助けは来ない
コロナ陽性
それから ヘルパーといわれる人々は来なくなった。
一番助けが必要な時、助けは来ない。
彼らは、抗原検査にこだわった。
抗原検査が陽性だと、来ない。
何日経っても 来ない。
そのうち、往診の予定を聞き出してきて
「その時 コロナ検査をするようだったら検査結果を教えてください」
と。
私は電話して往診にきいた。
「あの 抗原検査、PCR検査などをする予定ありますか」
「・・?なんでですか?(担当NS)」
「いや、あの ヘルパーさんが、コロナ陽性になったとたん全然きてくれないんです。それで、抗原検査キットなどを持ってきて、陽性だときてくれない。で、明日往診があると言ったら、病院で検査する予定があるのであれば、その結果を教えてほしいと言われたんです。いちいち抗原検査キットを持ってくるのが面倒になったのかな」
「だって、対象者(コロナにかかったひと)はくしゃみやら咳をしたりタンが出たりするような状態ではないでしょう?」
「そうなんですが」
「病院では 最長10日でコロナ対応は解除します。世間一般では5日、当院は10日です。その後ウィルス検査はしません。だってやれば出ちゃいますから。」
「そうですよねえ、私も以前コロナに罹った人から聞いたのですが、その頃は始めの頃だったから2週間でなんの治療もなく、無罪放免になったそうで。最後検査もしないのよと言われました」
「だいたい、PCR検査なんか 感度がいいからいつまでも出ちゃいますよ」
「この話 ヘルパーさんの会社に言ってみます」
「そうしてください。」
その後、ヘルパーさんに電話した
「あの、抗原検査だとか、 PCR検査だとか 規程の日数後はしないんだそうです。やると出ちゃうんだそうで・・とりあえず 明日の往診ではその手の検査はしないとのことです」
「そうですか。そうですよねえ。 じゃあ、明日抗原検査キットいっぱいもっていきますから、それで調べてください。(誰がなんと言おうと陽性が出ている限りは、サービス停止ですと言外に言っている。)」
「(馬耳東風とはこのことかと瞬時に理解)あ、はい・・わかりました」
かくして、数日後 抗原検査が陰性になった当日
ヘルパーさんがきた。
泣きながら
「来られないのが、かわいそうで、苦しくて」と言った。
私は 涙をみても冷ややかな思いでみていた。