身の論文で用いたのは多数のウイルス配列の比較から推定したそれぞれの変異株の祖先型です。実際、解析すべき配列さえ分かっていれば類似の配列をデータベースから検索する事自体は容易です。そしてその後、掛谷先生は私が渡したものと類似の変異パターンを持つ配列を検索で探し出し、同様のデータを再現しました。そして「これで荒川には迷惑はかからないだろう」と主張し、論文を修正したのです。事実上これは研究者としては重大なモラル違反です。しかし、研究者としてのモラルと理屈がここまで通用しない人物を止める事は自分にはもはや不可能だと判断し、それ以上の説得を私は諦めました。このやりとりがあったのは2022年の3月14日前後です。私自身は掛谷先生との関係はこの時点で破綻したと認識しています。』

-----(感想)-----
①荒川氏のnoteに「Zoonで言った」と前提が書かれており、それに対して掛谷氏の「私が書いた文面(メール)」を並べても、何の証拠にも反論にもなりません。

②荒川氏のエピソードの内容(太字部分)の真実相当性を、掛谷氏はツイートにあるメール画像で裏付けたようです。その上で、荒川氏には「これは研究者としてのモラル違反」という主張があります。掛谷氏は、この「モラル違反」に対して、見解を表明したり、反論があるならされるべきかと思います。

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