学長インタビュー
東洋PR担当 澤田藤華 古谷比呂
今回、2020年の4月に本校の学長に就任された、矢口悦子教授に、我々白山祭実行委員の担当者がインタビューをさせていただきました。東洋大学への思いや、学長自身のこれまでの人生などについて語っていただきます!
◇学長に聞く東洋大学◇
――大学にとって学長とはどのような存在だと思いますか?
矢口学長(以下「学長」):学生を応援する応援団長が学長だと思っています。学生のみなさんが充実した学生生活を送れるように、教員には質の高い授業を行いましょう、職員にはその他の面で様々なサポートをしましょうと、日々声かけをしています。教職員が一致団結して学生を応援する、そのまとめ役が学長ですね。
――学長が目指す東洋大学像は何ですか?
学長:社会から信頼される大学、卒業生が社会に出た際、東洋大出身なら大丈夫と思ってもらえる大学でありたいです。東洋大学は哲学者井上円了が創立した学校であるため、哲学の基本的な考え方である「先入観や偏見にとらわれず、物事の本質に迫る仕方で、論理的・体系的に深く考える」ということを大学の理念にしています。この理念に適う学生を育て、世の中から東洋に任せれば大丈夫、と信頼に繋げることができれば、それはすごく素敵な大学の姿だと思います。
――学長の考える東洋大学の魅力、強みは何ですか?
学長:東洋大学の強みはすごく多様性に富んでいること。5つのキャンパスがあって、2部(夜間)の学生もいて、留学生も受け入れて、様々な学部の学生が共に授業を受けている。その多様さが東洋大学の強みだと思います。多様だということは化学変化を起こす可能性があるでしょ?この多様性は色んな出会いや経験のきっかけになるし、入学したときとは予想もしなかった未来が待っているかもしれない。その点で多様性というのは魅力であり、強みであると思います。
◇学長の日々に迫る◇
――学長の一日のスケジュールを教えてください
学長:えーと、忙しんですよ~?(笑)朝は5時に起床、それから仕事の仕分けなど大学に出勤する前にできる仕事は全て終わらせますね。大学に来ると会議や打合わせがだいたい5つか6つ、多い日は8つぐらい毎日あります。それが1時間単位ぐらいであって、合間に色々な面会や取材が入ります。そして、全部終わって家に到着するのが20時半くらいです。夜ご飯食べて、23時ぐらいのニュースをチェックして、うちの硬式野球部がついに勝ったとかね(笑)そのあとやっと寝るという感じです。
――どのような会議を行っているのですか?
学長:今はやっぱり新型コロナウイルス関連の会議が多いですね。対面授業の対策、オンライン授業の改善、奨学金のことなど、困っている学生さんがいないかなという情報を集めてみんなで相談しています。本当にコロナ対策で実行したことをあげたら切りがないと思います。こんな時だからこそ、学生たちが頑張れるように、応援団長として、教職員と一緒に日々頑張っています。
――休日はどのようにして過ごしていらっしゃいますか?
学長:授業や論文指導の準備をしたり、家の掃除をしたり基本的に自宅にいることが多いですね。私、実は4月から一度も外食していないんです。コロナの前は色々なところに出かけたり、仲間たちとわいわい食べたり飲んだりするのが好きだったんですけど、感染してしまったら仕方ないとはいえ、学長が感染してしまったら学生さん達にも示しがつかないなって思って、今は自分を律してます。
◇若者を応援する人生◇
――学長の人生の目標は何ですか?
学長:難しいですね~。今はもう毎日毎日が一生みたいな感じで、今日を悔いなく生きるようにしてますね。大きな目標があったらかっこいいんですけど、私はあまりないんです。でも、今やっていることに最善を尽くすということが私のずっと続けてる目標ですね。
――学長の学生時代は大きな目標などはありましたか?
学長:学生の頃は何を考えていたのかというと、学校じゃないところにある学びを応援したいとずっと思っていました。今の社会は学校で人生が決まるみたいな風潮があるじゃないですか。だけど、学校を卒業してからのほうが人生は長くて、学ぶことも多いですよね。それで、20代後半ぐらいから全国の若者や女性たちの学習とかを走り回って応援するファシリテーターを文字って「走りテーター」という役割が面白くて、夢中になっていました。大学から様々な地域に走って行って、一緒に地域づくりのプログラムを考えたり、講演や助言をしたりしていました。
――学長になられた理由はなんですか?
学長:私が色々な場所に出かけて応援するのと、東洋大学で学生を応援することはフィールドが変わったけれども、若者を応援するという到達点は同じなんだ、とある時気が付いて、それが決め手の一つです。それから、卒業生や職員がすごく応援してくれたこと。これからの東洋大学をより良くするために一緒に頑張ろうよと言ってもらえたことも決め手になりました。
――これからの東洋大学の在り方について、お聞きしたいです。
学長:コロナを経験する前より良くなったねって言ってもらいたい。例えば今までは対面授業だけだったけど、オンライン授業を経験して、様々な可能性を感じました。と同時に対面授業の重要性も改めてとても理解できました。これらの長所をうまく組み合わせたら、今よりもっと質が向上した、魅力的な教育が提供できるのではないかと思います。コロナで経験したことをマイナスにだけ捉えないで、みんなと繋がるチャンスが増えたと捉えることで、東洋の魅力をもっと面白いものに変えようと一生懸命考えています。
――最後に今年の白山祭のテーマが「雅 伝える和繋がる輪」なのですが、何か大切にしている繋がりはありますか?
学長:やっぱり友達です。保育園、小学校、中学校、高校、大学の頃の友達今でも全部繋がっているんですよ。あの頃にスッと戻れる友達というのはすごく大切にしたいと思っていて、今でもメールをしたり手紙を書いたりしています。将来はバーチャルで友達と海外旅行に行けたらいいなと考えています。やっぱりどんな時も最後は人との繋がりが大切だな、と私は思っています。
取材後記
――3万人の学生を有する東洋大学のトップに取材するということで緊張したが、矢口学長は非常に穏やかで、学生思いの素晴らしい方だった。中でも今日をやり切る、今は外食を控えているなど、自分をきちんと律している点がとても印象的で、学長になる方は本当に堅実な方なのだなと実感した。教職員の方でも普段はなかなか入ることの出来ない、学長室でのインタビューをという貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました!