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【香港99日間 #70】特徴的な信号機の音で遊んでみた〜その2

前回は香港の信号機の音を解析してみたという話をしました。今回は前回の続編の記事です。エスカレーターの音が、昔の機械式の信号機の音と似ていたので、録音して解析してみたら面白いことがわかりましたのでご紹介します。


前回の記事はこちらからご覧いただけます。

エスカレーターの機械音

昔は信号機の音は機械式だったようですが、残念ながら(?)ほとんど電子式に置き換わってしまったようで、機械式のものを見つけることができませんでした。

しかし、地下鉄のエスカレーターから、信号機の音のような、機械式の音がでていることに気づきました。エスカレーターに乗りこむ方向では音のテンポが早く、信号機の青信号と同様にこのまま侵入しても良いことを知らせています。逆に降りる方向ではテンポが遅く、これも信号機の赤信号と同様で侵入してはいけないことを知らせてくれます。

信号機やエスカレーターから発する音は視力が不自由な方向けのサインですので、統一されていることでわかりやすくなっているわけです。

こちらから音声入りの動画をダウンロードすることができます。

さらに周波数解析をしてみました。音源のノイズが大きいので、あまりきれいな波形ではありませんが、1,082Hzのところにピークが見えます。他にも2,705Hz、3,870Hz、4,328Hzなどなど、ちょうど541Hzの倍数の周波数にピークがあることがわかります。

電子式の音の周波数は541Hzでしたが、機械式の音は1,082Hzなのでちょうど2倍になっています。音階は1オクターブ高くなると、周波数が倍になります。例えば、同じ「ド」の音でも、周波数が倍になると、1オクターブ高い「ド」の音になります。

逆に言うと、電子式の音は機械式のものと比べると、ちょうど1オクターブ低くなっているということになります。その理由を考えてみました。機械式の「カチッ」という音と電子式の「ピッ」という音を比較してみると、もしこれらが同じ音の高さだった場合、電子式の音の方が耳障りに聞こえます。しかし中途半端に電子音の高さを低くすると、音を頼りにしていた人が混乱しますし、電子式への移行期に機械式と混在したときに不協和音を発してしまうので、ちょうど1オクターブ下げた、のではないかと想像します。

機械式の音は、物理的に金属の板のようなものを叩いて音を出しているのだと思いますが、楽器とは違い音の高さをチューニングするようなことはしなさそうです。しかし、その金属の板は、きっとどこかの会社が大量生産しているはずで、形が揃っていれば、叩いて出てくる音の高さも揃います。きっと香港じゅうどこの信号機もエスカレーターも同じ高さの音がでていたはずです。前回紹介した機械式の信号機の音(https://www.youtube.com/watch?v=GqbdCDsHMrA)と、今回聞いていただいたエスカレーターの音を比較してみると、実際に同じ高さの音が出ています。

そして、信号機の音を電子式に移植する際に、機械式の音の高さを真似して作ったら、耳障りだったので周波数を1/2にして音の高さを1オクターブ下げた、だから音階には存在しない周波数になったのでしょう。

実際に信号機の音で遊んでみましょう!

前回の作成したウェブ上で楽しめる信号機をアップデートし、音の高さや、倍音を変化できるようにしてみました。以下のリンクをクリックすると信号機が表れます。是非音の変化を楽しんでみてください。

https://editor.p5js.org/escargot/full/48U1aVpmt

ちなみに一番上のスライドバーをめいいっぱい右にスライドさせると、ちょうど1オクターブ高くなります。耳に入ったときにストレスを感じると思います。また、信号機をクリックすると赤→青→点滅→赤・・・と変化しますので遊んでみてください。

※スマートフォンやタブレットで試される際には、マナーモードを解除しないと音がなりません。またiPhoneやiPadの場合にはSafariだとうまく動かないようです。Chromeなど別のブラウザでお試しください。パソコンのブラウザであればEdge・Safari・Chromeに対応しています。

聽日見!

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