届け 幽霊

14          幽霊失格

これが14曲目にあることに尾崎さんの思いを感じた

幽霊とは心霊的ホラーな意味で4という数字が当てはまるけど
ホラーとはまた違って14という数字には透明感を感じる。

しっかり存在しているけど 実はないような 上手く言えない


これは クリープ史上
最強(相手を想う気持ち)で最弱(儚さ)のラブソングといえると思う


「顔色悪い ちゃんと食べてる」って幽霊に対して言う言葉ではないのに
思わず言ってしまうほど 相手を大切に思っている主人公

「成仏して消えるくらいなら いつまでも恨んでて」
のフレーズに毎回 涙ぐんでしまう
どんな好き より 愛してる より
どんな言葉よりも「あなたを今でも大切に想っています」が痛いほど伝わる
これ以上の殺し(すでにこの世にはいないけど)文句はないのでないか

女の子の幽霊は
気まぐれに後をついてきたり 来なかったり
はしゃいでドアを通り抜けたり
一番元気なはずの丑三つ時に眠そうにしたり
そんでいつの間にか本当に寝てたり

そんな明るい幽霊とは裏腹に
重く・情けなく うなだれている主人公

ここが対照的になっているからか幽霊なのにホラーを感じさせない

主人公が 犬みたい と表現されているのは
彼女に対する忠実な面(教えられた「座って用をたすこと」を守っていたり)
それに自分で気がついて「あ俺犬みたいに情けない」ってなってる
猫背なのに犬みたい ひたすらに動物に例えているところが
飼い主がいたことを強調しているのかな?

「そんな夜」に込められた 聴く側への想像に任せた
そんな夜ってどんなよ 想像が膨らむ


「怖いどころか心配だよ」
「怖いどころか嬉しいんだよ」

にも本当に愛情を感じる
どんな姿になっても側にいてくれることが いかにに幸せなことなのか
かみしめてる感情
が伝わってくる

こんなにも(本当は冷たいはずなのに)温かくて
こんなにも(絶対にかなわないのに)二人に幸せになってほしい

幽霊という立場を「役割」として
・怖がらせることができない
・成仏しないで と思わせてくる
・暗くない
・心配したくなる
・なんか楽しそうにしてる
 あたりが一般的な幽霊とかけ離れているところを
 「失格」と表現するところがユーモアがある

でも実際 勝手にそう思っているのは自分自身であって相手に欠損はない。「失格」 という言葉は 実は自分自身に向かっている
そんなメッセージを隠した尾崎さんのセンスがたまらなく好き

「まるでこの世のものとは思えない」は
(実際には この世のものではないのに)
その美しさに思わず出てしまった言葉なのかと
想像する 主人公の気持ちを考えると涙がでる

悲しくて 切なくて という感情より
主人公の思いが尊いところに涙腺が緩む

幽霊の軽い思い(幽霊だけに)と
主人公の重い思い
 が対比しているところも
尾崎さんのセンスを感じた

そんな一曲

読んでくださってありがとうございました
届け 変な文章

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